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#28 「自習室」
1学期の頃から勇樹は苦手な人がいた。見た目から性格まで話したことこそほとんどないけど、とにかく苦手な人だった。なぜそこまでになったのかと言うと、その人は自習室で常に咳をしていた。常にだ。勇樹はそれが嫌でたまらず、集中できなかった。係の人に報告しようかと思ったが、なんとなくできなかった。2学期になり、彼が苦手だったので、塾の自習室を借りて勉強することはなくなっていき、授業も受けていなかったので、朝から地元の図書館で勉強するようになった。図書館は閉まるのが早かったので、閉まった後は24時間営業のファストフード店で10時半まで勉強していた。すこしずつ寒くなっていき2月が近づいていることを身体で感じた。10月のことだった。




