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勉強会なんです!

こんにちはオムレツです!


では、どうぞ!

ーーー日野家ーーー


side恵美


期末試験。

それは中間試験より範囲が広く、科目数も多い。しかし、学生にとって避けては通れない関門。おそらく多くの人にとっては嫌な行事であることは間違いない行事である。


ですが私にとっては喜ばしい行事なんです!

勉強が得意だからかって?そういうことではないんです。


何故なら、試験期間中は部活に入ってる人は試験期間中は部活がお休みになりますね?つまりなにが言いたいかというと、ゆうちゃんと過ごせる時間がぐっと増えるんです!


「お勉強〜♪ゆ〜うちゃんと一緒にお勉強〜♪」


今年からゆうちゃんと一緒の高校に通っているので、同じ期間に試験があるんです。という訳で今日はゆうちゃんと一緒にお勉強をすることになりました!やったね!ちなみに、ゆうちゃんは部活のミーティングがあるので私が先に帰って、おやつの準備中です。


そろそろ帰ってくると思うんですけどね〜。そんな事を考えているとタイミング良く家の鍵の開く音が聞こえて来たので、駆け足気味に玄関に向かいました。


「ゆうちゃ〜ん!おかえり〜!お勉強の前におやつにする?先にお勉強する?」


「わぁ!なんか奥さんみたいなお出迎えだね?」


「え、えっと、、めぐ姉、、これはその「ねぇ、ちょっと聞いていいかな。かな?」はい、、なんでしょうか?」




side優斗


僕がどんなにバカでもこれが自分でまいた種だって事は嫌でも分かる。


それでも、なんでこうなってしまったのかと考えてしまう。そもそもこうなってしまった理由は30分ほど前に遡る。


ミーティングが終わり、めぐ姉に勉強を教えてもらう約束があるため僕は少し足早に部室を後にしようした時のことだ。


マネージャーである夢原(ゆめはら) 紗織(さおり)さんが僕に声を掛けてきたのだ。


用件を聞くと、試験前なので一緒に勉強をしないかというお誘いだった。もちろん先約があるので断ったのだが、それでも彼女が食い下がってきたのだ。普段から部活で頑張ってくれているということもあり、結果として断りきれずに家まで連れてきてしまった。


正直言えばこの展開は予想できたと言えば出来たのだが、想像以上だったのは誤算といえるだろう。


だってここまで低く、冷たいめぐ姉の声を聞くのは初めてなのだから。先ほどの楽しそうな声が幻聴だったのかと錯覚してしまう程だ。


「ねえ、、聞いてるのかな?かな?」


めぐ姉がコテンッと首を傾げながら聞いてくる。こんなに可愛らしい仕草なのに恐怖を感じるのはなんでだろう。


「も、もちろん、聞いてるよ」


「じゃあ私の聞きたいこと分かるかな?」


「え、ええと。この子が誰かってことと、今日は一緒に勉強する約束してたのにって事だよね」


僕がそう答えると、正解なのだろうめぐ姉はニコリと微笑んだ。ただめぐ姉を包み込んでいる雰囲気は未だにシベリアのように冷たく、吹雪いている。


「そうだね、覚えていてくれてお姉ちゃん嬉しいです。でもね、ならこの状況は可笑しくないかな?」


「それは、えっとそうなんだけど「あ、あの!」」


僕がどうにかしてめぐ姉をなだめる言葉を言おうとどもっていると、夢原さんが割り込んできた。


「な、なにかな?」


めぐ姉は何故か仮面ライダーのようなポーズを取り、警戒している様子だった。というか、何故BL○CKのまねしてるんだろう?


side夢原


私が無理矢理と言っていいほどにごり押しで日野君の家に来たのには理由がある。


それは日野君の事を知るためだ。

これだけ言うと私が日野君に気があるみたいになってしまうが、そうではない。


もちろん、日野君はすごく優しいし、かっこいいし、その上バスケだってとても上手い。ここだけの話、一度惚れかけたくらいだ。


だが、すぐに分かってしまった。彼の目には自分も含めて誰一人異性として写ってなどいないことに。こうして私の恋は始まる一歩手前で終了してしまったのだ。


そんな終わったことはいいとして、私が来た理由は簡潔に言ってしまえば友達の応援のためだ。


友達が日野君を好きらしいのだが、このまま告白したところでお世辞にも成功するとは思えないのでこうして調査に来たというわけだ。


まぁ正直言ってしまえば、好みを知れれば御の字くらいに思っていたのだが、それは大きく外れてしまった。


何故なら日野君が同じ学年の子にまったくと言っていいほど興味を示さない答えをたった今突きつけられているからだ。


今私の目の前に女神がいる。

私の貧困な語彙力ではそれくらいしか表現が出来ないのが心苦しいが、それくらい綺麗な人だった。髪はまるで芸能人みたいに綺麗で、顔のパーツもすごく整っている。その上、声も可愛いなんてズルいと思ってしまうのは仕方ないと思う。


しばらく見とれていたこともあり、2人の会話に全く参加していなかったのだが、お姉さんはどうやらいきなり2人の勉強会に私が参加したことが不満らしい。


このままではお姉さんは拗ねて日野君と2人で勉強する事になってしまう。本来の目的を果たすためには問題はないのだが、十中八九日野君が誰にも靡かないのはお姉さんがいるからだと思うので、話を聞きたい。友達の為半分、自分の好奇心半分だが。


そう思い勇気を出して私は声を掛けた。


「あ、あの!」


私が急に声を掛けるとお姉さんはビクッと反応し、何故か構えられてしまった。


「な、なにかな?」


「あの、すいませんいきなりお邪魔してしまって!私、夢原(ゆめはら) 紗織(さおり)っていいます!日野君は先に約束があるって断っていたんですけど、私がお願いして来させてもらったんです」


「ご、ご丁寧にどうも。私はゆうち、、じゃなくて日野優斗の姉の恵美です」


「あの、もし恵美先輩が良かったら3人で勉強しませんか?割り込んだ私が言うのもあれなんですけど」


「えっ!う、うん。いいけど、、ゆうちゃんちょっといいかな?」


先ほどの冷たい雰囲気はだいぶん薄れた様子だが、まだどこか納得していないのか日野君を連れて少し奥に入ってすぐに帰ってきた。


どんなやり取りがあったかは分からないが、恵美先輩は一番最初に見たようなやさしい雰囲気だった。


こうしてようやく三人のわだかまりが解消され、勉強会が始まった。


「めぐ姉ここ教えてもらっていい?」


「いいよ!どこどこ?え〜と、、ここはね現在完了だから I've lived in here for 3 years.だね。あと翻訳は{私はここに三年間住んでいます}だよ」


「そっか、現在完了か!ありがとうめぐ姉」


「どういたしまして!」


「恵美先輩ここ教えて頂いていいですか?」


「そんなに畏まらなくていいよ!えっとどれどれ、、ここはね〜」


その後、3人で始まった勉強会は順調に進み、約2時間ほどの時間が経過した。


そして、そろそろ集中力が切れ始める頃に恵美先輩はお菓子休憩を提案した。そして恵美先輩は準備を日野君にお願いし、私と恵美先輩が2人きりになった。


「さて、2人になったよ。何か聞きたい事があるんじゃないかな?」


まるで私の目的を見透かしているかのような質問に心臓が早鐘を打った。


「えっ!?どうしてそう思ったんですか?」


「最初はゆうちゃんに気があるのかなって思ったんだけど、そうじゃないみたいだから。なにか聞きたいことが私かゆうちゃんにあるんじゃないかなって思ったの」


「えっと、、はい。一つだけ聞いていいですか?」


出会って日野君とのやり取りを見ていて純粋に気になっていた疑問。


「恵美先輩は日野君のことをどう思っていますか?正直2人のやり取りを見ていると、仲のいい姉弟ってよりはまるで恋人のような距離感に見えるんです」


「もちろん好きだよ!大好き!心からそう思ってるよ」


一片の迷いもなくはっきりと言いきる恵美先輩。


「それは姉としてですか?それとも一人の女性としてですか?」


「今は姉としてってのが強いかな?でもそれだけじゃないよ」


「それは女性としても好きって事ですか?」


「うん、そうだね」


「じゃあ、もし日野君が誰か違う子を好きになったらどうするんですか?」


「別にどうもしないよ?ゆうちゃんが幸せで、相手の子が本気でゆうちゃんのことを大事に想ってくれているならそれでいいよ」


正直驚いた。

この数時間で恵美先輩が彼にべったりなのは明らかだった。誰だって好きな子がほかの子と付き合ったりするのはいい気がしないだろう。だが、私にはこの言葉が建前であるとは毛ほども思わなかった。


「聞いといてあれなんですが。いいんですか?好きなんでしょう?」


「確かにゆうちゃんとずっと一緒に居たいけどね。でもね、私は楽しそうに、幸せそうにしてるゆうちゃんが好きだから。その席を無理に奪ってもきっと誰も幸せになれないから」


嫉妬なんて理性でする物じゃない。

きっと似たようなことを言っている人がいても、心の中では悔しくて、憎らしくて、悲しいはずだ。でもこの人はきっとさっきの話が現実になっても心から祝福して笑うのだろう。


やっと分かった。何故、日野君が誰とも付き合わないのか。こんな人が側にいたら、他の子なんて視界入るわけがない。


申し訳ないが、友達に有益な情報はあげられなさそうだ。だってこの2人の間に他の人が入る余地なんて残されてないのだから。それに、私には友達の「好き」がこの人の「好き」を上回ってるとはとてもじゃないが思えない。


もっと言えばこの人の事が好きになってしまったんだ。純粋に恵美先輩の「好き」が叶って欲しいと心からそう思う。


「恵美先輩はとても素敵な女性ですね」


私がそういうと恵美先輩は恥ずかしそうに手を振りながら否定した。


「えっ!?いきなりどうしたの?でもお世辞でも嬉しいよ!」


「お世辞なんかじゃあないですよ。そうだ!一つお願いがあるんですけどいいですか?」


「う、うん!いいよ」


「私とお友達になってくれませんか?」


明確に誰かと友達になりたいと思ったのはいつぶりだろうか。私は恵美先輩の行く末を見届けたい。そして出来ることなら力になりたい。


「、、うん!もちろんだよ!こっちからお願いしたいくらいだよ!」


こうして、私は素敵な人とお友達になれました。その後入ってきた日野君は急に仲良くなった私達に戸惑い気味だったけど、仕方ないですよね?


ちなみに勉強会はその後も何回かご一緒し、私も日野君も無事に高得点を獲得しました。


読んで頂きありがとうございます!


皆さんは勉強会した事ありますでしょうか?私は勉強会という体で遊んでましたね(笑)


では、また次話でお会いしましょう!

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