表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
High A of the YBC   作者: 枕木悠
第四章 伊達絵莉子
26/49

第四章⑦

アメリアはエリコの腰にしがみついて、背中にほっぺたを付けて、次々に変わる景色を見ながら、エリコの速さに驚いていた。

 ブリジットの背中にいるときよりも、ピチカートの後ろよりも、速度を感じた。

 人を一人、後ろに乗せているのに、まるで、それを知らないような動き。

 それがキャブズを生業としている魔女に備わる特性なのだろうか?

 素敵な速さにアメリアは目を閉じて、それを堪能したくなった。

 この速度を出す、エリコのことをもっと知りたいと思った。

 アメリアはエリコみたいになりたいと思った。

 と、そのとき、エリコが通過した遥か後ろで、何かが爆発した。

 アメリアは目を開いて後ろを見る。

 建設中のビルディングが爆発したところから崩れ落ちていた。

 エリコたちが通過した場所は瓦礫の山になっている。

 きっと、速度が足りなかったら、下敷きになっていたのだろう。

「遅いな」

 アメリアはエリコの横顔を見た。穏やかに微笑んでいて、綺麗だった。

「どうしたの?」エリコは振り向いてアメリアに聞く。

アメリアは叫ぶ。「ダテさん、ま、前!」

「えっ?」

「きゃあ」

鉄橋が目の前に迫っていたのだ。アメリアは悲鳴を上げてギュッと目を瞑った。体がドリルのように一回転したのが分かった。目を開けて後ろを見る。鉄橋は遥か後ろにあって、その鉄橋も爆発した。鉄骨が川に落下する。

「遅いな」

 エリコはそう呟いて、さらに加速した。アメリアは振り落とされないように、必死にしがみつく。

「あれ?」三つの連続した爆発音をバックにエリコが呟く。

「きゃああああああああああああああ!」アメリアは三回転に悲鳴を上げる。

「こっちは?」エリコは路地の行き止まりで急な減速をして右へ旋回。ミリカの進んだ方向と逆を行った。アメリアは振り落とされないようにぎゅっとしがみついているだけ。

「ほうら、やっぱり」

 アメリアは、エリコが停止したのが分かった。それでもまだアメリアはエリコの体をギュッとしている。

 アメリアは花の匂いを感じて、目を開ける。

 飛んでくるミリカと、花が咲き乱れている世界が見えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ