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スローライフはもうあきた~錬金術と古代技術を組み合わせて誰にもできないことをする~  作者: まいぷろ
第11章:メイドゴーレム王都へ

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61.新たな関係

交渉を終えたメイは、大臣の執務室を後にし、さっそく魔晄炉へむかった。


王都の魔晄炉は、王城から少し離れた別棟にあった。


建物に入ると、轟音と熱気が室内を包み込んでいた。

中央には巨大な炉があり、そこから無数の動力管が周囲の機械へと伸びていた。


錬金術師は炉の中に絶えず、魔石を投入しつづけていた。


制御盤は常に明滅し、魔石からは不気味な鈍い光が放たれている。

あちこちで警報が鳴り響き、錬金術師たちが焦った顔で駆け回っていた。


「これが…魔晄炉」


メイは呟くと、すぐに状況を調査しだした。


魔晄炉は、アレンとミリアが開発した最新の錬金術によるものだ。


2人が王都を去った後、その技術を理解する者がいなくなり、残った錬金術師たちが自己流で運用した結果、非効率な設定が追加され、魔石の消費量が著しく増加していたのだ。


メイは迷うことなく、最も不安定な動力管に手をかざした。


「おい!何を勝手に触る気だ!」

メイの動きに気づいた一人の錬金術師が、語気を強めて駆け寄ってきた。


他の錬金術師たちも一斉に警戒の視線をメイに向けた。


彼らにとって、魔晄炉は国の命運を握る重要な施設であり、得体の知れない輩に勝手に触れさせるわけにはいかなかった。


「貴様…ゴーレムなのか?」

錬金術師は一瞬動揺した。


「はい。アレン様の使いとして参りました」


その錬金術師はアレンという名を聞いて、この設備の作者を思い出した。


「アレンのゴーレムがなぜここに?本人はどうした?」

その錬金術師の質問にメイは答えた。


「アレン様が王都へ戻ってくる事は二度とありません」

その絶望的な言葉にその錬金術師はショックを受けた。


「ですが、アレン様からすべてを託された私が今後は対応いたします」


このゴーレムであれば、高度な知識と技術を持っているかもしれない。

錬金術師であるから、メイの凄さを理解できる。


「では、どうか…お願いします!」

居合わせた錬金術師たちは一歩下がり、メイに道を譲った。


メイは、動力管に手をかざし、微かな光を放った。

すると、動力管の不規則な明滅が収まり、安定した光を放ち始めた。


一つの動力管を安定させると、次の動力管へと移り、その次へと移っていく。アイの動作には、アレンの錬金術と、アイの膨大な知識、そしてミリアの繊細な制御技術が融合されていた。


数時間後、警報はすべて止まり、魔晄炉は目に見えて安定してきた。


メイは最後に魔晄炉の制御盤に手をかざし、膨大なデータを一瞬で読み取ると、アレンが最初に行っていた設定を復元し、不必要な設定をすべて削除した。


「完了しました」

メイは振り返り、呆然と立ち尽くす錬金術師たちに告げた。

その言葉は、彼らにとって、まるで奇跡の宣告だった。

「これで魔晄炉は、今後安定稼働するでしょう。魔石の消費量も大幅に削減されます」


魔晄炉を安定させたメイは、再び大臣の執務室へと戻った。


大臣は、メイがすぐに戻ってきた事に驚きながらも、一緒に入ってきた錬金術師から事情を聞き、さらに驚いた。


「お前が…本当に魔晄炉を…」


「はい。問題は解決いたしました」

メイは淡々と告げ、大臣の机に近づいた。

「今後の魔晄炉の管理について、ひとつご提案がございます」


メイは話を続けた。

「これまでの状況から、皆様が魔晄炉の管理を行うのは危険が伴うと判断いたしました。今後は魔晄炉の管理はすべてゴーレムが行うことをお勧めいたします」


「ゴーレムが…すべてを?」

大臣は戸惑いながらも、メイの提案に耳を傾けた。


「はい。私が多数の管理用ゴーレムを製造し、魔晄炉に常駐させます。これにより、魔石の消費量を最適化し、異常を即座に検知・修復することが可能になります。そして錬金術師の皆様は、より高次な研究開発に専念していただけます」

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