七話 狩猟
誤字脱字等あれば教えていただけると幸いです。
俺がまず村の外で出会ったのは、ホーンラビットだ。ホーンラビットはうさぎに角が生えた魔物だ。これの倒し方はホブゴブリンウォリアーに教えてもらっている。こいつは角を突き出すように前にしか飛んでこないため、回り込めばすぐに倒せる。そして俺は教えてもらったようにホーンラビットを殺す。生暖かい血が身体にかかる。思ったより生物を殺したことによる罪悪感とかはない。前世だったら俺は確実に吐いたりしていただろう。これは俺がゴブリンの体に転生して、精神も人間よりからゴブリンの方によってきたのではないだろうか。
そのあと俺は魔道具の袋にホーンラビットを入れる。この魔道具は袋状の魔道具で袋の中は異空間につながっているらしく、いくらでも入れられる上に重さ感じない。今日、狩に行く前にたくさんあるし便利だからという理由で村長からもらった。俺の村はよく襲撃に行く方らしく皆なかなか強いらしいため村には強奪品の魔道具などがたくさんあるのだ。
次に遭遇したのは、ワイルドボアだ。ワイルドボアはまあでかい猪だ。こいつも突進しかしないので、横にそれて身体に刃を当てれば勝手に身体が切れて死ぬ。これはちょっと重いので魔道具の中に入れるのに苦労したがなんとか入れることができた。
次はサウンドバットだ。こいつは大体洞窟で群れて過ごしているはずなのだが、群れからはぐれてしまったのか。少し可哀想な気もしなくはないが、俺には俺の事情があるので、大人しく死んでもらうか。こいつは群れで一緒に声を出すことで相手の鼓膜を破壊するのだが、一匹しかいない場合はそこまで大きくはないのですぐに殺せる。
次はまたホーンラビットにあった。二回目なのでウォーターボールを威力高めに放ってみたら木っ端微塵になってしまった。次からはホーンラビットには魔法はつわないでおこう。もったいないし。
次は、ビッグサーペントだ。こいつはさっきの三体より少し強く、注意がいる。こいつは鱗が硬く、でかい割には動きも速いので注意しながら少しずつ鱗の合間に刃を入れて鱗を剥いでいった。ある程度剥げたら最後にそこに斬りかかれば終わりだ。と思っていたが殺した直後、不思議な感覚に襲われた。なんとなく力が溢れる?増えるような感覚だ。これはなんだろうと思ったが、それはすぐに解決した。
それはレベルアップだ。いきなり自分の頭がレベルアップしたことを理解した。レベルは生物を一定数殺せば上がるのだが、今回はビッグサーペントを殺したことで1から2に上がったようだ。レベルアップはいいな。殺せば殺すだけ強くなれる。
次もビッグサーペントにあった。これも二回目なので魔法を使ってみる。こいつはさっきみたいにはならないだろう。ウォーターブレードとウィンドブレードで鱗を削ってみる。結構行けた。ブレードはその属性の刃を射出する魔法だ。ボールとの違いはボールは打撃に近いダメージでブレードは斬撃に近いダメージであることだ。そのあとはそのまま、斬って殺した。
死体を魔道具に入れようとすると、属性によって傷が違うことがわかった。ウォーターブレードの方は肉も少しえぐっているがウィンドブレードの方は鱗だけ綺麗に剥ぎ取っているのだ。このことからウォーターブレードは威力が高くなりやすく、ウィンドブレードは切れ味が高いのがわかった。ゴホウ先生からは教えられなかったが、自分で発見すると心地いい快感があった。
そこから何体か狩ったが大体出てくるのはあのサウンドバットを除く3体だった。そのためいろんな殺し方を試してみた。例えばワイルドボアが突進してくる先に魔力を結構流した、ウォールを発動して頭だけ弾き飛ばしてみたり、ビッグサーペントの口の中にボールを放ってみたしていた。
今日でレベルは10になっていた。やはりゴブリンのうちは早いペースでレベルが上がるのか。このペースでいけばホブゴブリンになるのも遅くはないな。
俺がゴブリンライダーになるためには魔物の中から相棒を探さないと行けないわけだが、全く良さそうなのが見つからない。せっかくならカッコいいやつとか強いやつとかにしてみたいというのもあるが、大体が根性がない。一発攻撃食らわしただけで逃げようとする。
俺がゴブリンライダーになるのはまだまだ先の話なのかもしれない。
狩が終わって、魔物の肉を納入しにきた。この村では成人になったら一定数は食料を取ってこないといけない。そして俺は肉を村長に差し出す。
「ほい。こんぐらいの量でいいか?」
「そうじゃな。今日が最初にしてはようとってきたな。まあ最初やからこれの3分の1ぐらいでいいぞ。あとは好きにせい。いつもは大体これの2分の1取ってくればいいぞ。」
「わかったよ。」
「やっぱゴホウの授業がやくにたったんか?」
「そうだな。それもあるし、ゴトウ師匠のおかげでもあるよ。」
ゴトウ師匠は俺に戦闘を教えてくれたホブゴブリンウォリアーだ。
「ほう、お主はゴトウにも習っておったか。ゴホウとゴトウは同世代でな。今は死んでしまったがこの村では村で一番強いとされるやつの弟子でな。二人で子供の頃はよく張り合っておったわ。」
「へー、そうなのか。道理であの二人教え方が似てると思ったんだけど、そういうことか。あとゴホウ先生には村長が話しといてくれたんだろ?ありがとな。」
「いいんじゃよ。昔はよく狩などしとったが、今にこの老体ではそんなこともできんからな。若い世代の助けになるくらいしかできんから、今ではこれがワシの生き甲斐でもあるんじゃよ。」
「そうか。今回の世代はどうだ?」
「まだよくわからんが、良さそうな感じはあるぞ。まあお前のようにもの心ついたあとすぐに暴れ出すやつはおらんだろうが。あの時は本当に驚いたぞ。」
「あの時はすまんかった。」
「いいんじゃよ。今じゃ立派に育っとるんやからな。」
そんな話をしたあと、成人した時に建ててもらった家に戻った。