貴方の背後に這い寄る混沌、、凛です!
こんにちは!オムレツです!
今回は初の凛ちゃん視点が主のお話です!
では、どうぞ!
ーーー日野家ーーー
side凛
「緊急事態なの!!」
私は事の重要性を強めるためにテーブルをバンッと叩きながら、お姉ちゃんが作ったお菓子をぱくついている二人に呼びかける。
「いきなり呼び出されたと思ったら、どうしたのよ?」
「緊急事態?どうしたの?ゲームのデータでも吹っ飛んだ?」
「二人ともそんなに暢気にお菓子をぱくついてる場合じゃないの!」
「だからどうしたのよ?というか今日は珍しく恵美はいないのね」
鏡お姉ちゃんがようやくその事実に気が付いたようだった。
そう、今日は珍しくお姉ちゃんが家にいない。
確かにふつうの家庭なら別段珍しくも何ともないことだけど、ヒッキーエリート姉妹なお姉ちゃんがお休みの日に1人でお出かけなんて過去に一度もなかった。
「そう!そこだよ鏡お姉ちゃん!」
「つまり緊急事態ってのはめぐ姉関連ってこと?」
「そうなの!」
「で、恵美が何かしたの?」
「特に何かしたというわけではないの。でも今日お姉ちゃんに「どっか行くの?」って聞いたらものすごく挙動不審だったの!あれはすごく怪しいの!」
そうなのだ。今日の朝にお姉ちゃんの部屋に行ったらいそいそと身支度を整えているので行き先を訪ねても答えてくれず、逃げるように出かけてしまった。
「恵美が凛や優斗君をおいてどこかに行くなんて確かに珍しいわね。いつも出掛ける時は大体一緒よね?」
「確かにそうですね。そもそも行き先なんて大体ゲームショップかアニメショップですからね」
「そうなの!それならお姉ちゃんも行き先を教えてくれるはずなの!」
「つまり、行き先はいつもの場所ではなく、二人に言いにくい場所、もしくは二人を連れていけない理由があるかね」
「凛の気になる気持ちも分かるけど、めぐ姉だって1人で出掛ける時もあるんじゃないかな?」
「あまーい!甘いよお兄ちゃんこれがどう言うことかまるで分かってないよ!」
「つまり、恵美に彼氏、もしくは彼氏になる可能性がある男が出来たかもしれないって言いたいんでしょ?」
「そうなの」
「彼氏!?そんな素振り全くなかったよ!?それにめぐ姉が彼氏を欲しがるとも思えないし、、」
「確かにそれに関しては私も同感なの。でも冷静に考えてみて欲しいの。逆に言えばそこだけなの。そこさえクリアしてしまえばすぐに彼氏なんて出来ちゃうと思うの。でしょ?鏡お姉ちゃん」
お姉ちゃんにはびっくりするほど男っ気がない。でも、ない理由はお姉ちゃんにその気が全くないからだと思う。
だって贔屓目なしに見てもあんなに綺麗で可愛くて優しいし、その上よく気がつく。そんな人を放って置くわけがない。
「確かに凛の言ってることは間違ってないわよ。多分二人にはあんまり言ってないと思うけど、あの子未だにちょくちょく告られてるわよ。入学したときが一番すごかったけどね。あの時はしょっちゅうだったもの」
「そこで、ここにいる三人でお姉ちゃんがどこに行ったのか調べてみたいと思うの」
「それは構わないけど、今あの子どこにいるか分かるの?出掛けてから結構時間たってるでしょ?」
「ちょ!?、、ちょっと待ってください!鏡さんは賛成なんですか!?いくら家族とはいえプライバシーってものが「いいの?」」
私は話に割り込むように問いかけた。
お兄ちゃんの言いたいことは分かるけど、私にはどこの馬の骨とも知らない男に私のお姉ちゃんが取られるなんて私には到底許す事なんて出来ないのだ。
「な、なにがさ、、」
「いいの?って聞いてるの。お姉ちゃんが知らない男の子と歩いてても。彼氏彼女の関係になってても」
「、、、、、っ」
「想像して欲しいの。お姉ちゃんが知らない男の子と手を繋いで歩いたり、腕を組んだり、キスしたりするんだよ?そして私達に嬉しそうにその事を話してきたら素直に祝福できる?」
私が話を進める度にお兄ちゃん顔が曇っていく。
「、、、でき、、、ない」
「私も出来ないの。これは100%私のわがままだけど。私はお姉ちゃんをそんな男の子なんかに渡したくない。お兄ちゃんはどうなの?」
お兄ちゃんも私に負けないぐらいお姉ちゃんが好きだから気にならない訳がない。だからこそ葛藤してるんだと思う。
「ぼく、、も無理だ。行こう確かめに、、」
「なんだか、やっぱりあんた達って恵美の兄弟ね。まぁそれはともかくあの子の場所は結局わかるの?」
「それは大丈夫なの!じゃーん!」
私はケータイを開き、アプリを立ち上げて掲げる。
「これってNyagle mapよね?これでどうするのよ」
「これには位置共有機能があるの!」
位置共有はお互いが許可した場合のみGPSでお互いの位置を知ることが出来る機能なのだ。
「なるほどね。これで位置が分かるわけね。でも恵美が今不許可にしてたら分からないんじゃない?」
「それはそれでどこか言えない場所に行っている証明になると思います。僕たちはいつも許可状態なので」
「そーいうこと。ということで早速見てみるの!」
私はアプリを実際に起動し、位置情報の検索をかけた。
「これは2つ隣の駅近くね。結構遠い所にいるのね」
「場所が分かったから早速行ってみるの!」
こうして私達は電車に揺られ、2つ隣の町までやってきた。
「場所的にはこの近くなのよね?」
「うん!駅を出てすぐところだよ」
「この近くにもしかしたら、、めぐ姉と、、」
なんかお兄ちゃんが少し堕天してしまった気がするの。確かに少し煽ってしまった部分もあるけど、いつもより雰囲気が暗く、重い感じがするの。
「ほらそこ!まだそうと決まってないんだから病まない」
そこで鏡お姉ちゃんがたしなめる。さすがにお姉ちゃんとずっと一緒にいるだけあって手慣れている様子だった。
こうしてお姉ちゃんの位置情報が指し示す場所に到着した。
そこは一風変わった喫茶店だった。メイド喫茶ほどではないが、衣装が普通の喫茶店より可愛い物だった。
これをなんと呼ぶかはともかく、ここにお姉ちゃんがいるらしい。
「開けるわよ?」
「うん」
「はい」
鏡お姉ちゃんは緊張した面もちで扉の取っ手に手をかけ、少しづつ扉を前へと押した。そこに広がるのは私達が想像していた物をある意味では遥かに上回る物だった。
何故なら、、
「いらっしゃいませ!喫茶キャロットへようこ、、そ?。えぇぇーー!!なんで皆がここにいるのぉ〜!?」
そこに可愛い衣装に身を包んだ最高に可愛いお姉ちゃんいたのだから。
その後、私達はお姉ちゃんに席に案内してもらい、丁度休憩時間になったお姉ちゃんと同じ席に着いた。お姉ちゃんはまだこの後も仕事が残っているので衣装は先ほどのままだ。
和を基調とした衣装でトップスは薄緑でその上に純白のエプロンを身につけている。そしてボトムスは黒を基調としていて裾はフリフリになっていてとっても可愛い。
私がそんな事を考えて言えると先ほどから恥ずかしそうに口を噤んでいたお姉ちゃんが話し始めた。
「え、えっとね、これはクラスの子からお願いされちゃって、、、断りきれなくて。その、、恥ずかしいからあんまり見ないでぇ」
「うぅ〜もう我慢できない!お姉ちゃん可愛い〜!!最高なの!今までの心配がどうでも良くなるくらいの破壊力なの!」
私は我慢できずお姉ちゃんに抱きつき、頬ずりをしながらお姉ちゃんを堪能する事に決めた。
「うぅ〜もう凛ちゃん!そもそも何で皆がここにいるの?私恥ずかしいから行き先も内緒できたのに、、」
「それはお姉ちゃんがこっそり出て行ったから、もしかしたらお姉ちゃんに彼氏ができたんじゃないかって話になったから来たの!ちなみに場所はNyagle mapで分かったよ!」
私はお姉ちゃんに事の経緯を説明した。もちろん抱きついた状態で。これは譲れない(キリッ
「そんな話になってたの!?それで三人とも来てくれたの?」
「うん、、まぁ」
「まぁそうね」
「うん!」
「そっか〜ごめんね。なんか変な心配させちゃって。恥ずかしくても行き先伝えといた方が良かったね。バイトのお手伝いも今日だけだから」
お姉ちゃんは申し訳なさそうにそう言った。
「結果的にお姉ちゃんのレアな衣装がみれたから結果オーライなの!」
「はは、こっちこそごめんねめぐ姉。アプリまで使って来ちゃって」
「お兄ちゃん今となってはこんなに余裕ある感じを装ってるけど、さっきまで一番殺気立ってたの」
「ちょっ!?何言ってるのさ!?」
お兄ちゃんは顔を真っ赤にして否定するけど、過去最高にダークだったのは間違いないと思うの。だって喫茶店はいるまでは殺気立ってたのに、違うって分かった瞬間あからさまに安心してたの。
「そうね〜確かに今まで見てきた中で一番怖い顔してたわよ」
「鏡さんまで!殺気立ってなんかいないです!」
お兄ちゃんが必死に弁解していると
「ねぇねぇ!ゆうちゃんは私に彼氏がいるのが嫌で、それを確認したくて来てくれたの?」
お姉ちゃんは嬉しそうに両手を頬に添えながら尋ねる。
「う、うん。まぁそうだね」
お兄ちゃんは気まずそうに目をそらしながら応えるが、お姉ちゃんはますます嬉しそうだ。
「そっか〜!むふふ!嫌なんだ〜?そっかそっか!でも安心してね私は皆が大好きだから彼氏なんかいらないよ!」
その後お姉ちゃんは休憩が終わるまで終始にこにことしており、いつもに増して機嫌が良くて割増で可愛いかったのは言うまでもないだろう。
こうして「お姉ちゃんに彼氏出来ちゃった!?」事件は平和的に解決した。
読んで頂きありがとうございます!
今回は凛視点だったんですけど、何気に1番難しかったです。
では、また次話でお会いしましょう!




