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#4 「1人でいること」
勇樹の中高での生活はとても質素で簡素なものだった。特に高校は全くメンバーが変わることなく、3年間を過ごしたためとても退屈だった。途中で退屈から面倒に変わっていき、高校3年の時には勇樹はいつものグループから距離を置き、単独行動が増えていた。1人の方が楽ということに気づいていた。一方で友達と勉強をするなどをしていたので中途半端ではあった。結局のところ友達に囲まれた生活をしていたのだ。絶対に離れることがないと安心しているから、単独行動を増やすことができたに過ぎなかった。つまりこの頃の勇樹は本当の1人を分かったつもりになっていたのだった。
そのため、勇樹は浪人時には本当の意味で1人でいようと誓った。
また、3月はまともに勉強しなかった。厳密にはやっていたが、後の勇樹から見るとあれはやっていると言えないレベルだった。