表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スローライフはもうあきた~錬金術と古代技術を組み合わせて誰にもできないことをする~  作者: まいぷろ
第9章:石板が紡ぐ村の革命

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/99

47.情報革命のはじまり

「アイ。石板をつくりたいんだけれど、そもそもその石板は何からできているの?」


アレンの問いかけに、自身を構成しているものが何か、アイは答えた。

「アレン様。石板のベースとなる特殊な石は、現代ではルミナス鉱石と呼ばれています。商業都市ルベールで入手が可能です」


アレンは、石板の詳細な設計図を用意し、商人のカレンに調達を依頼した。

カレンはルベールのケンのもとへ向かい、その設計図を渡し、まずは確認用として石板を10枚ほど作ってくれるよう頼んだ。


数日後、カレンの交渉のおかげで、試作の石板がエテルナ村へ届けられた。


アレンは工房で、納品された箱を開け石板を机の上に並べた。

アイを一番手前に置くと、アイは明滅を始めた。

それは並列化作業の開始だった。


しばらくすると、アイの明滅に合わせるように手前の石板がリズムを合わせて明滅しだした。

そこから、一つ、また一つと、石板が明滅をはじめ、やがてすべての石板が明滅しだしたかと思うと、明滅は唐突に終わった。


「「「「アレン様。並列化が完了いたしました」」」」」


アイを合わせ11枚の石板から同じアイの声が発せられた。


アレンは完成した石板をまずは身近な知り合いたちに渡し、感想を聞くことにした。


ミリア、リリィ、フィオナ、カナ、エルナ、カレン、ハルカ、ケン、そして村長。

彼らは石板のアイが提供する情報と、自らの声に耳を傾けてくれる感覚に驚きと感動を覚えた。


フィオナは狩りの際に石板を携帯し、魔物の生態情報や安全なルートの確認に活用し。

ミリアは、実験の記録や錬金術の複雑な計算を石板に任せることで、研究の効率が飛躍的に向上した。

カナは増大する村の会計処理を石板のサポートでスムーズにこなし。

カレンとケンは、エテルナ村とケンの商会との間でリアルタイムの在庫管理や補充連絡に利用し、流通網をさらに強固なものにした。

エルナは土壌のデータや最適な栽培時期の助言に目を輝かせた。

そして、リリィは、石板のアイに読み書きや算術、さらには植物学について教えてもらい、勉強に励んでいた。


最も有用だったのが、ハルカと村長だった。

ハルカは、石板を配布する目的であるところの、「これから何をすればいいか」を石板に相談していた。

アイはハルカの過去の経験や興味から、村の子供たちに昔話を語り継ぐ役割や、伝統的な織物の技術を教える仕事などを提案した。

村長は、多忙な日々で溜まった愚痴の聞き役として石板のアイを活用し、心の負担を軽くしていた。


石板を受け取った人たちからのフィードバックはすべて肯定的であり、アレンは量産への確信を得た。


「アレン君、この石板は村の宝だ。すべての村民に行き渡るよう、本格的な増産を頼む。出費はすべて村で負担しよう」


石板を片時もてばなせなくなった村長が出費について許可し、会計係のカナが村人全員分の購入手続きを済ませてくれた。


カレンはケンに本格的な増産を依頼した。

ケンの商会はすぐに、石板の生産体制を整えた。


数週間後、大量の石板が村の中心広場に山と積まれた。

アレンは村人たちを呼び集め、一人ひとりに石板を配り始めた。

戸惑う人もいたが、アレンがまずは石板に語りかけることを進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ