人魚姫の本当の話
あなた達も年頃になり、地上の人間達に興味をもってしまうかもしれません。
地上の人間と接触することを禁止する人魚の掟に、反発する者もいるでしょう。
ですから、あなたたちにこれから、何故こんな厳しい掟ができたのか説明します。
人魚姫の話を知っていますね。
あの話は、真実ではないのです。
本当はもっと残酷で恐ろしいものだったのです。
海で溺れた人間の王子を助けた人魚姫。
その王子に恋をした人魚姫は、魔女に尻尾を人間の足に変える薬をもらい、王子に会いに行きます。
特に声を引きかえにしろとか要求しない魔女は、適正価格で泡になってしまうリスクもない薬を渡してくれました。
再会した王子と人魚姫は、お互いの愛を確かめ婚約しました。
めでたしめでたし。
でも、続きがあったのです。
三か月後、王子は人魚姫に婚約破棄を突きつけます。
「おまえとは婚約破棄だ」
その場は舞踏会場で、周りの人達は人魚姫に同情するどころか、嫌味の言葉を投げつけてきます。
「モテるからっていい気になっているからよ。ざまみろですわ」
人魚姫は泣きながら王子に聞きます。
「どうしてですか?」
「お前が猫ちゃんにひどいことをするからだ」
人魚姫の全身には、たくさんの猫がまとわりついてました。
「ひどいことって、こいつら、私を食べようとしているんですよ。身を守るために殴るのは当然じゃないですか」
「なんてことを言うんだ。猫ちゃんはそんなに無邪気に君にたわむれているのに」
「見てください。こいつら、私のこと噛んでますって。食べようとしてますって」
「猫ちゃんに甘噛みされなんて、なんてうらやましい」
「マジ噛みですって。がっつり噛んでますって」
周りは王子の味方をする。
「ちょっとぐらい猫ちゃんにモテモテだからって、見せびらかすんじゃないわよ」
あいつらさ、猫ちゃん猫ちゃんって、
いつも猫畜生どもの味方しやがってさ、
あいつら人間は、猫の手下なんだよ。
おわり




