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サウザンド ローズ ~転生侍女は、推しカプの尊さを語りたい~【番外編16「『時のはざま書店』にようこそ」完結☆】  作者: 壱邑なお


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侍女の日記10

 ◇◇◇

 こんばんは、ユナです!

 いやーっ……ケネスルートも、バッスル問題も――無事に解決して、良かった良かった!

 料理長に関しては、少し――だいぶ心が痛むけど……いつか、幸せになって! お嬢様以外の誰かと‼


 エマたちと、恐る恐る使用人食堂に行ったら、『チキンとごろごろ野菜のパイ、オニオンスープ、クリーム添え焼き林檎』という、通常メニューに戻っていて、皆でハイタッチ。

 ジューシーなパイに、コクのあるスープ、スパイスの効いたデザート……どれも絶品でした!



 おばあちゃんとミセス・ジョーンズ、お嬢様との4人女子会も、楽しかったなー!

 ミセス・ジョーンズが、次々と披露ひろうする『ちびっ子ウィルフレッド様とミックの、わんぱくエピ』に、みんなで笑い転げて。


 おばあちゃんが負けじと、『うちのシャーロット様、激かわ、おてんばエピ』を披露しようとして、必死にお嬢様に止められて。

『この話は、後日必ず』って、トップたちが目で会話してるのを、目撃したり。


 最後におばあちゃんが、いたずらっぽい顔で

「マーガレットは家政婦という立場柄、自分の気持ちを押し込めることが、日常になってるみたいだったから――『たまには思った通りに、言ってごらんよ!』って、わたしがき付けたのさ」

 と、『選挙裏話』を暴露。


「アメリアには、感謝してます。自分の考えをはっきり言うって、それだけで、気持ちが晴れるものなんですね! 

 でも、おおごとになってしまって……シャーロット様やユナさんには、ご迷惑をおかけしました」

 頭を下げるミセス・ジョーンズに


「迷惑だなんて……兎穴だけでなく村の人たちまで、たくさん投票してくださって、嬉しかったわ!」

「そうですよ! 皆さん、結婚式を楽しみにしているのが、改めて分かりましたし。選挙の準備や色々な手配だって、ミセス・ジョーンズが、全部やってくださったんですから!」

 お嬢様とわたしが、そろって首を振って。


「言いたい事を我慢しすぎると、どこかで『ほころび』が出てくるからね。

 まぁ、わたしは遠慮なく、言い過ぎたこともあるから……マーガレットを見習って、少しおしとやかになろうかね?」

 しんみりとした言葉に、『「言い過ぎたこと」って、「兎穴=敵」の事かな?』と思いながら


「おしとやかな、おばあちゃん……想像出来ない」

 思わず、つぶやいたら、「こらっ!」って、げんこつ落とされて……



 4人そろって笑いながら、お茶会は、幕を下ろしました。



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