回文しか話せなくなったら
ルールは下記の通りです。
1. 濁点、半濁点の有無は無視する
2. 長音記号は無視する
3. 「きゃ」、「ぎゃ」など二文字で一音になっている部分は一括りに扱っても良いし、ばらばらに扱っても良い
例えば「母とバーバパパと婆」は濁点・半濁点・長音記号をなくせば「ははとははははとはは」ですので回文です。
また、「少女」はルール3の一括り扱いで「しょうしょ」、「庶子」はルール3のばらばら扱いで「しよし」なのでいずれも回文です。
無理のあるところもあるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
(今日は友人のユイと遊ぶ約束だ。楽しみだなぁ)
「早く着きすぎたかなぁ。あっ来た来た。おはよう!」
「連れ、グッモーニン、荷物くれっ」
「んん?」
「連れ、グッモーニン、荷物くれっ」
「どうしたの。連れってツレないな……」
「洒落やし」
「そういうつもりなかった。いや、でもなんか変じゃない?」
「理解してし(怒)」
「えぇっ。なんかごめん」
「良いよ」
「軽いなおい」
「荷、荷」
「ああ、うん。ありがとう。じゃあそろそろ行こうか」
「ああ」
「ではでは、しゅっぱーつ」
「おおー」
「というわけで釣り堀にやって来ましたー!なんか騒がしいね」
「リッチ釣り」
「ゾンビも釣りする時代か……」
「釣ろっ」
「あぁ、そうだね。ゾンビに負けてられるか!大物を釣るぞー!」
「ルアーここある」
「ありがとう。めっちゃあるな」
「下の右、君のだし」
「決定権俺にないの!?まぁ良いや。せっかく選んでくれたし、これで釣ってみせる!とにかく凄いの来い!」
「……ダメだ。全然釣れん。そっちはどう?って何見てるの?」
「タコの子だ」
「ほんとだ。イカもいる」
「海洋揺蕩うよイカ」
「海洋揺蕩ってるねぇ」
「あ」
「どうしたの?」
「竿さ」
「あ、引いてる!……って重っ!絶対大物だ!手伝って!」
「うううううう」
「うおおおおお…………やった!」
「鯛だ!」
「マジか!」
「というわけで帰ってきましたー」
「いぇーい」
「手洗いー」
「いぇーい」
「うがいー」
「びべーび」
「料理ー」
「いぇーい」
「さて。どう料理してくれよう」
「捌く。ばさ」
「自ら擬音を言っていくスタイル。そして上手ぇ」
「ふっふっふ」
「よーし、俺も手伝うよー」
「邪魔やし」
「酷ぇ」
「酷くないな。くどひ」
「あれ?これ俺が悪いの?ていうか何その歴史的仮名遣い!?」
「頼むのだ」
「うーん、そこまで言うなら任せた!とびきりのを作ってよ!」
「ああ!」
「よーし。食べよう」
「カルーアミルク、くるみあるか?」
「唐突。でもあるんだなぁこれが」
「食べたい。食べた」
「えー!もう食べちゃった!じゃ、俺も食べちゃお。では、いただきます」
「いただきだ、鯛」
「ぱくり。美味しい!」
「んんんんん」
「そうめんもあるよ」
「長いしぃ。美味しいかな」
「ごちそうさま。ふー食った食った」
「龍が舞う。美味かった」
「攻撃力と素早さを同時に上げるとはやるな……」
「ふっふっふ」
「なんかさー」
「ん?」
「なんか悩みとかあるの?話聞くよ?」
「……いなせな俳優ユイ話せない」
「いや、俳優なのは知ってるけども!やっぱりなんか今日おかしいよ!?」
「おかしくないな。九時かお」
「唐突に話題を変えるのはおかしいだろ常識的に考えて……」
「……」
「話したくなったらいつでも言ってね。友人だもん」
「謝謝」
「何故に中国語」
「疲れたタレカツ」
「タレカツ?」
「すまね、うとうと、とうとう寝ます」
「もう寝るの?」
「ZZZ」
「寝ちゃった」
「すーすー」
「んん?」
「すーすー」
「んんん?」
「あれ?……あ!」