革命を阻む影――最初の戦いが始まる
こんにちは!
第6話では、光一がついに“敵”と直接対峙します。
これまでの超能力を使った革命の裏で、彼の行動を阻止しようとする謎の勢力が動き出し、物語が一気にスリリングな展開に突入します。光一の超能力はどこまで通用するのか? 初のバトルシーンをお楽しみください!
知事室――不穏な訪問者
夜の知事室。日中の喧騒とは違い、静まり返った空間にはわずかな蛍光灯の光だけが漂っていた。
「……変だな」
何かが近づいている。超能力で微かに感知できる、嫌な気配。それは普通の人間のものとは違い、まるで濃霧のように不気味でつかみどころがなかった。
そして、その“何か”が扉の向こうに立った瞬間、ノックの音がした。
「久我光一……だな?」
現れたのは、黒いスーツに身を包んだ男。鋭い目つきと無表情の顔が、ただ者ではない雰囲気を醸し出している。
「なんだ、お前?」
「俺たちは、お前のやり方が気に入らない奴らの代理だ」
淡々とした口調だったが、その言葉の意味は明確だった。
「お前がやっている“革命”とやら、やめてもらおうか」
俺は鼻で笑いながら、ソファに腰を下ろす。
「いやいや、もう少しマシな脅しかと思ったけど、そんなんじゃ俺は止まらないぞ」
男は眉一つ動かさず、ゆっくりと手を懐に入れた。そして――次の瞬間、俺の目の前で机が粉々に砕けた。
「……!」
「言ったはずだ。俺たちは、お前のやり方が気に入らないってな」
初めての超能力バトル
相手は俺と同じように何か“力”を持っている――そう直感した。
だが、それが何なのかは分からない。ただの脅しではない本気の殺気が漂っている。
「お前も“何か”を持ってるようだな」
「まあ、少しだけな」
言いながら、俺は意識を集中させた。相手の心を読む――はずだった。だが、そこには何もなかった。
「……心が、読めない?」
「読めるわけがないだろう。俺たちには、そういう力が効かないんでね」
冷たい声が部屋に響いた瞬間、男が俺に向かって突っ込んできた。その速度は常識を超えていたが、俺の反応速度もまた異常だ。
「その程度で俺に勝てると思うなよ!」
俺は力を解放し、男の動きを空間ごと制御した。まるで糸に絡め取られるように、男の体が動きを止める。
「……ほう、なかなかやるじゃないか」
男はニヤリと笑ったが、その顔はどこか焦っているように見えた。
「だが、これで終わりだと思うなよ、久我光一。俺たちは“組織”として動いている――お前の革命は、ここからが地獄だ」
そう言い残し、男は闇の中へと消えていった。
霧華の警告
「やっぱりね、敵が動き始めたわ」
知事室に戻ると、そこには白峰霧華が立っていた。相変わらず冷たい目で俺を見ている。
「まあ、分かってたけどな。だけど、ここまで露骨に動くとは思わなかった」
「これからはもっと酷くなる。あんたがどれだけ“正しいこと”をしてもね」
「お前はどうなんだよ。俺に手を貸すのか?」
霧華はほんの一瞬だけ考え込んだ後、いつもの毒舌を口にする。
「手を貸すかどうかは、あんた次第よ」
第6話、いかがでしたか?
ついに光一が“敵”と直接対峙! 初めての超能力バトルを描きつつ、彼の力では簡単に解決できないような敵の存在が明らかになりました。新たな勢力“組織”の目的や、霧華の立ち位置にも注目しながら、次回の展開をお待ちください!