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スローライフはもうあきた~錬金術と古代技術を組み合わせて誰にもできないことをする~  作者: まいぷろ
第4章:財政破綻と錬金術

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20. 農業プラントの作成と新たな課題

エルナの協力を得たアレンは、さっそく行動を開始した。


彼の最初の狙いは、エルナの持つ知恵と錬金術の力を融合させるための、実験的な舞台を設けることだった。そこで、エルナの畑の隣にある小さな区画を借り、小規模な農業プラントの試験運用を始めた。


アレンは携帯型の錬金術器具を使い、その区画の土壌を瞬時に分析。水分量、養分、ミネラルバランスを細かく数値化していった。このデータと、エルナが長年の経験で培った「土の感触」や「におい」といった感覚を照らし合わせることで、二人はこれまでの常識を覆す最適な土壌レシピを確立する。


アレンの錬金術が精密な「定規」となり、エルナの知恵が「設計図」となることで、人手による調整では不可能だった、完璧な土壌が次々と生み出されていった。


この試験的な取り組みは、約半年後に目に見える成果を出し始めた。区画の作物の生育状況は向上し、その品質と収穫量は、ベテラン農家であるエルナ自身も驚愕するほどだった。


この目覚ましい結果に確信を得たアレンとエルナは、村長に相談。村の郊外にある、長年放置され荒れ果てていた広大な土地を借りる許可を得た。その面積は、エルナの畑の数十倍にも及ぶものだった。


そして、アレンとエルナは、その広大な土地に村の未来をかけた大規模な農業プラントを作り上げる作業に取り掛かった。


フィオナとの共同作業で手に入れた大量の魔石の力を利用して、アレンは地面に錬金術の結界を張り巡らせる。この結界は、村の厳しい気候変動から植物を守り、生育に最適な気温と湿度を一年中保つ、まるで生きている温室のような機能を持っていた。


さらに、村の財政問題の根源である人手不足を解決するため、アレンは浮遊型ゴーレムを量産し、大規模な農作業を完全に自動化した。ゴーレムたちは、畑の上を静かに浮遊しながら、高度なセンサーで土壌の乾燥具合を感知し、内蔵された魔力水タンクから最適な水を供給する。また、特定の害虫を検知すると、微弱な魔力の光を照射して駆除するなど、細やかな管理もこなした。この革新的なシステムにより、村全体の生産能力は飛躍的に向上した。


そして、アレンたちがこのシステムを導入してからさらに半年後、大規模な農業プラントで育った作物は、これまで見たこともないほど豊かに実り、収穫量は村の財政を一気に立て直せるほどのものになった。


しかし、この成功は同時に、新たな問題を突きつけた。収穫を終えたばかりの農作物が山と積まれる倉庫を見て、会計担当のカナは頭を抱えた。「どうしましょう、アレンさん、エルナさん…こんなにたくさん、とても村の人間だけでは消費しきれません。」

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