貧国のオーパーツ
貧しい国で石版が見つかった。
だから何だという話だが、刻まれた文字が解読できない。世界中の考古学者と言語学者が首を捻った。
でたらめな羅列ではなく、はっきりと規則性があることがコンピューター解析でわかった。
ただ、何が書いてあるのか、わからない。
ある考古学者は言う。
「これは古代リアヌ語だ。狩猟した動物の名を刻んだんだ」
ある言語学者は言う。
「いや違う。文章にエフラメントが多様されている。三千年前に滅んだルイサャ帝国の歴史だ」
ある天文学者は言う。
「何を馬鹿な。この石版にはいくつもの円が描かれている。リア族の暦で間違いない」
貧国の高官は言う。
「どうでもいいから、誰か高値で買ってくれ」