咲かない花
私の才能は開花しなかった。
小さい頃は強く逞しく、ちょっとの傷ではへこたれず、周りから羨望の眼差しを受けた。皆んなが出来ない様な事が簡単に出来た。
私は特別な存在なのだとそう思っていた。
大人と呼ばれる年齢になると、大きな勘違いに気付く。
強く逞しいと思っていた自分の身体は、小さな傷を積み重ねて弱っていた。皆んなが出来ない様な事は皆んながやらない事なだけだった。
私は、ただ無理をしていただけだったのだ。
私が無理をしている間に皆んなは花を咲かせる為のエネルギーを溜めて、大人になって才能を開花させた。
私は花壇の中の雑草だったのだ。