テレビ生放送、俺の超能力が火を吹く
こんにちは!
第4話では、得票率100%で当選した光一が、ついにマスコミの追及と真正面からぶつかります。疑惑や批判を仕掛ける記者たちに対し、彼はどのように切り返すのか――? 革命の第二歩目が、ここから始まります。ぜひお楽しみください!
テレビ局スタジオ――生放送インタビュー
「本日は、前代未聞の100%得票率で当選した、栃木県の新知事・久我光一さんにお越しいただきました!」
司会者が笑顔で紹介するが、その目には明らかに警戒心が見て取れる。テーブルを挟んで座る俺の隣には、県庁から派遣されたという秘書がいるが、彼は終始ソワソワしていた。
「では早速ですが、視聴者の皆さんが一番気にしている質問をさせていただきます。なぜ、こんな異常な選挙結果が起きたのか、ご自身でどうお考えですか?」
ストレートすぎる質問だ。普通なら動揺するところだが、俺は余裕の笑みを浮かべた。
「答えは簡単です。僕がこの県にとって必要な人間だと、全員が感じたからです」
スタジオが一瞬静まり返った。司会者の顔がピクッと引きつる。カメラの向こうで視聴者がどう思ったかは分からないが、たぶん同じ反応だろう。
「でも……投票率100%というのは、物理的に不可能だという声もあります。それについてはどうお考えですか?」
「不可能なことを可能にするのがリーダーの役割ですよね?」
視聴者向けの軽い笑顔を添えて返すと、司会者は次の手を考えるように視線を泳がせた。
攻撃開始――記者たちの罠
次に飛び出したのは、スタジオにいる記者たちからの質問だった。
「政見放送で視聴者を“操った”のではないかという疑惑があります。実際、あの放送を見た後、妙な感覚に襲われたという証言もありますが?」
ここが奴らの本丸――洗脳疑惑だ。
俺は一瞬でスタジオ全体の意識を“読む”。カメラの裏にいるディレクターも、音声スタッフも、みんなが「これで追い詰められる」と思っているのが分かる。
でも甘いな。
「操った? 面白いですね」
俺は声を低くして答える。そして、わざと少し間を置いた。緊張感が一気に高まるのが分かる。
「もし僕にそんな力があるなら、まず記者さんたちを操って、もっと僕に優しい質問をさせますよ」
スタジオの空気が凍った。記者たちは慌てて目をそらすが、その間に俺は心を“リンク”させる。ほんの少しの暗示――「怖い質問はやめた方がいい」という恐怖を注ぎ込む。
「でも、僕はそんなことはしません。ただ、皆さんが本当に知りたいのは、僕が何を目指しているか――それですよね?」
そう言いながら、俺は司会者をじっと見た。彼の心が揺れ動き、自然と次の質問が出る。
「……た、確かに。久我さんが目指している未来とは、一体何なんでしょうか?」
勝った。これで流れは完全に俺のものだ。
収録後――霧華との再会
スタジオから出ると、そこに白峰霧華が立っていた。
「へえ、やるじゃん。あんた、言葉だけであの記者どもを黙らせたんだ」
「褒められるとは思わなかったよ」
「褒めてない。ただ、次はもっと強い敵が来るわよ。覚悟しときなさい」
彼女の言葉には不思議な説得力があった。そして、俺の心に小さな不安が芽生え始める。
第4話、いかがでしたか?
ついに光一とマスコミの最初の衝突が描かれました! 超能力を使った駆け引きと、霧華の辛辣な助言が光一にどんな影響を与えるのか……物語はますますヒートアップしていきます。
次回は、光一の「革命」計画がついに動き出します!果たしてその第一歩目は成功するのか、それとも――?
コメントや感想、お待ちしています。それでは、また次回お会いしましょう!