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ツンして10秒でデレちゃう幼なじみのくーちゃん

読了時間5分以下。ゆっくりしていってね。


朝の部屋──


目を覚ますと、幼なじみのくーちゃんがベッドの脇にたっている。

いつもどおりの朝だ。


「あ……おはよう」

「まったく、毎日毎日朝寝坊して! 遅れるわよ!」


ぷんすかと頬を膨らませるくーちゃんに、布団が引き剥がされる。


「さっさと朝ご飯食べなさい!」


と怒られつつ、食卓にならんでいるご飯をたべる。

米、味噌汁、卵焼きにあじのひらきにポテトサラダと、朝にしては豪勢なご飯が振る舞われた。


「いつも俺のためにメシつくりにきてもらって悪いね」


と、くーちゃんに言った。


「べ、別にあんたのために作ってるわけじゃないんだからね! おじ様とおば様にお願いされてるから作ってるだけなんだからね!」


とツンが発動された。


「はい、はい」


と言いながら、俺はくーちゃんを抱きしめた。


「か、勘違いしないでよね!」


と言いながらも、くーちゃんがぎゅっと俺を抱きしめ返した。


「ねぇ、くーちゃん……」


「なによ?」


「……俺のこと、好き?」


「バ、バカ! あんたのことなんか好きじゃないんだからね! 幼なじみだから朝のハグをしてあげてるだけなんだから!」


と言いながらさらに俺を強く抱きしめてくる。


「う〜ん、そうなのかぁ……」


しばらく抱き合った後、二人で家を出た。


◇ ◆ ◇


通学路──


「ねぇ、くーちゃん、俺たち高校生なんだからさ、もう手を繋がなくていいんじゃ?」


「うん?」


「ほら、子どものときからずっとこのスタイルで登校してけど、さすがにこの年になれば、迷子になったり、さらわれたり、道に飛び出して事故にあったりすることもないよね?」


「……そう言われれば、そうね」


なんで今まで気がつかなかったんだろう……。


「だからさ、手を繋ぐ必要性はないんじゃない?」


「う〜ん、でも、手を繋がない必要性もないんじゃない?」


「……」


「……」


「あのさ……」


「なに?」


「くーちゃん、俺の事、好き?」


「バ、バカ! あんたのことなんか好きじゃないんだからね! 幼なじみだから手を繋いで歩いてるだけなんだから!」


ツンが発動した。


「そうなの?」


「そうなの! まったく、勘違いしないでよね!」


と言って、くーちゃんは手だけでなく腕も絡ませてきた。


「ふ〜ん……」


くーちゃんの色んな部分が俺に当たったまま通学することになった。


◇ ◆ ◇


学校の昼休み──


「はい、あんたの弁当」


「ん、ありがと」


学校の友人は、この時間になるとなぜか俺たちから離れていく。


「はい、あ〜ん」


「あ〜ん」


「どう、おいしい?」


「うん……おいしい……けどさ」


「けど?」


「二人とも同じ弁当なんだから、お互いに食べさせる意味ってある?」


「なによ? 私に食べさせられるのが嫌なの?」


くーちゃんがムッとした表情になった。


「いや、嫌じゃないよ。ただ聞いただけだけ。はい、あ〜ん」


そう言って、俺はくーちゃんの前におかずを差し出した。


「あ〜ん」


それを食べると、くーちゃんはニコニコと機嫌をよくしていた。


「ねぇ、俺たちって付き合ってるのかな?」


「バ、バカ! 勘違いしないでよね! あんたとあたしはタダの幼なじみなんだから」


ツンが発動した。


「そうなんだ……」


「そうなの!」


「ふぅん……でも、幼なじみって良いね。ずっと一緒にいられるといいね」


と言うと、


「そ、そうよ、あんたと私はずっと一緒にいるんだから」


とデレデレしていた。


◇ ◆ ◇


学校の帰り道──


「キャアッ」


前を歩く女の人のスカートが風でめくれてパンツが見えてしまった。

いわゆる一つのラッキースケベというやつだ。


「あ、鼻の下伸ばしてる! このヘンタイ!」


と罵られた。


「違うよ、不可抗力だよ」


「えっち、バカ、スケベ、ヘンタイ、ヘンタイ! そんなに女のパンツがみたいのか!?」


くーちゃんがツンツンとしてきた。


「そ、そんなことないよ。かわいい女の子のだけだし……それに女の子のパンツなら、くーちゃんのをよく見てるし……」


長く一緒にいると、色々と事故(?)は起きるものだ。


「っ──。恥ずかしいこと言わないでよね! ヘンタイ!」


「ごめん……」


俺がシュンとしていると、


「……ねぇ、また私のパンツ見たい?」


と上目遣いで聞いてきた。


「うん」


と答えると、


「仕方ないわね。幼なじみだもの。今度、見せてあげる」


デレデレになってくれた。


◇ ◆ ◇


夜の自宅──


「くーちゃん、俺もう寝るよ」


「ふわ〜、もうそんな時間?」


自分の部屋に入って電気を暗くする。ベッドに入ってしばらくすると眠くなってきた。

あと少しで完全に寝入りそうだなというときに、ガチャ──とドアが開いた音が聞こえる。

パジャマ姿のくーちゃんだ。


「ねぇ、もう寝ちゃったの?」


「……いや、まだだけど」


「おやすみのキスがまだなんだけど!」


あぁ忘れてた。

くーちゃんが、ベッドで寝ている俺の上からキスをしてくる。


「まったく……ちゅっ」


とても柔らかくて小さな唇だ。


「これでよし。私たち幼なじみなんだから」


と言いながら、僕のベッドに入ってきて隣に寝始めた。

俺はささやき声で尋ねる。


「ねぇ、くーちゃん、俺の事好き?」


「もう……勘違い……しないでよね……あんたの事……なんか……好きじゃないん……だから……」


ツンツンしながらも眠いようだ。

しばらく寝顔をみていると、横にいたくーちゃんが俺の胸に抱きつくような姿勢になる。


「……好き……しゅき……だぁい……好き」


「俺も、好きだよ」


と言って、もう一度キスをした。


こんなヘンタイの文章をお読み頂きありがとうございました。

ご評価など頂けると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] くーちゃんかわいい [一言] ポイント評価なんてしないんだからね!(☆5ポチー)
[良い点] 『ツンデレ』は『デレ』の部分が対象にちゃんと伝わってるから可愛いのです。 対象に『ツン』しか見えない様なのは、周りからどう見えていようが単に失礼なだけの人間です。 何が言いたいかと言うと、…
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