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1:突風

学校では武術や魔術,召喚術。

そんな授業が平然と行なわれる様な時代に時はさかのぼっていた。



「ストーム! 」


風すら起きねぇ。

俺はもう8年生なのに未だに初期魔法すら使えず,召喚なんか虫すら出なく,おまけに運動神経まるで無しの17歳。

ちなみにこの学校は11年制で,あと就学期間は3年。

俺なんかがこの8年間,留年しなかったのには何か裏で先生が企んでるんじゃないかと思うほどの成績。

大体こんな魔道書で竜巻が起きる原理ってのは…


「先生〜ロスがまた物思いにふけてますよ〜」


また小うるさい奴が余計なことを。

この余計な小娘はレイ。

主に魔術専門と言ったところで,8年間こいつの余計な先生へのチクリ攻撃によって何回怒られた事か。

しかも魔術だけは遥かに凄い。だけってとこに要注目。

ちなみにロスが俺の名前。実際はロスベルトなんだけど,めんどくさいって事で省略。

俺もフルネームで呼ばれたいとは思わな…


「おい!ロス!女の想像か?お前も想像力だけは立派に育ってんじゃねぇの?」


またうるさい2号が。

こいつはヘル。悔しいが万能型。更に美形。

まぁ召喚術が使えないところを非難してやりたいが,俺はもっぱら全部使用不可みたいなもんなので反論出来ない。

だれだ。こんな魔法なんか作り出した過去の偉人は。

と言った所でその偉人の名前は学校に入学した時に強制的に覚えさせられるんだけど。


アーガス。魔法,召喚獣の原理を解明し,その使用法等を書物に記した偉大な人。

何百年も前に城に新しい召喚獣の可能性を探しに行ってからは行方不明らしいけどね。


ボコッ。


頭に衝撃が襲った。

これはきっと先生の魔道書の角チョップだな。


「あなたはこの8年間でまだストーム。竜巻の初期魔法すら使えないのですか?」


このアル先生は物理魔法,補助魔法,特殊魔法,さらには召喚までこなせる魔術のスペシャリスト。


確かに俺って8年間進歩無いよな。

9歳の俺は魔道書抱えて歩いてたけど,全く魔法なんか出なかったし,周りの奴らは11歳くらいでそよ風くらいは出てたし。


「レイを御覧なさい。もうランク2も使えるんですよ。」


見るとレイは どうだ と言わんばかりのポーズだ。

そこで胸を張るな。情けないかもしれないがお前に腕相撲ならまだ勝てるぞ。


そもそもなんでこんな風に魔法を学んでいるのかと言うと,アーガスがこんな余計なものを開発してくれたおかげで魔法や召喚術を悪用する奴が当然出てくるのだ。

その為の防護術みたいなものかな?

俺は防御魔法だけは少し出来るぞ。ランク1だけど。

各魔法にはランクがあって1が最低,10が最高。

ランク10になると威力はもう言葉じゃ言えない位凄い。

使える人は見たこと無いけど。

アル先生ですらランク7が最高らしい。

武術は戦闘用といった感じで魔法とかは関係が深くない。

ただ魔法で威力を増したり,サポートして戦うのが一般だが。

召喚術は一番難しく,まずは世界各地に潜む召喚獣を倒さなければならない。

倒した後は契約して終わり。

卒業した時,あるいは実績が認められたときに各自妖精の召喚獣を一匹貰える。

レイはその実績が認められたタイプでもう召喚も使える。

クラスではナンバーワンの魔術力だからな。


「はい。じゃあ今日の演習はここまで。」


結局今日も魔法使えなかったなぁ…。

勉強不足か?


「ロスったら〜いい加減ストームくらい覚えなよ〜っ。」


レイは一回転して俺の肩を叩く。

こいつは一回転したりステップを踏んだり無駄な動きが多いな。


「風も起きなかったよな〜。こりゃまいった。」


ヘルは可哀想な物を見る目つきで俺を見ている。

俺は捨てられている子犬同様か?


「まぁ明日は学校休みなんだし,ゆっくりしよぉ〜!…ってわけで今日夕食食べに行こうね。決定〜っ!」


どんなわけだよ。

とか言いつつ一緒に行動している俺ら3人は何だかんだで仲がいいのかもな。


そうして3人で歩いていると突然突風が吹いた。

…?何か妙だ。

何故か嫌な予感がする。他の二人は何も気付いていないようだが,どうしても胸騒ぎがする。


そして突然頭の中で響くように声がした。


「早く校庭へ…3人で。」


…おいおい…疲れか?風邪でもひいたんだろうか。

念のため二人にも確認する。


「今校庭へ3人で行けって聞こえた…かな?」


「…はぁ?」

「……ロス〜?何のこと?」


やっぱり聞こえてないんだろう。だけどどうしてもこのまま放っておけない。


「二人とも一緒に校庭に来て!早く!」


俺は学校に走った。

訳も分からず後ろから二人もついてくる。

レイは魔法で移動しているようですぐ俺の横に移動してきた。


「どうしたの?いきなり言うから何のことか全くサッパリ理解できないよ〜?」


「いいから。」


俺はそれだけ行って走り続けた。

自分たちの見慣れた学校へ。

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