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君に僕の物語の一部になってくれないかな?

作者: 七瀬




僕の【人生の物語】を僕は作る事にしたんだ!



___僕の物語。

僕は、子供の頃から控えめな子供で喧嘩や争い事が嫌いだった。

だから、いつも僕は同じクラスの男の子から揶揄われていたんだよ!


『オイ! 奏戸、お前はなんで? 何も言わないんだ! 自分の意見

がないのか? こんな事を俺に言われても悔しくないのか? ちゃんと

俺に言ってみろよ!』

『・・・僕は、別に、そんなこと、思ってない、よ、』

『えぇ!? 何て言ったんだよ! 声が小さいから聞こえないな~

もう一度! 俺の前で、言ってみろよ!』

『・・・だから、僕は、別に、、、。』


___そこに! 僕と同じクラスの香澄ちゃんが入って来てくれたんだ!


『新之助君! 奏戸君をまたイジメてるの? もう、そんなのやめなよ!』

『違うよ、香澄ちゃん! 俺は別に奏戸をイジメてる訳じゃないんだ、、、!

奏戸がはっきり言わないから、俺がもう少し大きな声で言ってみてよって言

っただけだよな、奏戸!』

『・・・あぁ、ううん。』

『奏戸君! 本当の事を言っていいんだからね!』

『___そりゃ~ないよ! 香澄ちゃん、』

『___取り敢えず、 新之助君は他の友達が校庭で待ってたよ! 行かなく

ていいの?』

『・・・あぁ、忘れてた!? じゃあな、奏戸!』

『・・・ううん、』



___僕は新之助君の顔も見ずに、俯いたまま答えたんだ!


『___やっぱり、奏戸君は新之助君の事が怖いんだね?』

『・・・えぇ!? そんな、事ない、よ、』

『だって! 先、新之助君の顔も見なかったじゃない?』

『___別に、“人見知りなだけだよ。”』

『・・・じゃあ、私の事も顔を見ないのは、“人見知り”だからなの?』

『___そうだよ。』

『ふーん、良かった! てっきり奏戸君に嫌われてると思ったから!』

『___えぇ!?』

『私は、“奏戸君のこと好きなんだけどな~”』

『___えぇ!?』

『“えぇ!?”って何よ、奏戸君?』

『・・・それは、香澄ちゃんが僕をビックリさせるから、、、。』

『嬉しい! 私の事、初めて“香澄ちゃん”って呼んでくれたー!』

『・・・ううん、』

『そこは、ビックリしないんだね?』

『ビックリしてるけど、“えぇ!?”って言わないようにしただけだよ。』

『___そういうところも、かわいいね奏戸君!』



___僕は、香澄ちゃんにそう言われて顔を真っ赤にして俯いた。


『___照れてるところも可愛いよ、奏戸君!』


___僕は、耳まで真っ赤なっていたんだ。

それに気づいた、香澄ちゃんは僕にこう言って家に帰って行ったんだ!


『___じゃあ、また明日! 学校で!』

『___ううん。』



___あれから、20年が経って僕は香澄ちゃんと結婚して。

子供も二人、男の子が2人いるよ。


ヤンチャで、家の中のモノは壊すし! ママを何度も泣かすしね!

その度に、僕は息子たちにこう言うんだ!


『___お前たち! ママはパパの女なんだぞ! パパの女を泣か

す奴は、この家から出ていけ! 出て行きたくなかったら、ママの

言う事をちゃんと聞くんだ! いいな!』


___僕が、怒った感じで息子たちに言うと?

二人は小さいながらにも、僕の話を理解できたのか? それからは

ママの言う事をちゃんと聞いているよ。


___ママからは、パパありがとう! あんな風に子供たちに言って

くれたから、あの子達、私の言う事をちゃんと聞いてくれるようにな

ったのよって、言ってくれたんだ。


【僕は、そう言われて照れて顔が真っ赤になってしまったのだけど。】

・・・それを見た、ママがこう付け足したんだ。


『___相変わらず、パパは照れ屋さんなんだね!』って。

・・・また、僕は照れてしまったけどね!



___僕は、この時までは幸せだったんだ。

温かい時間に包まれていたのに、、、。



___あれから、数年後。

・・・僕は突然! 病気になってしまった!



もう、治らないんだって。

しかも!? 【余命半年!】


まだまだ、小さな子供二人と愛する奥さんを置いて僕は逝ってしまうのか?

そんなの嫌だ! まだまだ生きてたいよ。


もっともっと、家族の傍に居たんだ!!!

・・・でも、病気はどんどん進行していく。




___僕はある時、子供たちをおじいちゃんおばあちゃんのところに預けて

彼女だけ! 僕に病院に来てほしいと行ったんだ!


『___ごめんね、香澄ちゃん!』

『・・・何言ってるのよ、奏戸君!』

『僕は、もう長くない! だから最後に、香澄ちゃんに言いたかった事があ

ったんだよ!』

『___“言いたかった事?”』

『君は、いつだって! 僕の人生の物語の中心にいたんだよ! 香澄ちゃん

は僕の全てだったんだ! 僕の大切な物語の中心人物だったんだよ。』

『___私も、そうだったよ奏戸君!』

『もう僕の物語は終わってしまうけど? 君の物語はずっと続けてほしい!

僕たち子供たちの為に、、、! 僕はずっと君たちを見守ってからね!』

『・・・まだ、そんな事言わないで! 私を置いていかないで奏戸君!』

『___ごめん、それは叶えられそうにないな!』

『・・・奏戸君、』






___僕は、家族に看取られて最後の幕を閉じたんだ。

僕の人生は、キミがいたからはじめった物語だったんだよ。

ありがとう、香澄ちゃん。






最後までお読みいただきありがとうございます。

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