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私を作った人  作者: None
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1.She made 40% of me

1.She made 40% of me.

「BL のがえろくない?笑笑」

そう告げてきた彼女は、私の人生に輝きを与えた。


時は遡り、私が小学生三年生の事になる。

私は小学校の友人何人かと、市が主催する市民スキーなんてものに参加することになった。

両親が付き添わない初の旅行ということもあって、雪の降る長野に目を輝かせていた。

同行した二人を含めた三人は、三級それなりにスキーができる獲得を目指すグループに振り分けられた。

知らない大人や子供がそれなりに居たので、三人で固まって行動していたのだが、何時間か経った後、子供と大人一人のみで滑る機会が出来た。

そのグループに居たのが、私の価値観に、大きな影響を与えたと言っても過言ではない、桜美(仮称)である。

彼女は小学生三年生ながら155cm程の身長があり、落ち着いた佇まい(表面的だけなのだが)で、(これは主観だが)可愛かった。

当時は彼女のほうが私より身長が高かったので、年上かと思って接していたのですが、話していくうちに、どうやら同い年であり、二つ隣の小学校の生徒だということがわかりました。

滑り終わりゲレンデからホテルへ戻ると後は夕食まで自由時間だったのだが、そこで五人(彼女と同伴していたクラスメイトの沙紀も合流し)で長く話す事になった。

私は当時東方プロジェクトやボーカロイドなどの世間が言うところのヲタクじみた物が好きで、これを話す友達は一人いるかいないかだった。

どうやら桜美はガルパン(=ガールズ&パンツァーというアニメ)が好きで、東方やボカロもかなりの知識があるらしく、二人でヲタク浸っていると周りの三人は消えてしまって居ました。

小学三年生ながらスマートフォン(二人をヲタクにした理由とでも言うべきだろうか)を持っていた二人は、そこでラインを交換することなる(当時の彼女のアイコンがおそ松さんだったのを記憶している)。

計三日間に渡るスキー合宿を終えて、それなりに仲良くなった私たちは、頻繫に(彼女のラインを返すスピードが亀だったのでそこまでだが)やり取りをするようになった。

最初はおそ松さんだのボカロだのいろいろな話をしていたのだが、東方の話になったとき、当時性に関心が芽生えていた私は、水着姿のチルノの写真を送り、「この子えろくないですか」なんてふざけたラインをおくってしまった。

今思うとこの相手が彼女でなかったら、今の私はいないかもしれない(いろんな意味で)。

通常であれば小学三年生の女子なのだから、こんなラインが送られてきたら即ブロックするかスルーするかだろう。

しかし彼女はその期待をはるかに超え、「BL のがえろくない?笑笑」なんて冗談を返してきたのだ。

当時BLなんて知らなかった(というより下ネタなんて指三本で数えられるほどしか知らなかった)私は、この後BLについて、男と女の契りについて彼女から学ぶわけなのだが、

詳細は伏せておく(BL画像が50枚ほど送られた来たことはあまりにも衝撃が強く忘れられない)。

そこから年に一回合宿で会い、それ以外はラインで話す(大体が彼女の好きなアイナナ=IDOLiSH7の話)という生活が、三年間続いた(この期間は特に何もなく時が流れていた)。

そして中学校入学すると、そこには彼女の姿があり、クラスこそは違ったものの、これまでより確実に話す機会が増えた。

当時はヒロアカ(=僕のヒーローアカデミア)に私ははまっていて、彼女ともそれなりに話をしていたのだが、どうやら夏に映画が公開されることになった。

一緒に見に行く人の当てもなかった私は、一人で見に行こうかと考えていたのだが、夏休みも終わりに近づいた頃、彼女とこの映画の話になった。

どうやら彼女も見にく予定はなかったようで、「来場者特典が確実に欲しい」という利害の一致の下に、公開日に二人で見に行くこととなった。

彼女は映画の見方にとてもこだわりがあって、席は必ず最前列かつ真ん中(最も声優さんと作画に注目できるためらしい)に座り首を痛めながら視聴し、ポップコーンなどは一切食べなかった。

こんな彼女の個性的な一面も知れて、私は、この時には確実に彼女のことが好きになっていた(この日からそう長くないうちに告白し見事に振られるのだが)。

彼女は昔に101回目のプロポーズという映画に憧れるという旨の発言をしており、そのせいで私は振られて以降も彼女にしつこく接してしまい、とうとう次のスキー合宿までラインをブロックされてしまった。

次のスキー合宿までに私の彼女への恋愛的関心は薄くなっており、スキー合宿以降は仲の良い友達として学校生活を送ることができた。

彼女に出会い、教祖のように慕い(実際教祖と呼んでいた)、一つばかり恋をして、分かったことは、私は自分の知らない物事を見せてくれる人が好きであるということだ。

いまでこそ彼女と話す機会はないが、私の人生の価値観の、四割近くを占めるのは彼女だろう。

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