九話 防衛
誤字脱字等あれば教えていただけると幸いです。
俺たちは今、ブラックウルフの軍と衝突した。だがいくら殺しても殺しても一向に減らない。そのせいで俺はレベルが25にまでなっていた。
武器を振り下ろし、魔法を放つ。大体一人当たり30体は殺していると思う。合計4500程。まだ半分に行っていないのか。絶望しながら武器を振り下ろす。
「ダークウルフが出たぞ!3、4班は全員でかかれ!」
「「「「「おう!」」」」」
俺たちは出発前に指示が出しやすいように班を作っていた。班は1班十五人ほどで、10班ある。師匠は1班班長で先生は2班班長だ。その中で俺は1班に入っていた。
「オオオオオオオオガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
この声はダークウルフ?こんなに恐ろしい声を出すのか。ブラックウルフと比べものにならない威圧感だ。
「かはっ」 「っく」
仲間の苦しむ声が聞こえる。そうすると師匠は
「俺たちもあっちに行くぞ!」
「「「「「おう!」」」」」
そして俺たちもダークウルフの方へ向かった。そしていたのは仲間を屠るブラックウルフより二回りほど大きい一匹の狼だった。
「ゴラン!お前は魔法を使って攻撃しろ!俺たちはあいつの注意を惹きつける!」
「はい!」
そして俺はボールの術式を出し、魔力を流し放つ。ウォーターボールは体に当たったがダークウルフはびくともしなかった。
「ゴラン!あいつのことでわかったことがある!あいつは攻撃のあと、10秒ほどで傷を再生する!だから下手に体に当てるより首を狙え!」
「はい!」
そして俺は首に向かってウォーターブレードを放つ。首には傷がついたが10秒ほどで傷がなくなってしまった。この10秒のラグをどうにかできないか。そうだ、力技で再生する前に攻撃すれば再生できないんじゃないか。やってみるか。
ウォーターブレードの術式が二つ現れ一つが繰り出される。そして傷が治る前にもう一個も放つ。よし、一発目より傷が進んでいる。これで正解のようだ。
俺はウォーターブレードとウィンドブレードの術式を大量に展開する。これは使い分けの応用で同じ属性でも分けることで、たくさん出せる。
「皆さん!俺が今から首に魔法で攻撃するので終わったら、傷が治る前に攻撃をできるだけたくさんしてください!傷が治る前に攻撃すれば再生しません!」
「「「「「おう!」」」」」
今まであった。術式から大量の刃が放たれる。一つ一つの威力は小さいがこいつには有効だろう。
「今です!」
「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」」」」
皆が一斉に斬りかかる。そして俺がつけた3分の1程の傷は次第に広がりついに切り落とした。師匠が叫ぶ。
「ダークウルフ一体討伐!」
「「「「「おう!」」」」」
「師匠!この情報先生に伝えてきます!」
「ああ、頼む!俺たちもダークウルフと戦うのは初だから知らねえ筈だ!」
そして俺は一気に先生のいる2班の方へ駆けた。そのまま先生の方へ行き、
「先生!先程、あちらでダークウルフと対峙し討伐されたので、わかったことを報告します!ダークウルフは、傷を10秒ほどで再生します!そのため現れた際は、首に一斉攻撃を仕掛けてください!」
「わかった。」
俺が戻った先ではブラックウルフとホブゴブリンたちが戦っていた。
「戻りました。今はダークウルフは出てないですか?」
「おう。今はブラックウルフだけだから、そこまで切羽詰まってはいねえ。今のうちにお前も少し休憩しとけ。」
「わかりました。」
俺はぼんやりとブラックウルフが屠れられるのを見ていた。
十分が経ったため今はブラックウルフを殺している。今のレベルはダークウルフを殺したのもあって40になった。レベルアップの恩恵は凄まじくブラックウルフを殺しているだけでは疲れを感じなくなり、魔力量も増えている。力も増えているため、たまに力加減を間違えるとブラックウルフの頭が飛び散り、服にかかってしまう。これは慣れていかなければ。
ブラックウルフを殺していると、自分がチートものの主人公になった気がして楽しく爽快だ。これならストレスなく狩っていけそうだ。ただそんな時間が長く続くわけもなく、
「ダークウルフが出たぞ!」
という声で皆に一気に緊張が走った。俺も身構えた。