八話 危機
翌日
今日も俺は狩に出かけた。今日はブラックウルフに出会った。ブラックウルフはその名の通り、黒い狼だ。大体鋭い牙と爪で攻撃してくるため、そこに気をつければ難なく殺せる。ただ、ブラックウルフの肉はあまり美味しくないため食べない。だから殺すのはレベルアップのためだけだ。
次もブラックウルフに出会った。ブラックウルフは群れで過ごすタイプなのに2体もはぐれが出るのか?疑問に思いながら殺した。
「お、レベル上がった。」
その次もブラックウルフに出会った。これはおかしい。群れで暮らすはずのブラックウルフが昨日まで姿も見えなかったのに、連続で3体は絶対おかしい。はっきり言って異常だ。
俺は殺した後、急いで村に向かった。道中でもブラックウルフに出会ったため殺しておいた。そして村に着いた。すると丁度そこにいた、ゴホウ先生に俺は
「先生、俺が狩をしていたらブラックウルフが4体別々に遭遇したんですけどおかしくないですか?!」
「ブラックウルフが4体?!一体だけでも珍しいというのに4体か。それも別々で。ブラックウルフ自体は強くはないが群れで行動するはずの魔物が別々に遭遇するほどの何かが起こっているのかもしれない。俺は村長に報告してくる。お前も着いて来い。」
「はい!」
俺と先生は村長の元へ向かった。
「村長、村の周りではぐれたブラックウルフが多くいるようです。ここのゴランは計四体発見しているようです。」
ほう、はぐれたブラックウルフが四体もそれは異常じゃの。となると何か大きなことがあってはぐれたのか、それか洗脳などを使って誰かが操っているのか。」
「っ、村長それは!」
「ああ、この周りで魔法を扱える知能を持ち尚且つその知識があるのはこの村だけじゃ。そしてこの村で魔法を使えるのはお主とお主の教え子つまり…」
「洗脳は闇属性。闇が使えるのは、先生と…」
「あいつか。」
その時いきなり俺たちのところへ、誰かが駆け込んできた。
「村長!村の周りでブラックウルフ1000体程がこちらへ進軍中!中にはダークウルフも複数体!村にいる何人かは食い止めるために負傷!」
「師匠!」
「ゴラン、お前何でここに?!」
「俺もブラックウルフの異常を伝えに来ました!それよりブラックウルフが進軍中とは?」
「ああ。俺が狩の帰りにでけえ音が聞こえて駆けつけたら、他のやつがブラックウルフと戦っていたんだ。そこは俺がブラックウルフを退いてことなきを得たが、多分今はまた他のやつが戦っている!」
「ブラックウルフだけならいくら数がいようとなんとかなっていたかもしれないが、ダークウルフもいるとはな。それも複数体。」
ダークウルフはブラックウルフの進化形でそれなりに手強い。
「ああ、そうなんだ。そして戦っている時も違和感があった。あいつら『死』を恐れていないんだ。いつもは絶対に群れて行動して生き残ろうとするのに。こっちに攻め込むのも、食料がなくなったのなら他に攻め込めばいいのに、攻め込むどころか見向きもしねえ。」
「となると、やはり洗脳。そしてここに敵意があるもの。という戦が強くなってくるか。」
「そうじゃのう。」
そのあと村長は目を見開き言った。
「今からこの村でブラックウルフ殲滅体を組む!隊長はゴトウ!参謀はゴホウとする!入隊条件は一定の実力を持つもの!以上!」
「「「はっ!」」」
俺も合わせていう。そして俺は
「俺もその隊に入隊させていただいてよろしいでしょうか!」
「何?お主は成人してまもないじゃろう。」
「いや、こいつの実力は俺が保証する。下手したらこいつより前に成人したやつも何人か負けるかもしれねえ。」
「私も保証します。俺が教えて中でこいつが一番発想力、技術、魔力量が高いです。」
「そうか。お主ら二人のお墨付きならば、杞憂じゃったな。」
先生と師匠から認められ、俺は感激で泣きそうだった。この二人からここまで言われるとは思わなかった。今まで生きてきてよかった。
そのあと殲滅隊が完成した。隊員数は150名。結構集まった方だ。ちなみにゴレンたちは入っていない。
「俺たちの目的は進撃するブラックウルフ及びダークウルフの殲滅。そしてそれを操っていると思われるものを確保最悪殺害。分かったか!行くぞおめえラァ!」
「「「「「オォオオオオオ!!」」」」」
俺たちは一気にブラックウルフのいる方へ駆け出した。