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鏡ちゃんの1日 に

いつも通りの通学路を今日は恵美達と一緒に歩いている。それだけでどこか楽しく感じる。


毎日一緒に行っても良いんだけど、この子達に合わせると朝早いのがネックなのよね、、


恵美達は凛を学校まで見送ってから高校に向かっているので、必然的に早めの出発となる。


朝はギリギリまで寝ていたい鏡にとってはこれが何よりキツい。なので最終的には3日に1回程度の頻度に落ち着いた。


「でねー!前も言ったかもなんだけどねー」


ここ数日は旅行がよほど楽しかったのか、その話題ばかりになっている。旅行の思い出を語る恵美はすごく嬉しそうで見ていてすごくほっこりする。可愛い(確信)。


「写真もいっぱい撮ったよ!」


「いいわね!見てもいいかしら?」


「もちろんだよ!」



京都旅行と書かれたフォルダには100枚以上の写真が保存されていて、どの写真を見ても楽しそうに笑っている。


家族旅行だけあって全員での写真がすごく多いわね。後は、優斗や凜の寝顔、両親のツーショットとかが主ね。


撮影者が恵美なので、全員写真以外での写りが少ないのが少し残念。


「やっぱりあんたの所は家族みんな仲良いわね。」


「だって家族だもん!そりゃあ仲良しだよ!」


「そうやって胸を張って言えるのは凄いことよ」


実際にそう思っていても、口に出来る子供がどれだけいることか。そもそも年頃の子供と両親の距離感がここまで近い事自体珍しいと思う。


「優香さん達は幸せでしょうね。こんないい子ばかりなんだから」


よしよしと梳くように恵美と凜の髪を撫でてやる。


「も〜くすぐったいよ〜!」

「〜〜♪」


口ではそう言いながらも気持ちを良さそうに身をよじる恵美と素直に身を委ねる凜。その姿は構って貰えて嬉しい飼い犬のようでとても愛らしい。


「・・・」


2人を愛でている最中、ふと視線を感じたので視線を上げると優斗と目がバッチリあった。


「何〜優斗も頭撫でて欲しいのかしら?」


「いや!そういうつもりで見てた訳じゃないですって!ただ楽しそうだなと」


慌てながら否定されるとむしろやりたくなるのはなんでだろう?そんな事を思いながら頭に手を伸ばしてわしゃわしゃと撫で回す。


「あんたもたまには誰かに甘えなさいよ!」


「わーもう!髪ぐしゃぐしゃじゃないですか!」


「顔がいいから大丈夫よ。気にしない」


「僕は気にしますよ!」


この子はちょっと甘え下手な所があるから気になるのよね。まぁ、恵美も分かってるだろうから大丈夫だろうけど。


凛を見送ってから私達も学校に到着。

一限の準備をして、始業のチャイムまでぼんやりとケータイを弄りながら時間を潰す。


今日の1時間目は数学で、私の一番苦手な科目だ。 勉強自体はそれほど苦手ではないつもりだけど、やはり苦手科目になると少し気が滅入る。


「このXを〜」


XとかYとか、なんで数学にアルファベットが出てくるんだろうとぼんやりとした頭で考えていると、隣の席の子から綺麗に折りたたんだメモが回ってきた。


『こらっ!苦手科目の時にぼんやりしちゃダメだよ!』


ご丁寧にメッとお怒りのイラスト付きで送られてきたメモにくすりと笑みがこぼれる。送り主に目を向けると口パクで「頑張って!」と言っていた。


「じゃあこの問題を〜芦屋。解いてみろ」


「ふぁい!?」


当てられと思ってなかったので、思わず素っ頓狂な声が出てしまった。


くっ!恥ずかしい///

クラスにはクスクス笑われてるし、恵美は何だから満面の笑みでこっちみてるし。


「ほら、変な声出してないでこの問題分かるか?」


「え、えーと、、、」


ヤバいヤバい!

問題が解ける解けない以前にどこをやってるかすら追ってなかった。それに加えて苦手科目。当然解けるわけが無い。


ほとほと困り果てて、ふと恵美の方に目をやると、、


『-√3分の1だよ!!』


ノートに大きな文字で答えを書き、ふんすっと胸を張っていた。


「-√3分の1です」


「はい正解。・・・・・・と言いたいところだけど日野〜答え教えたらダメだからなー!」


「うぐっ、、はい」


「芦屋もしっかり集中するように。分からないなら日野に聞きなさい」


「そこは先生にじゃないんですね」


「仲いい子が成績いいんだから、それの方が芦屋もやりやすいだろ。決して俺が楽したい訳じゃないぞー」


わははと笑う先生を半眼で見つめる私達。

この先生いい人なんだけど、どこか脱力してるので本音な気がしてならない。


キーンコーンカーンコーン。

そんな事を話しているとチャイムがなり、授業の終わりを告げた。


「今日はここまで。皆復習しとくんだぞー」


「ふぅー」


やっと終わった、、

やっぱり苦手な授業ほど長く感じるわね。


「にゃははー怒られちゃったね!」


「ごめんなさいね。私のせいで怒られちゃって」


「いいよいいよ!鏡ちゃんと一緒なら怒られても気になんないから」


「気にしないで」と言う恵美の顔には一切の迷いや気を使ってる様子は見受けられない。


相変わらず優しいけど、この子は周りの影響を受けて染まりそうだから、将来が少し心配。


「いつも迷惑かけて済まないねぇ」


「鏡さんや。それは言わない約束でしょ」


「「ぷっ!あはは!!」」


ま、その時は隣で見守って助けてあげるとしましょうか。なにより今は、このバカな事を言って笑う毎日を大切にしないとね。





「でも、数学はしっかり勉強しないとダメだよ?今日放課後やるから空けといてね♡」


「・・・・・・はい」


それよりも目の前の課題を何とかしよう。

恵美勉強サボるとすっごくおこるから。気をつけよ。


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