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サウザンド ローズ ~転生侍女は、推しカプの尊さを語りたい~【番外編16「『時のはざま書店』にようこそ」完結☆】  作者: 壱邑なお


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侍女の日記15

◇◇◇

 こんばんは、ユナです!

 いや~っ、まさかまさか『悪役令嬢アナベラ』を、『妖精みたい』と、言う日が来るなんて……自分にびっくり!

 でも、今日のアナベラは、本当に可愛かったなー! 

 口元がニッコリしてると、目元も『キツイ』から『キリッとしてる』に印象が、変わる事を発見。

 わたしにも、『一昨日助けてくれたのと、この髪型、ベティに教えてくれて――ありがとう』って、恥ずかしそうに、お礼を言ってくれたし。


 昨夜、使用人食堂で、ベティが

「シャーロット様って、編み込みとか――いつもステキな、髪型されてますよね? あれはユナさんが?」

 と尋ねて来て、

「うん」って頷くと、

「もし良かったら、わたしにも、教えて頂けませんか?」と――


 アナベラがボリュームのある黒髪を、密かに嫌がっている事や、お姉様が綺麗な金髪で、中々の美人さんな事。

 いつもお姉様とおそろいの、ピンク色のドレスが、大嫌いな事。

 お母様から『お前もせめて、金髪だったらねぇ』と、ため息吐かれている事……を、話してくれた。


「いや、黒髪だってステキだよ!」

「そうそう! わたしも協力する!」

「わたしも!」

 エマやジェインも手を上げてくれて、わたしの寝室に移動してから、二人をモデルに、一番簡単に出来そうな、『くるりんぱ』を伝授でんじゅ

 見事に成功してて、良かった良かった!



 そして、ブランコにお嬢様が、交代で乗せてもらっていた時、ふと思い出して、手を入れてみた、樫の木のうろ

「あった……」

 かさりと指先に、紙が触れた。


『千バラ』で、ヒューバートとシャーロットが、この樫の木に空いた穴を使って、ひそかにメッセージのやり取りを、してたんだよね。

 恐る恐る、取り出した紙を開いてみると


『シャーロット……君を見るたびに、高鳴るよ心臓。目と目が合ったら、高まるよ緊張。 HH』

 という、謎のリリック、いえポエムが。

『HH』って、ラップネーム? ……『ヒューバート・ヘア』の頭文字か!

 

 そもそもゲーム内では、弟君がプレゼントした詩集に、所々アンダーラインが引いてあって、それをつなげると『裏庭 樫の木 穴』に。

 そのヒントを見つけると、『秘密の文通ルート』が、解放されたんだよね。

 詩集の伏線ふくせんがないこの世界で、シャーロット様がこのうろに、たどり着く確率は、00.0%……


 とりあえず――ツッコミどころ満載なポエムを、そっと閉じて、誰にも見つからないよう、穴の奥深―くに、ぐりぐりと埋めておきました。

 合掌。



 昼食の時間を知らせに来た、ミセス・ジョーンズに、

「あのっ――エプロンありがとう! 嫌いな色の、ドレスが隠れて、嬉しい!」

 とアナベラが、お礼を言っているのを聞いた、シャーロット様が

「『ピンクは止めた方がいい』って――この事だったのね! どうしてアナベラさんが、ピンク色のドレスが嫌いな事を、知ってたの?」

 後でこっそり、ミセス・ジョーンズにたずねると


「娘――ロージーが、気に入らないドレスを着たときと、同じ仕草しぐさとお顔を、されてましたから」

 微笑みながら……少しだけ、切なそうな答えが、返って来ました。


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