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大好きな場所。

作者: 鶴佐





少年はある日突然言いました。

一番大好きな場所をさがそう。





それは人形まみれの部屋


それはたんぽぽが微笑ましい裏庭


それはペットのシロの小屋





一番の大好きはみつかりませんでした。

でも少年はさがしつづけました。



それは近くの公園


それは塗装のはげた茶色のベンチ


それは夏蟲の集う街灯




ここに一番はありませんでした。

少年はまだまださがしつづけました。



それはさざなみの気持ちよい港町


それはボートで行った海の沖


それは見上げることしかできない雲の上






ここにもありませんでした。

少年はなかなか見つからないことに半べそをかきながら

陽の沈みかけた空を眺めながらに帰路つきました。




それは見馴れた屋根


それは窓から漏れるオレンジ色の光


それはシロの吠える声


それはどこからか香るシチューの匂い


それはただいまとおかえり


それは少年を待っている家族


それは










少年はそのとき見つけた気がしました。







自分の大好きな場所を。
















短文なのですが、少年の頑張るすがたが想像しやすいと思います。


細かい部分を省いた、こういう文ならではの温かさを感じていただけていたら嬉しいです。


ありがとうございました。


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