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5,Open day

5,Open day




Was the gate

wide open or just ajar?




**********




「参観日?いいですよ。」

藤堂さんは意外にも、さらりとそう言ってのけた。

「じゃあ昼から半休を取って…。学校か、懐かしいなぁ。」

そんな風に言っていたのに。

楽しみだ、と笑っていたのに。

それなのに。

いつもよりずっと静かな教室。後ろから小さな囁きが聞こえる。奥様同士の世間話。子供の様子なんてそっちのけ。

沖津の中には小さな慢心。

――あのオバサン達も、藤堂さんが来ればきっと息を飲むんだ。藤堂さんは、格好いい。本当に格好いい。

小さく後ろを向いて確かめる。

やっぱり、来ていない。

高校生にもなって、何をそわそわしているんだろう。参観日ごときで。小学校の初めての参観日以来かもしれない。あの日も、なかなかお母さんが来なくて…――。



お母さん…。



お母さん。







突然だった。

苦しくなって、息ができなくなって。

立ち上がって、保健室に駆けた。





自分のゼェゼェ言う音がいやに大きい。






何故だか涙が溢れた。









どうして来てくれないの、藤堂さん!




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