ウィッチプログラム rev.12
ウィッチ on the site
東京ビッグサイト。
「TONDEMO HOUSE」のショップブースで、スタッフのユニフォーム姿で呼び込みをしている直美。
日本最大のITの?イベントでコンパニオン?をしてます。
来客者にチラシを配っている直美。
何でこんなことになったかというと...
青田のショップ。
慎一と直美を見守っている青田。
「ええ~っ!?」
「あたしがコンパニオンですか?」
「コンパニオンじゃねぇ、客寄せだよ。」
「ブースにお客を呼び込めばいいんだよ。」
もじる直美を否定する慎一。
「だ、だってコスプレして店頭に立つんでしょ?」
「コスプレじゃねぇ、スタッフのユニフォームだよ。」
慎一の話に狼狽える直美。
「そんなことより、これには毬井健が呼ばれてんだよ。」
「っ!?」
「演奏の後、トークショーをするらしい。」
「この後を襲う。」
釘を刺す青田。
「襲うな。」
「高山さんたちに怒られる、いや、捕まる。」
狼狽える慎一に問う直美。
「そ、そうだな。」
「健二君と話せるんでしょうか?」
慎一の答えに呆れる直美。
「それは分からん。」
「分からんって...」
東京ビッグサイト。
そういう経緯があり、あたしは慎一さんのショップのブースでコンパニオンをしています。
慎一さんのショップはアイデアトイのお店なんで、ITには直接関係ないそうなんですが...
青田さんや過去に関係のあった人たちの協力でブースを出しているそうなんです。
直美に声をかけるスティーブJr.。
「あの、お嬢さん?」
「?」
「シンイチのショップのブースはここでよろしいか?」
「は、はい、そうですが?」
美形のJr.に緊張する直美。
「僕はスティーブ・アウェアズJr.と申します。」
「は、はい。」
イケメンでジンガイっ!?
秘書やボディーガードに囲まれるJr.の問いに緊張している直美。
「シンイチはどこにいます?」
「あ、今、ここに向かってる途中だそうです。」
すでに来場客たちに囲まれているJr.。
「全くしょうがない奴だな。」
「はは、すいません。」
「あなたが謝る必要はありません。」
「また、来ます。」
直美に駆け寄るスタッフユニフォーム姿のショーン。
「直美さん、あいつに何かやられたの?」
「え?」
来場客たちと会話するJr.。
「誰なの、あのひと?」
「Nextaringの副社長だよ。」
ショーンの答えに引き攣る直美。
「いっ!?」
「何か知らないけど、慎一さんや健二君と知り合いみたいなんだ。」
「ネ、Nextaringって、あの、♪(ring)Phoneのっ!?」
「ま、そうだね。」
興奮気味の直美に答えるショーン。
「あの人もウィッチなの?」
「ウィッチじゃないけど、幻覚を見せて人を操るみたい。」
それって、ウィッチじゃねェかっ!?
あらわるベヨンセに気付く直美とショーン。
「っ!?」
うおっ!?
黒人ボディビルダーの、女っ!?
と、ゆるふわ系ジンガイ少年?
二人を見下すベヨンセに慄く直美。
警戒するショーン。
「あ、い、いらっしゃいませ。」
「貴様っ!?」
ブースを見渡すパトリック・マリナー。
「やあ、ここは慎一のショップのブースって聞いたんだけど...」
「彼、いるかな?」
パトリックに謝罪する直美。
「え、あ、いや...」
「今、来てる最中らしいです。」
「ふん、僕らが手配してやって遅刻か?」
「あ、いや、すいません。」
パトリックに答える直美。
「君が謝る必要はない。」
「君、名前は?」
「あ、星泉、直美と申します。」
健二の元彼女、直美と知って驚くパトリック。
「君が直美さんかっ!?」
「は、はい、そうですけど!?」
パトリックの問いに慌てる直美。
「健二や慎一から僕のことは聞いてるか?」
「い、いえ、聞いてません。」
落胆するパトリック。
「...」
「あ、いや、すみません。」
立ち去るパトリックとベヨンセ。
「君が謝る必要はない。」
直美に答えるショーン。
「だ、誰、あのひと?」
「Goodzillaの役員みたいだよ。」
ショーンの答えに驚く直美。
「えっ!?」
「ぐ、Goodzillaって、ネットのっ!?」
「あいつもなんか慎一さんや健二君と知り合いみたいで。」
二人に駆け寄るスタッフユニフォーム姿のスン。
「ただ、あの、ボディーガードが異常に強くってさ。」
「つ、強い?」
「なんかあった、ショーン?」
「いや、大丈夫だよ。」
そんなえらい人たちが立ち寄るって。
なんなんだ、この会場は...
特設ステージで司会が健を呼び込む。
「さ、それでは、特別ゲストに来ていただきましょう。」
ステージに手を振りながら登場する健。
「今、世界で一番注目されています、毬井健さんですっ!」
ステージでインタビューに答える健。
「健さんが世に出る切っ掛けがネットだったんですよね。」
「そうですね、これだけネットの動画をみんなが見てるんで、僕もアップしてみようかと...」
「そしたら、こんなことになって...」
「僕自身驚いています。」
司会者の誘いでピアノに座る健。
「それでは曲をお願いしましょう。」
「...」
司会者の紹介と同時にピアノを爪弾く健。
「『あなたは』です。」
「...」
ステージを見守る直美の背後に立つスタッフユニフォーム姿の慎一。
「いよう、待たせたな。」
「っ!?」
遅刻に平然としている慎一にキレる直美。
「な、何やってんですか!?」
「いない間にネクタとかグージラとかの偉い人、来てたんですよっ!?」
慎一の答えに戸惑う直美。
「いんだよ、あいつらの目当ては俺じゃねぇ。」
「え?」
「お前ぇなんだよ。」
「唯一、健二をこっち側に引き戻せる存在の、な。」
狼狽える直美を諭す慎一。
「な、なんですとっ!?」
「晶がいなくなった今、健二を振り向かせることができるのは直美ちゃん...」
慎一の言葉に慄く直美。
「お前ぇだけだぜ。」
「もう一度、健二の花嫁になってもらう。」
「いっ!?」
花嫁って言われてもっ!?




