ウィッチプログラム rev.10
ウィッチの理由
「こぐま」のカウンターを挟んで、テレビ見つめる青田と健四郎。
佐々木氏の死亡を受けて、臨んだ次期党首選挙で...
青田のグラスに日本酒を注ぐ健四郎。
七井都さんが次期党首に選出されました。
咥えたばこで呟く健四郎。
「茶番の始まりだな。」
返杯する青田。
「七井さんが利用されてると?」
この結果を各界の著名人にインタビューしてきました。
インタビューをうける健。
「七井先生おめでとうございます。」
「先生には日本をよりよく変えていく力があると思います。」
うんざり気味に吐き捨てる健四郎を諌める青田。
「誰のいいように変えていくんだよ?」
「お前はよっ?」
「健さん...」
千代田大学
階段でしゃがみ込む直美を見守る慎一。
「あたし、どうしたらいいんですか?」
俯く直美。
「送り込まれったってどういう事ですか?」
直美に睨まれ、困惑気味な表情の慎一。。
「何でウィッチなんですかっ、あたし!?」
「う...」
慎一を見上げる直美。
「あたしが『少女連続誘拐殺害事件』の被害者だって言うのは知ってます。」
涙目の直美。
「でも、なにをどうされたのかは、わかんなんいです。」
「あたし、どうなっちゃたんですか?」
俯く慎一。
「お前ぇは、あの女に仕立てられたんだ...」
「健二の花嫁にな...」
慎一を悲壮な表情で見つめる直美。
「お前ぇはウィッチをうつされた。」
「えっ!?」
あたしは15歳の時に誘拐されたらしい。
らしいというのは1日で開放されて実害がなかったからだ。
星泉家ではなかったことになっている。
青田のショップ。
「4年前、関東地方で4人の女子高校生、中学生が誘拐され、殺害された。」
青田の話を訝しげに聞く直美。
「ただ一人だけ生還したのが、君、直美ちゃんだ。」
「...」
話を続ける青田。
「3人の少女の死因は衰弱死だった。」
「攫われてから、わずか一日でね。」
青田の話に狼狽える直美。
「彼女たちは生気が全くない状態で発見された。」
「っ!?」
「彼女達は健二の母、伊万里響子にウィッチを授けられたが、心身共に
耐えられずに死亡した。」
「と、考えられる。あくまで推測だがね。」
「ただ、君だけがあの女のウィッチを受け入れられた。」
「っ!?」
青田に逆ギレする直美。
「あの女のテストに君は合格したんだ。」
「いりませんよっ!こんなウィッチなんてものっ!?」
「こんなの迷惑以外の何でもないわっ!?」
切れまくる直美。
「何なんですかっ!?」
「いまさら、健二君のお母さんって、誰っ!?」
直美を宥める青田。
「健二の母、響子は生まれついてのウィッチだったそうだ。」
「彼女はSealeaのウィッチを使った思想に賛同し、自らを人体実験の母体に
志願した。」
直美に答える青田。
「人体実験って...」
「健二を産むことだよ。」
青田の答えに狼狽える直美。
「慎一の遺伝子を取り込んでね。」
「っ!?」
慎一を見つめる直美。
「そうや、俺の遺伝子で健二は生まれた。」
「っ!?」
動揺する 直美。
「慎一さん...」
「あなたって...」
はじまりのウィッチ?




