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サウザンド ローズ ~転生侍女は、推しカプの尊さを語りたい~【番外編16「『時のはざま書店』にようこそ」完結☆】  作者: 壱邑なお


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侍女の日記2

◇◇◇

 ……見ました? 

 見ました、皆さん⁉


 馬車から降りるシャーロット様を、すかさずエスコートするウィルフレッド様を! 

 篝火かがりびに銀と金の髪を(きら)めかせ、見つめ合うお二人を!!


 しかも、馬車の到着が遅れたのに気が気でなく、領主(みずか)ら、門前で待ち構えていたなんて……尊死とうとし


 ……失礼しました。つい、オタクメーター振り切ってました。



 わたしユナは、お嬢様と乳母様おばあちゃんの後から、平静を装って馬車を降り、こちらの執事さんと家政婦さんにごあいさつ。

 お嬢様の軽食とお風呂、寝支度ねじたくをお手伝いしてから、暖かい具だくさんスープにリンゴのタルト(絶品)を頂き、使用人棟のわたしの部屋に案内され……


 怒涛どとうの一日の最後に、『本日の(たっと)み』を書き記しています。

(ちなみに、執事=男性使用人のトップ、家政婦=女性使用人のトップ、従僕=男性使用人)



 お嬢様のお部屋は『奥方の間』と呼ばれ、代々の伯爵夫人が使っていた部屋。

 すっかり模様替えしたらしく、新しいカーテンや壁紙、ベッドなどの家具まで……まるでシャーロット様を、待っていたかのようでした。


「どことなく……狼城のお部屋に、似てますね?」

 化粧台の前に座った、お嬢様の髪をとかしながら、思わずたずねると

「ユナもそう思う? なんだか、わたくしも――そんな気がするの」

 不思議そうに、(うなず)かれる。


「もしかして――ウィルフレッド様が」

「えっ?」

「お嬢様が、お寂しくないように……あちらと似た感じの、お部屋になるよう、ご配慮されたのでは?」

 ゆっくりと、さり気なく、


「ご婚約が決まってから、何度もお手紙が、来てましたよね? 『好きな食べ物は? 色は? 花は?』って……お嬢様のお好みを、知りたかったのですわ、きっと」

「そっそんな事――ユナの考えすぎよ!」

 ツンっと返した、言葉とは裏腹に――ほんのりと頬を染め、ぼんやりと左手を見つめる、シャーロット様。


 よっしゃ……! 

 心の中でガッツポーズ。


 あせらず確実に、『仇敵(きゅうてき)との政略結婚』から『心から愛し合うハッピーウェディング』ルートに。

 お嬢様の幸せのために、全力で頑張ります!



 明日から新しい職場、絶対寝坊しないように。

 あ、馬車でシャーロット様が見た、夢については、また後日……おやすみなさい。



(ユナの日記より)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして! 登場してくるキャラ全部が可愛いです。 ユナもシャーロットもとても可愛いです♪ 面白かったので、ブクマさせて頂きました。
[良い点] 全てにおいて尊い(*ฅ́˘ฅ̀*)♡ シャーロットちゃんもユナちゃんも可愛いの!(*>∇<)ノ この物語の主人公はユナちゃんなんですかね?
[良い点] マルフォイ!!(尊死!!!)_:(´ཫ`」 ∠):_ この作品のキャラ達好き……(っω<`。)笑
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