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Seeker -現代最後の探偵?が神々の記憶を探します。  作者: びっくつりー
第2章 探偵は異世界にいる編
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第10話 スキル検証 (前半)

3人にこれまでのことを説明した翌日。彼らは昨日のメアリーの言葉通り訓練をすべく、城の裏にある森の中にいた。



「今から最上様達にはは、昨日授かったスキルを試すことを兼ねてこの森に生息するベビーウルフと戦って頂きます。」


ピシッと背筋を伸ばしながら、大達に説明するのは、美しいブロンドの髪を肩上で揃えたアーシェという女騎士である。


「わかりました。でもスキルってどうやって使えばいいのですか?スキル名を叫べばいいんですか?」


俺はすでにフィリアに聞き、教わってるため知っているのだが、さくら・萌絵を気遣い尋ねた。


「最上様、スキルの名前を叫ぶ必要はございません。頭のなかでイメージするだけで結構です。まず、私が見本を見せます。」


彼女が笛らしきものを咥え、息を吹きかけた。すると目の前に二匹の柴犬くらいの大きさの狼が現れた。


「行きます!」


彼女はそう言うと、腰に下げた鞘から剣を抜いて二匹の狼に向かい突っ込んでいく。


(ザシュ!)


彼女が剣を振るうと、右側の狼が鮮血を散らし倒れる。そのあとすぐさまもう一匹の狼にも剣を振るう。

その剣筋は洗礼されており、日本で剣道を修めていた俺はその美しい剣筋とふわりと舞うブロンドの髪に目を引かれた。


「このような感じになります。今私が使ったスキルは、剣術(極)です。スキルをイメージすると、頭のなかで色々な選択肢が出てくるのでさらにそれをイメージすると体が勝手に動きます。そして元々剣の腕に長けている方がその選択肢も多くなります。」


「なるほど、スキルを持つだけでなく普段の鍛錬も大切と言うことね。」


アーシェの説明を聞き、さくらがまとめる。流石教師といったところである。


「でもやっぱり私はまだ、魔物とはいえ生き物の命を奪うことに抵抗があるな」


実は萌絵は、アーシェがベビーウルフを切ったときに辛そうな表情を浮かべていた。

大はそれに気づいていた。


「萌絵、これは仕方のないことなんだ。魔物達はこの国の人々を苦しめている。萌絵が魔物を見逃したせいで人が傷ついたら嫌だろ?」


萌絵の手を取り、彼女を落ち着かせる。


「うん。わかったよ。頑張る!」


「でもそんな萌絵の優しいところ好きだよ。一緒に頑張ろう。」


「はぅ//」


彼女は頬を染めながらも、その繋がれた手をぎゅっと握って、大を見つめる。


「「こほん!」」


「そろそろスキルの実践をしましょう!」


さくらとメアリーの咳払いを合図にアーシェが言う。


「わかった。」


「むーー」


俺はパッと手を離すと萌絵は何故か唸る。


「はい、いつまでも拗ねないの冴木さん。まず誰から試す?」


「私から!」


怒った顔をしながら、食い気味に萌絵は言う。


「では魔物を呼びます。」


アーシェが再び笛を鳴らすと今度は一匹のベビーウルフが出てきた。


「はーー」


萌絵は叫びながら狼に向かっていき、さっきの落ち込みが嘘のように斬りつけ、あっさりと倒す。しかしその剣筋は先ほどのアーシェには遠く及ばない。


「はー、スッキリしたー!」


「萌絵、今の剣姫だろ?もう敵はいないけどその場で他のスキルも試してみよう。」


「うん。まず身体強化をやってみるね。」


しばらく待つと彼女の体が青白く光る。


「軽!体が軽いー!」


彼女はぴょんぴょんと跳ねたり走り回ったりしている。


「冴木さん、次は私の番なの。早く他のスキルも試してみなさい。」


「はーい!」


その後萌絵は集中、闘気収縮を試した。集中は気を落ち着かせることで次に行う動作が、より高いレベルで行われると言うものであった。闘気収縮は感情の高ぶりを抑えて、それを力にするというものであった。

一見この2つは大したことのないスキルに見えるのだが、この2つが揃っていることに意味があった。集中とは、自身で感情を抑える必要があるため、混乱してたり興奮しているとうまくいかない。しかし、闘気収縮があると感情の高ぶりを抑えることができるので常に集中が発動して、より強力なものとなる。


萌絵のスキルの効果は大によってこのように考察された。

そんな中まだ萌絵はぴょんぴょんとあたりを跳ね回る。

が、彼女の一声で跳ねるのをやめる。


「次は私が試してみるわ。」


次はさくらの番である。


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