過保護は愛情の表れなんです!
こんにちは?こんばんは?
それはともかく、どうもオムレツです。
一話では思ったよりいっぱいブックマークしてくれてびっくりです!
ありがとうございます!
ではでは、2話をどぞ
------------日野家----------
「ゆうちゃん、きちんと時間割用意した?忘れ物ない?あとこれお弁当だよ!栄養が付きそうな物入れといたから、頑張ってね!」
私はゆうちゃんに忘れ物がないかどうか聞きながらお弁当を渡しました。
ゆうちゃんのは私や凛ちゃんとはちょっとだけ内容が違うんです。
食べる量が違うのはもちろんありますが、ゆうちゃんはバスケットボール部なので高たんぱくな物を入れたり、栄養バランスを考えて入れてるんです。
えっ?私や凛ちゃんのはどうかって?
私も栄養を考えて野菜とかも入れようとするんですが、凛ちゃんは大の野菜嫌いなんです!
この前もこっそりハンバーグにピーマンを入れたら泣きそうな顔になりながら食べてくれました。
うぅ、私としては凛ちゃんのそんな顔見たくないのでついつい凛ちゃんの好きなものばかり入れちゃうんですよね。
それでこの前ゆうちゃんに「甘やかしすぎ」って怒られちゃいました。ぐすん。だって仕方ないじゃないですか!
凛ちゃん泣きそうになりながら必死に食べてくれるんですよ!私の為に食べてくれてるかと思うと、いじらしくてきゅんきゅんしました。はい。
なので私は凛ちゃんが野菜を好きになってくれる方法を日夜研究中です。
「もう、僕も高校生なんだから大丈夫だよ。あと、いつもお弁当ありがと」
ゆうちゃんは困った顔をしつつもお礼を言ってくれます。毎日のことでもお礼を言われるのは嬉しいものです。
「どういたしまして!凛ちゃんも準備できてる?
日焼け止め塗った?そろそろいくよー?」
「うん!できてるよ!ちゃんと昨日のうちに準備しといたんだよ!えらいでしょ?」
凛ちゃんがどうだといわんばかりの様子で胸を張って仁王立ち。今日も凛ちゃんの天使具合は天元突破してます。
「えらいよ~凛ちゃん!さすが私の自慢の妹だよ!」
私は凛ちゃんの頭をなでなでしながら愛でます。
大げさだって?いいんです。うちは褒めて伸ばすタイプなんです。余所は余所です。
「2人ともまだー?早くいかないと遅れちゃうよ?」
「ごめーん!今いくーさていこっか!凛ちゃん」
「うん!」
私は凛ちゃんの左手をとり出発です!
凛ちゃんと手をつないで、中学まで送ってから高校に行くのが私の朝のお決まりなんです。
「そう言えばめぐ姉に言うの忘れてたけど、今週の週末部活で泊まり込みで練習だから御飯は僕の分は作らなくていいよ」
その時私に電流が走る
「泊まり込み!?聞いてないよ!そんな事!何泊するの?」
「えぇ何でそんなに大袈裟なのさ。土日だけだよ。そんなに長くないでしょ?」
「2日間も離れ離れなんて、、泊まり込みなんて考えたの誰なのかな?かな?」
私はゆうちゃんの部活動は積極的に応援してるんですよ。
だって部活は青春の重要な1ページですから。だったらいいじゃないかって?それとこれとは話が別です。
2日もゆうちゃんエネルギーが補給出来ないなんて、許されざる事なんです!
「ちょっとめぐ姉!?怖いよ!?凛からもなんか言ってあげてよ」
「私もお兄ちゃんに2日間会えないのは寂しいよ」
「凛も!?もうっ、2人とも気持ちは嬉しいけど、いつまでも一緒にいられるわけじゃないんだから弟離れ、兄離れしないとダメだよ?特にめぐ姉はもう高校生なんだから」
怒られちゃいました。確かに私はもう高校2年生の17歳、一般的に見れば大人の仲間入り一歩手前の年齢なので、ゆうちゃんの言ってることは一理あります。
いつまでもベッタリというわけには行かないかもしれないです。私と凛は思ってる事が一緒なのか顔を見合わせて頷きます。
それを見て納得してくれたのかと思い、ゆうちゃんも安堵の息をついています。
「「だが、断る!!」」
断固として拒否です!拒否!
ゆうちゃんや凛ちゃんと離れるなんて絶対に無理です。絶対です!大事なことなので二回言いました!
「ゆうちゃん!そんな事無理だよ!
ゆうちゃんと凛ちゃんは私にとって酸素なの!太陽なんだよ!不可欠なの!それを取るなんて死ねって言ってるのと同じことだよ!ゆうちゃんそんな酷いこと言うの?言わないよね?」
「そうだよ!わたしもずっとお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいたいもん!」
「むぐぐ、ちょっと大袈裟じゃないかな?」
ゆうちゃんは唸りながらも最後の反撃にでますが、こればかりは譲れないのです。
「「ダメ?」」
上目遣い+涙目×2。
凛ちゃんと私の究極奥義です!
効果:相手は折れる(願望)
「はぁ、わかったよ。でも2人とも程ほどにね」
えへへ、やったね!
仕方ないなと言った様子でゆうちゃんは許してくれます。
何だかんだでゆうちゃんは優しいのでいつも折れてくれるのです。
「「やったー!!」」
私は凛ちゃんとハイタッチをしながら喜びを分かち合いました。
「ほら、2人とも。もう中学についたよ。ほんとに、めぐ姉は時々子供っぽくなるね」
「まぁそこが可愛いんだけど」と優斗がボソッと呟いたが恵美の耳には届かず、こてっと首をかしげた。
「うーん、そうかな~?」
「本人には分かんないもんだよ。ほら、急がないと僕達遅刻しちゃうよ」
うーむ、私子供っぽいのでしょうか?
「じゃあ、お姉ちゃん、お兄ちゃん行ってくるね!」
はっ!考え事しているうちに凛ちゃんが行ってしまう。
私は凛ちゃんと高さを合わせるために少ししゃがみ、凛ちゃんの綺麗な前髪をあげておでこにちゅっとキスをしました。
小さい頃から忙しく家を空け気味だった今の両親が出かける前にいつもやってくれた日野家の挨拶。これをされるたびにふわふわした気持ちになって愛されてるって実感できるんです。
そうやって挨拶をすると、ちょっと擽ったそうに微笑みながら私にもお返ししてくれるんです。あぁ幸せです~。
きっと今、私はだらしない顔でにやにやしてることでしょう。
でもいいんです。この幸せはいつまでも色あせることがないんです。凛ちゃんはゆうちゃんにもすると元気に学校へ向かっていきました。
「さて、じゃあ私たちも行こっか」
「そうだね」
凛ちゃんの学校を出て、他愛ない話をしているうちに私たちも高校に到着しました。
私たちが住んでいる周辺の唯一の公立校で、賢すぎずあほ過ぎずの学校です。
「いつも思うけどめぐ姉ならもっといい高校行けたんじゃないの?」
「いいのいいの、ゆうちゃんと同じ高校行きたかったし。それにそこまで勉強をしたいわけでもないしね」
曲がりなりにも2回目の人生なので知識面ではほかの子よりもちょっと有利なので、頭が良いといわれてもちょっと複雑な気分なんですよね。
まぁそれでも年長者としてゆうちゃんと凛ちゃんに勉強を教えられるようにしっかり勉強はしてるんですよ?お裁縫や料理はもちろんです。
「そうなんだ、じゃあ将来は料理人にでもなるの?めぐ姉の料理いつも美味しいし」
「うん?そういう訳じゃないかな?だってゆうちゃんいつも部活がんばってるから、ちゃんとしたもの作ってあげたいの。だから頑張ってるだけだもん。それにプロになれる程、本格的な物じゃないしね。だから、私が男の子にご飯をつくるのはゆうちゃんだけだよ?なんてねちょっと大げさかな?」
私の行動の大半はゆうちゃんか凛ちゃんの為なのでそのあたりはあんまり考えてないんですよね。
「そ、そうなんだ、ふーん。じゃ、じゃあ僕、教室こっちだからもう行くよ」
ゆうちゃんは顔をそむけて早口にまくしたてて行こうとします。こういう時はたいてい照れ隠しなんです。
今にも行ってしまいそうなゆうちゃんを呼び止めて、私は少し背伸びをしておでこにキスをしました。
ちょっと前までは私のほうが背が高かったんですが、時の流れは速いですよね。
「いってらっしゃい!部活がんばってね!」
「っ!?い、いってきます!」
ゆうちゃんは照れながらも私のおでこにキスをして足早に去って行きました。
私はゆうちゃんの後ろ姿をぼんやり見つめながらまだ温かい感触が残っているおでこを撫でました。
拝啓
前世の両親へ
前世では幾度となく貴方達を憎み、何故こんな家に生まれてきたんだといつも思っていました。
ですが、今ではこの幸せのための試練だったのだと思えるほど幸せです。
温かい両親、いつも天使のような笑顔で私を必要としてくれる凛ちゃん、照れながらもいつも私に付き合ってくれるゆうちゃん、私の人生は今幸せに包まれています。
もしかしたら私達にもこんな未来が送れる可能性があったのでしょうか?
こんなIFに意味はないのかもしれないですが、それでも私は何よりも愛してほしかったのです。必要としてほしかった。
私の死後どうなったのかはわかりませんが、幸せに過ごしていたのでしょうか?それとも私の死を悲しんでくれたのでしょうか?
どちらであれ、楽しく過ごしていることを心から願っています。最近そう思うようになりました。変ですよね、憎かったはずなのに。
もしかしたら、私は私が思っているほど貴方達を憎んでいなかったのかもしれないですね。
直接は関係ないかもしれないですが、貴方達のおかげでいまとても幸せです。
ありがとう、、そしてさよなら
もし次の人生があって、私があなたたちの子供なら、ちゃんと愛してね。
お読みいただきありがとうございます
最後が少しシリアスな感じになっちゃいました。
もしよかったら感想などもお待ちしてます。
ではまた次話で
ゴールデンウィーク中にもう一本あげれるようがんばります