五話 恋敵
翌日
今日も俺とリンナちゃんは二人でゴホウ先生の家へ向かおうと思ったが、何故かもう一人リンナちゃんの隣にいた。
「お前なんでいるんだよ。」
「そりゃお前、リンナちゃんと一緒に行きたいからに決まってんじゃねえか。」
「お前はこの場所にいらん。」
「お前こそいらん。俺とリンナちゃんの神聖な時間をお前で汚すな。l
「なんだと。」
「やってやろうじゃねえか。」
「二人とも喧嘩はやめようね。」
「リンナちゃんが言うならしょうがないな。」
「リンナちゃん僕は喧嘩なんてしてないからね!」
まじかこいつ。昨日いいとこもあるとか言ったけど前言撤回だ。こいつはただの感じ悪いやつだ。
そんなことをしながら、ゴホウ先生の家に着いた。そのまま部屋に向かうと昨日と同じようにゴホウ先生とホブゴブリンは部屋にいた。
「「「おはようございます。」」」
「おう。よしじゃあ全員揃ったし、授業始めるか。」
そこからゴホウ先生の授業が始まった。
「昨日は魔力を扱えるようにしたから、次は魔力の使い分けだな。」
「使い分け?」
「ああ、使い分けだ。まあ、生物が持つ魔力は大体二種くらい属性が混じってる。魔法というのは魔力を術式に流し込むことは教えたが、流し込む魔力は一つの属性じゃないといけない。そのために必要なのが魔力を属性で使い分けて使うことだ。今お前たちは魔力を全部一気に動かしている。使い分けは属性に分けて動かすんだ。属性の混じり方にもいろいろあってほとんどものが二種だが稀に一種や三種のやつもいる。四からはとても少ない。そのかわり種類が多ければ多いほど一つの属性に対する魔力の量が少なくなる。一種は逆に一つの属性だから、属性に対する魔力の量は多くなる。」
そう言った後、ゴホウ先生はおもむろに紙を取り出す。
「後混じっていてもどう混じっているのかも違う。魔力が全部で10だとしたら火は8で水は2とかだ。そして使い分けは属性の魔力が多い方が最初はやりやすい。今の話で言えば火は8で水は2だから火の方がやりやすい。この比は最初の測定で出ていたんだがそれは知らないだろうし、あの時にこの紙に書いといたから今から言う。」
なんか測定の時書いてるなと思っていたがそう言うことか。そしてゴホウ先生は紙を見てから口を開く。
「まず端の坊主お前は水7風3だ。だからまずは水を練習しろ。」
「はい。」
俺は水かなんか汎用性高そうだからいいか。
「次は君。君は火6光4だ。だから火だな。」
「はい。」
「次は隣の坊主。お前は雷6で火4だ。雷だ。」
「最後はお前。お前は水5と闇5だ。どっちでもいいと言いたいが、闇は特殊だから水の方が後々いいだろう。」
「はい。」
「じゃあ今から、さっき言った魔力流すから昨日のようにやってみろ。」
そのあと昨日のように、ゴホウ先生に魔力を流してもらった。これは最初の魔力操作とは違った難しさだ。魔力操作は何をどうすればいいかわからないため難しかったが、これは何をどうすればいいかはわかるが、何度も間違ってしまう難しさだ。
「そうだろ。やることはわかってるのに身体思い通りに動かないだろ。懐かしいな。」
そのあとも何度か流してもらったが、使い分けができることはなかった。
「これは昨日のより時間がかかるからな。これからこれができるまではすすまんから、励むことだな。」
そのあとリンナちゃんと一緒にトレーニングをやった。リンナちゃんはまだ一回が限界のようだ。
翌日
今日も同じことをひたすらやった。なんとなく掴めそうな気がしたが、今日はそこで終わりとなった。
そしてトレーニングはリンナちゃんが二回目に行ったが途中で身体が動かなくなり、休憩となった。
翌日
今日でやっと、使い分けることができた。だが、俺には次の風の方を使い分けることが必要だ。
トレーニングでは、ゴレンが来ていた。
「なんでお前がいんだよ。」
「悪いかよ。俺もやりたくなったんだ。」
そこから三人でやったが、ゴレンは一回目の途中でダウンし、リンナちゃんは昨日よりちょっと進んだくらいで休憩をした。
「なんでお前、ハァこんなことが、ハァ出来るんだよ。」
「毎日やってるからな。そりゃできるようになるさ。」
翌日
今日で風の方もできるようになった。最初よりは簡単だったが、少ないもの扱うのは難しかった。そして俺は一つゴホウ先生に聞きたいことがあったので聞いてみた。
「すいません。」
「ん?なんだ。」
「ゴホウ先生は、何属性使えるんですか?」
「ゴホウ先生?」
あれ、まだ本人の前では言ってなかったっけか。
「はい。俺が勝手にそう呼んでいるんですけど、駄目だったでしょうか?」
「いや良い。別にそれで。」
俺はこの時見逃さなかった。ゴホウ先生の口元が少し緩んでいることに。
「ああで、何属性使えるかだったが、全部だ。」
「それってとても珍しいことですよね。」
「一応な。」
「ゴホウ先生すごいですね!」
「あ、ああ。」
俺が畳み掛けるごとに少しずつゴホウ先生の口元は上がっていったのだった。