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恋と欲望  作者: 一ノ瀬 奏汰
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神崎夏の場合

こんにちは!

一ノ瀬奏汰です!

今回は、恋愛小説を書いてみました。




彼がこちらに向かってくる。

いつものようにその無邪気な笑顔で。

昔と何も変わっていない。

そして彼は私に話しかける。

「おはよ」

それだけで、私はすごく幸せな気持ちになる。

彼のその言葉だけで。

私も同じような言葉を彼に言った。

それから、しばらく続く会話。

これが一日の中で一番幸せな瞬間だ。

そう、私は彼に恋をしているのだ。

5才の頃から今この瞬間まで。

チャイムが鳴り、先生がクラス内に入ってくると皆が席につく。

彼も私の隣の席に戻る。

クラスの人たちに告白はしないのかとよく聞かれる。

だが、告白なんてしない。

だって、絶対に報われることのない片思いなのだから。

彼の近くにいるからか、家が隣だからかは知らないがたぶん彼より先に気づいてしまった。

彼に好きな人がいることを。

わかるよ。だっていつも見てたから。

彼の目線の先にはいつも彼女がいた。

隣のクラスの、佐々木七海。

一年の頃の文化祭で、仲良くなったらしい。

なんで、私はいつも彼の横にいたのに。

こんなことを言っていても、状況は変わらない。

だから、私はずっと好きなままでいることにした。

この思いは、自分の中に閉じ込めて鍵をかけて。

自分がつらくなるだけってこともわかっていた。

でも、それでいいんだ。

そう、自分に言い聞かせた。

放課後、彼に相談された。

佐々木七海に告白するにはどうしたらいいのか。って

なにそれ。なんで、どうして。

頭が真っ白になった。

だが、答えないわけにもいかない。

私は、いかにも女の子が好きそうな告白の仕方を教えた。

すると彼は、いつもと同じような笑顔を私に見せ、「ありがとな、夏」と言って去っていった。

なぜか涙は出なかった。

告白するってわかってたからかな。

自分でも不思議だった。

「あーあ、バカみたい」

このまま、世界が壊れてしまえばいいのに。

このまま、告白が失敗すればいいのに。

いつも隠していた黒い自分が出てきてしまった。

私、最低だ。

いつもそう、神様は私の見方をしてくれない。

どんなに努力しても、片思いは報われない。

そんなこと、最初から分かっていたはずだった。

自分で選択してここまで来た。

今までの、報いなんだ。

これは。

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