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10/??/朝(予告)坩堝の学園/皇国の臨界点
──「アウラミライ侯爵学園」???室
「この学園が崩れることは、つまり皇国の秩序が崩れることを意味するのさ」
そんなことは私だってわかっている。
アレンは七大貴族や皇族はもちろん、聖女以外の学園関係者であれば誰もがわかりきっている話を口にした。
だから私はこれまで力尽くで問題を解決しようとはしなかった。"貴族派"と"皇族派"の均衡を崩さないためにも、各陣営の人間に借りを作るような真似はしなかったのだ。
だけどそれにも……もう無理がある。すでに私以外の数多くの人間が限界に達し、聖女たちも学園の矛盾に気付き始めてしまっている。
もはや学園そのものが臨界点に達しているのだ。