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サウザンド ローズ ~転生侍女は、推しカプの尊さを語りたい~【番外編16「『時のはざま書店』にようこそ」完結☆】  作者: 壱邑なお


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驚きの再々就職先

「ヴァイオレット先生……! お久しぶりです!」

「先生! また眼鏡が⁉」

「あらまあ――相変わらず、おっちょこちょいだこと!」

「わたしの手につかまって、先生!」

 兎穴の車寄せに、わっと駆け付けた、元教え子と侍女と乳母と、来る途中ですっかり仲良くなった、元悪役令嬢に、馬車から助け降ろされた、元家庭教師は

「久しぶり、元気そうねシャーロット! そうなのよ、ユナ! 面目めんぼくないわ、乳母様! ありがとう、アナベラ!」

 四人まとめて、嬉しそうに抱きしめた。


 何やら憔悴しょうすいした様子のイーサンと、いつもと変わらないジェラルドにお礼を言ってから、女子一行に手を引かれて、近場のモーニングルームに辿たどり着く。

「ヘア村のイン(宿屋)に、トランクを預けて来たの。その中に、予備の眼鏡が入ってるから」

「わかりました。ミスター・アンダーソン?」

「はい、すぐに取りに向かわせます」

「ありがとう」

 有能な執事に、にこりと礼を言った後

「たくさん、お話したい事ありますし……今夜はこちらに、泊まってくださいな?」

 と甘えるように、シャーロットはねだった。


「ありがとう。でも眼鏡が来たら、インに帰るわ。明日、早朝の乗り合い馬車で、立つ予定なのよ」

「そんなに急いで、どちらに行かれるんですか?」

 不思議そうな、元教え子の問いかけに

「実は……面接を受けに行くの、再々就職の」

 少し気まずそうに、先生は答えた。


「えっ、再々就職って――今(つと)めてらっしゃる、ストランドの学校は?」

「それが、ノーグッドなことに……経営難で閉校が、決まってしまったの」

 手探りで茶器を手にし、こくりとお茶を飲んでから

「それで仕方なく、次の就職口を探してたら、この近くの『ギボン子爵家』で、家庭教師を募集していて」

「「「「ギボン子爵家⁉」」」」

 思わず復唱した、四人(そろ)っての大声に

「ええ……皆、知ってるの?」

 不思議そうに、先生がたずねる。


「知ってるも何も……」

「偶然ですね……」

「実はこちらの、アナベラさんが……」

「……あの、わたし――アナベラ・ギボンです」

 もじもじと、答えた少女に

「なんですってーっ⁉」

 今度は、ヴァイオレット・シープが、教師にあるまじき、大声を上げた。


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