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麻雀ロリコン記

「いらっしゃい! ちゃんと十時前に来てくれたね!」


 村に到着したユウとヤマトを、まずは千里が出迎えてくれた。

 千里の姿は可愛らしい若草色のワンピース。

 彼女の中性的な魅力に少女の可憐さが加わった姿に二人は早速虜になってしまう。

 

 何とか落ち着き、彼女の誘導で駐車場に車を停めた二人は、各々両手にいっぱいの手土産を抱えて、千里の先導でニューゲンボクハウスを訪れた。


「ゲンボクちゃん、郵便屋さんと猫さんが着いたよ」

「おう、遠慮しないで上がってくれ」

 千里のの合図に合わせゲンボクの声が奥から響くと、アリスが玄関まで出てきて、二人をリビングに案内してくれる。

 ふわりとした長袖のオータムニットとセミロングのスカートがよく似合うアリスのいでたちに、二人はいっとき目線を奪われてしまう。

 

 ああ、やっぱりアリスさんは美しいなあ。

 これが二人の心の声。

 こんなに美しい女性とお付き合いしているゲンボクさんはうらやましいなあ。

 これも二人の心の声。

 だから俺達も他の誰かとお付き合いしてもいいよね。

 これは二人の都合が良い解釈。

 

 二人がリビングに案内されると、そこにはローテーブルに既に麻雀マットと牌が用意されていた。

 少し離れたところでは、この家の主であるゲンボクが、一辺に二人は座れそうな正方形の大きな食卓で胡坐をかいて湯呑をすすっている。


「今日は小町と千里の我がままにつきあってもらって悪いな。まあ夕方まで遊んでいってくれ」


 ゲンボクの勧めで二人も一旦食卓の方に並んで座り、アリスが用意したお茶をいただく。

 すると奥のキッチンから小町が顔を出した。

「もうすぐお昼ご飯の準備ができるの。できたら戦闘開始なの」


 すると千里がタブレットを抱えてユウとヤマトの間に遠慮なく割り込んできた。

 思わぬJK(女子高生)のボディランゲージに二人は緊張してしまう。

「やべえ、久しぶりに女の子に触れたよ」と。

 ゆったりとしたワンピースの胸元からは、可愛らしいイエローのブラがのぞいている。

 これはうれし恥ずかしい。


 そんな彼らの表情を知ってか知らずか、千里はタブレットを食卓の上に置いた。

「料理ができるまで、『次は何を切る』を三人でやるんだよ!」


 こうして二人は、間にボーイッシュなワンピJKを挟んで、若草の香りに取り込まれていく。

 だから二人は気づかない。

 ゲンボクが浮かべた歪んだ笑みに。


 時計の針はぴったり十時。 

「お昼の準備ができたから、早速麻雀するの」

 と、キッチンから姿を現した小町の姿に、ユウとヤマトは心臓を鷲掴みにされる。


「おい、あれって」

「まさか」

 そう、二人の角度から見えた小町の姿は、まさに「裸エプロン」だったのだ。

 JC(女子中生)の裸エプロンなんか、現在では所持しているだけで逮捕されちゃう案件である。


「あ、エプロン外すの忘れたの」

 え?

 既に二人の心臓はダメージを受けている。

 続けてエプロンを外した小町の姿によって、彼らは再度心臓にダメージを受けた。


 小町の姿は両肩と両脚を晒した白のチューブトップに白のフレアミニスカートといういでたち。

 今日もロリは花満開だ。


「それじゃ始めるの。まずは場所決めからなの」

「ルールはありありぶっ飛びワレメヤキトリ有りの東風戦だよ!」

 若草色のJKが口走ったワレメの響きにユウとヤマトの息は一旦止まってしまう。

 

 何とか息を吹き返したユウとヤマトは、可愛らしい座布団が置かれたマージャン卓に座り、まずは場所決めを始める。

 

 東家ユウ、南家小町、西家ヤマト、北家千里でまずはスタートとなる。

「通らばリーチなの!」

 まずは第一局、南家の小町がいきなりリーチをかけてきた。

 そんな小町にユウとヤマトは微笑ましくなるとともに、今日はどうやって遊んでいこうかなと、意外と真面目に考えてしまった。

 

 次に親が回ってくる南家の小町が第一局でリーチをかけてくる。

 これはほぼ間違いなく小町は素人だということ。

 当然次のヤマトは様子見で小町の捨牌現物を切っていく。

 ところが北家の千里がいきなり本命ど真ん中の牌を切ってきた。


「小町、勝負だよ!」

「当たりなの! リーチ一発なの」

 ということで小町のあがり。

 ちなみに手役はなく、ドラも裏ドラも乗らないリーチのみの手であった。

 

「あーん、ボクもいい手だったんだよ!」

 などと文句を言いながら誰も頼んでいないのに千里も手を晒した。

 晒した手は三色イーシャンテンのみ。

 しかも小町に対する安全パイもわんさか持っている。

 とてもじゃないがリーチに一発で勝負を仕掛けるような手ではない。

 第一、流局りゅうきょく聴牌(テンパイ)以外で自手を他家に晒すのはデメリットしかない。

 これは麻雀の常識なのだ。


 南家の小町が役無しでリーチをかける。

 序盤で北家の千里が一発を回避せず本命を切る。

 上がれなかった千里がイーシャンテンの手を晒す。


 この「ど素人な流れ」にユウとヤマトはあせり、思わず食卓で相変わらず茶をすすっているゲンボクに尋ねてしまった。

 

「ゲンボクさん、本当にレートはピンのワンツーでいいのですか?」

「構わねえよ。そいつら見た目はJCとJKだけど中身は一応成人だからな。せいぜいケツの毛をむしって大人の怖さを教えてやってくれ」


 麻雀のレート確認をしたユウに、ゲンボクは興味がなさそうにそう答えたのである。

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