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少年憧憬

作者: 古谷俊樹

少年憧憬


昔から憧れていた。

誰かを格好よく救い出すヒーロー。

困っている人がいたら声をかけられる大人。

迷子がいたら手を繋いであげられる人。

昔から憧れていた。


僕がまだ小学生だった時、将来の夢は仮面ライダーになる事だった。

中学生になった時は、震災のニュースをみて、仮面ライダーから自衛隊になりたいと思った。

高校生になって、無難に就職できればいいと思った。

社会人になって、子供に戻りたくなった。

あの頃、夢を見るのが楽しくて仕方なかった。空想の中で僕は少年漫画さながらのヒーローだった。巨悪を倒し、弱きを助ける英雄だった。

でも、子供の頃、夢に見ていた景色とは随分違った場所にいて、全く違う事をしているけど、たぶん、心のどこかでこうなれたらいいなと思っていたものにはなれている。

僕は、家庭を持ったのだ。僕のお父さんは決して体格は大きくなくて、ちょっと頼りなくて、なよなよしたお父さんだけど、優しくてお出かけする時はいつも手を繋いで歩いてくれるお父さんだった。

僕も、そうなれればいいなと子供の頃思っていたかもしれない。

今はまだ離乳食をもちゃもちゃと舌で転がしている息子だけど、いつか休みの日には公園でキャッチボールしたり、お母さんには内緒で一緒にスーパーへお菓子を買いに行ったりしてあげられる、父親になりたい。


たぶん、少年が一番に憧れる存在は父親だと思うから。僕も僕が憧れたように、息子に同じ憧憬(どうけい)の火が灯るように。



少年憧憬

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