表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/39

ねだるな、勝ち取れ!

更新遅れてすみません。オムレツです!


これで文化祭も終わりです。


では、どうぞ!

ーーー体育館ーーー


審査項目にダンスがあることを知り、鏡と優斗が心配している中、恵美はと言うと、、、


「(あばばばば、ダンス!?ダンスなんてしなくちゃいけないの!?そんなの聞いてないよ!うぅ、こんな事なら景品に釣られて参加なんてするんじゃなかったよ、、、)」


絶賛後悔中であった。


何を隠そう、この日野恵美。運動においては天才的なほどにだめだめなのである。


ここ最近は、優斗の訓練の甲斐あって少しだけ向上の傾向は見られるが、それでもようやく下の下に食い込む程度であった。


「(私がダンスなんて踊ったら皆の笑いものになるだけだよね、、、。よし!逃げよう!)」


清々しいほどの逃避決定力の高さであった。


くるりと振り返り、逃げだそうとしたが、その行き先はとある2人組によって阻まれてしまった。


「やっぱり逃げだすつもりでしたね」


「まぁ、予想の範疇ではあるわね」


そう、鏡と優斗である。


「に、逃げる!?な、なんのことかな?私はお手洗いに行こうと思っただけダヨ?」


「ほんと分かりやすいわね。もうエントリーしたんだから、諦めなさい」


「うん。紹介した後に抜けるのは、流石にダメだよめぐ姉」


実際ここに来て、一番注目を浴びている恵美が抜けるとなると、盛り上がりに欠けるどころではないだろう。


「うぅ、、、」


「大丈夫だよめぐ姉」


「えぇ、そうよ」


「「骨はちゃんと拾ってあげるから」」


「うわぁぁん!!やっぱり失敗する前提なんだぁ〜!!」


曇り無き笑顔で言い切られ、ついに泣き出してしまった恵美。


「まずは料理の審査に入りますので、参加者の人は壇上に上がってきてください!」


「ほら、呼ばれてるわよ。頑張ってきなさい!料理ならあなたの独壇場でしょう?」


「毎日食べてる僕が保証するよ!きっと大丈夫!」


「う、うん。頑張ってぐる、、」


そう言って半べそで壇上に上がっていく恵美。

恵美が壇上に戻るのを見て、2人は観客席に戻っていった。


「さて、今回皆さんに作ってもらう料理は、、、味噌汁です!!シンプル且つ定番のこの料理で勝負していただきます!食材の方は幅広く用意さしていただきましたので、ご自由にお使いください!」


MCが言ったように、食材コーナーには肉、野菜、魚など、どれをとっても豊富な種類用意されていた。


そして、始まった料理審査。


今回の課題料理は味噌汁である。

一見簡単で、やりやすい課題に見えるが、実際にはそうではなかった。


単純だからこそ差別化が出来ない。

だからこそ、参加者がとった行動はある意味必然だったのかもしれない。


並べられた10品の味噌汁。

それらは普段食卓に出るものとは違い、彩りや特別さを意識した料理となった。


「現在のトップは80点の美原 薫さんです!さぁ、次の味噌汁は、、、これは!今までの味噌汁とは違い、シンプルな豆腐とわかめの味噌汁です!」


現在の点数は70 72 60 75 80 66である。


ようやく回ってきた恵美の審査の時。

恵美が作ったのは参加者の中で唯一のシンプルな味噌汁であった。


その味噌汁を見て勝機を感じた参加者たち。


だが、それはすぐさま覆されることとなった。


「こ、これは!?、、、うまい。明らかに一朝一夕で培ったものではないな」


「それにすごく優しい味ですね〜」


「あぁ、まるで作り手の気持ちが伝わってくるようだ」


恵美の味噌汁を口にした瞬間、目を見開く審査員達。


「こ、これは今までで一番の大絶賛です!さぁ点数の発表お願いします!」


5人審査員が出した点数は20 20 20 20 20の文句なしの満点100点だった。


その後も恵美が叩き出した満点に並ぶものは現れず、ダントツの1位で料理審査を通過した。



料理審査が終了し、現在はダンス審査に入っている。


ダンスの課題曲は共通であり、純粋にダンスの上手さで優劣がつく形になっていた。


「やっぱり料理ではぶっちぎりだったわね」


「えぇ、当然と言えば当然です。めぐ姉の料理が負けるはずがありません」


「はいはい、ごちそうさま」


文化祭の雰囲気に当てられ、いつもよりシスコンぶりに拍車がかかっている様子の優斗を流しつつ、壇上に目を向けると丁度恵美の番が回ってきていた。


「さぁ、日野恵美さんお願いします!」


ミュージックがかかり、ダンスが始まる。

それからの展開は優斗と鏡が予想していたものとなった。


転ぶのはもちろん。くるくると回れば目を回し、結局そのまま転ける。


もはや途中から半泣きなのが丸わかりだった。


それはそれで、観客を萌えさしてくれたが、あくまでダンスの審査なので、結果は安定のビリだった。


そして、始まった最終審査ランウェイのウォーキング。


衣装に関しては、演劇部から貸し出しの衣装であれば何でもOKであり、その数も豊富に取りそろえられていた。


「きょ、鏡ちゃん、どうしよう?いっぱいありすぎてどれを選べばいいのか分からないよ」


「大丈夫よ。その為に私が来たんだから、任せなさい!もっと綺麗にして上げるから。ほら、おいで」


「う、うん」


このウォーキングに限り協力者が1人だけ許される。恵美が選んだのはもちろん鏡であった。


鏡は特に迷うことなく衣装とそれに合うアイテムを選び、すぐさま恵美に化粧を施すべく準備を始めた。


「うわぁ、あんたって本当に化粧乗り良いわね」


「えへへ〜これでもちゃんと手入れしてますから!」


家事を除くと、何かと女子力の低い恵美だが、肌や髪の手入れ、自身の体のメンテナンスには特に力を入れている。


「ふふっ!あんたもなんだかんだでちゃんと女の子してるのね!」


「あぁ〜笑った!それに、ゆうちゃんと凛ちゃんのお姉ちゃんとしていつ見られても恥ずかしくないように身なりを整えるのはお姉ちゃんとして義務だもん」


「はいはい。いつもの奴ね」


いつものシスコン、ブラコン病が発症したと見るや、鏡は聞き流し体制に入り、手を早めた。


こうして、化粧をすること約15分。


「これでよしっと。さっ完成よ!元が良いから露骨にするんじゃなくて、ナチュラルメイクにしたわよ。ほらっ、今のあなたすごく綺麗よ。お姉ちゃんとしてじゃなくて、1人の女性として」


「そ、そうかな?」


鏡にしては珍しく素直な賛辞に顔を少し赤くする恵美。


「なに?照れてるの?ふふふっ!」


「うぅ、、、鏡ちゃんが意地悪っ子だぁ」


「はいはい。ごめんなさいね。ほらっそろそろ時間よ」


「う、うん。行ってくる!」


こうして、最終審査が開始した。


ーーーside優斗ーーー


ついに始まった最終審査のウォーキング。


皆、華やかな衣装に身を包み、照明と音楽に合わせランウェイを歩く。その姿は普段あまり関心を示さない優斗であっても心を惹かれる物であった。


「(すごいきれいな人多いなぁ、、、めぐ姉はこの次かな?)」


そして回ってきた恵美の順番。


皆が期待する中、出てきたのはーー自身が良く知る姉の姿ではなく、1人の”女性”としての日野恵美であった。


恵美は黒のレースワンピースドレスを身に纏い、腰には同じく黒のリボンでキュッと絞っており、スタイルの良さをより際立たせていた。


さらに、腕と肩の部分がレースになっているのが女性としての色気を醸し出している。


「、、、、、、綺麗だ。すごく」


もはや恵美の姿を表現できるだけの語彙力など残ってはいなく、ただただ目の前のランウェイを歩く女性に見惹れ、感嘆の声を漏らすことしかできなかった。


そして、ランウェイも折り返し地点。

めぐ姉はこちらを向き、僕を見つけたのか笑顔で手を振りながら、片目を閉じウインクをした。


その瞬間僕の周りの人たちの黄色い歓声がこだました。


「きゃあぁ!!今こっち見てウインクした!!」


「今絶対目があった!あれは俺に向けての気持ちに違いない!」


「そんな訳ないでしょ!あれは私によ!」


そんな不毛な争いを優斗は呆然とした気持ちで聞いていた。


純粋に恵美がこんな皆が見ている中であんな事が出来ることにも驚いたが、それ以上に心臓がうるさくて、周りのことなど気にもならなかった。


「もう、、、ずるいなぁ」


いつもは子供っぽくて可愛いのに、ふと見せる女性らしさが優斗の心をいつもかき乱す。


それでも、ついつい甘やかせてしまう優斗も重傷なのだろう。


そうして迎えた最終発表。

結果は最早聞くまでもなく、満場一致のぶっちぎり一位。


皆に祝福される中、「いっちばーん!」と指をビシッと指しながら喜んでいる恵美を見て、クスッと笑みをこぼした。


「ははっ!興奮するとすぐ大切なこと忘れちゃうんだから」


(「この後思い出して、落ち込むんだろうなぁ」)


止まぬ歓声の中、優斗は1人そんなことを考えながら眺めていた。

読んで頂きありがとうございます!


では、次話もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ