侍女の日記4
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どうも……ユナです。混乱してます。
本日も、大変濃い一日でした。
ミセス・ジョーンズ(『家政婦』は、既婚未婚関係なく、敬意から『ミセス』と呼ばれます)による館内案内、肖像画の一件からーの、ガゼボでのいちゃいちゃ(特等席で見られる幸せを……神に感謝!)――そして図書室での、告白。
お嬢様が私を『うらやましい』なんて……嘘でしょ!?
わたしが『誰からも好かれる』ように見えたとしたら、それは、頑張って努力しているから。
『デパート』という女性だらけの職場で、アルバイトしていた、前世での経験をいかして。
どんな時でも、『笑顔と感謝と気配り』を忘れずに!
こちらに来る時、『少し怖かった』のも本当。
イベント内容等は分かっていても、知らない人だらけの職場に、一から飛び込むのは、かなりの勇気がいる。
まぁ前世と合わせると40年近く、人生経験値がありますから、何とかなっていますけど?
それに比べて、ただふんわりと、微笑まれるだけで……狼城でも、ここ兎穴でも、男女を問わず、数多のハートを打ち抜く、シャーロット様。
しかも無自覚!
はぁ……ウィルフレッド様、ファイト! (涙)
それにしても、ゲームのシャーロットも『兎穴=敵』と、思い込んでいたけど……まさか、おばあちゃん由来だったとは!(とほほ)
まぁでもそんな、かたくなな心を、ウィルフレッドが、どんどん溶かしていく過程が……めちゃめちゃ、ツボだったわけですけど。
ウィルフレッド様、ファイト!! (二度目)
そしてなにより、ジェラルド様VS従者。
(従者=主人の身の回りの世話や、秘書的な仕事もする、男性上級使用人)
気になる勝敗は――打ち込まれたジェラルド様が、一旦棒で受け止めてから、手首を返す勢いで、相手の棒をはじき飛ばして終了。
瞬殺で、またしても、連勝記録更新!……だったのですが。
あの構え、掛け声は――どう見ても『剣道』。
この『千バラ』の世界には、存在しない……。
間違いない。
彼、ウィルフレッド様の従者、ミカエル・ドッゴは、
『転生者』です!
(ユナの日記より)




