関係者ですか?
「あの、お茶をしている所すみません。こちらの学園?の関係者の方でしょうか?」
「はい。ボクはこの学園の学園長補の柊 咲夜って言います。一応この学園の卒業生です。そしてこちらの方が…」
「初めまして。私がこの学園の学園長をしている白月 桜華って言います。よろしくね。えっとあなたは?」
女性と青年の絵になるような優雅な雰囲気に恐る恐る問いかける楓に答えてくれた。
「すみません。申し遅れました。私は姫風 楓と言います。先日自宅のポストに入っていたパンフレットを見て、こちらに来させていただきました。」
「あらあらご丁寧にありがとうね。それであちらにいらっしゃるのもパンフレットを見て興味を持っていただけた子達かな?」
「えっと、私と同じ制服を着ているのが、私の付き添いで来てくれた子でして、もう一人の子がパンフレットを見てこちらに来た子です」
「まぁなるほど、姫咲さんのお友達でしたら良い子なのでしょうね。」
「あの子は昔馴染みなだけです…お恥ずかしながらお世辞にも良い子とは言えません。」
「あら、姫咲さんはお友達にも厳しいのね。」
「いえ、あの子は頑張ればできる子なのですが、頑張らないので…。」
本人がいないところでも楓は美月に対して辛口で評価するのであった。
「もう一人の子とは駅で偶然会った子でそこで仲良くなったばかりです。」
「そうなのですか。会ったばかりですぐ仲良くなれるなんて素敵ですね。」
「いえ、こればかりは私の付き添ってくれた子のおかげです。」
「あらあら。ますますお話しするのが楽しみですね。」
「あ、すみません。それでは少しだけ待ってください。呼んできます。」
「はい。お願いします。」
「咲夜、あの子どう思いますか?」
「礼儀が正しくて、友達思いの良い子だと思いますね。」
「やっぱり咲夜もそう思います?それと隣にいるあの子、偶然会ったって言ってましたね。そんな事があると思います?」
「いえ、ボクにはありえないと思います。そもそもここには…」
学園長たちから楓が離れて行って意味ありげな話をしていた。
軽い挨拶だけ済ませて楓は美月と夢亜の元に戻った。
「楓ちゃん、どうだった?」「楓さん、どうでした?」
美月と夢亜は二人で楽しそうに話していて、楓が戻ってきた事に気付いて聞いてみた。
「えっとね、あちらの女性の方が学園長さんで、男性の方が学園長補をしているみたい。とりあえず2人を紹介したいのでついてきてください。」
「は~い」「はい」
「夢亜さんはきちんと美月を見ててくれてありがとうございます。おかげで美月が暴走しなくてすみました。」
「もう楓ちゃん!ほんとに私を一体何だと思ってるの!!」
「常に暴走している猪突猛進の美月?」
「もう楓ちゃん酷い!!」
「ふふふ」
「あー!夢亜ちゃんまで笑ってるー!」
「あ、ごめんなさい。でも仲良し友達で良いなって思って。」
「何言ってるの。もう私達と夢亜ちゃんも立派な友達だよ!ね、楓ちゃん!」
「そうですよ。ううん、そうね。美月ももう立派な私たちと友達ですよ!ただ私と美月は付き合いが長くて、気心が知れているだけですし。って待たせているのでした。すぐ行きますよ!」
「夢亜ちゃん、楓ちゃん、急がなくちゃ!!」
「待ってくださいよー。」
と、楓と夢亜は美月に強引に引っ張られて、楓はやれやれといった顔で、夢亜は出来たばかりの友達に少し戸惑いつつ、でも楽しそうに走り出した。