表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ずっとずっと…  作者: eiji
3/17

Thank you for being in the side

初恋の人は数年後に結婚した。



亡くなった彼女の命日には、毎年十数名の仲間が集まる。

その中には必ず 初恋の人 も居る。

俺が集めるのではなく、みんな忘れずに来てくれるのだ。

俺は、その日が来ると朝7時にはお寺さんに着き、住職に挨拶して墓前に居る。


その次に来るのが 決まって初恋の人

「今年も綺麗に飾ってもらったねぇ〜」

ってのが毎年の挨拶。


綺麗に飾ってもらったの意味は


彼女が生前 「もし 私が死んだらさ お墓を薔薇で飾ってね。死ぬ時の歳の分は赤い薔薇で 命日が来たら一年後は白い薔薇を一本 二年後は二本って…」

「そうすれば 生きてたって証になるっていうか…覚えてもらってるんだって言うか…」


「何 馬鹿な事言ってんだよ」


「もしもの時だよ もしもの時はお願いね」


「わかったよ」


この会話は、死期が近づいてるってわかってたんだろうなぁって時の会話。


その後 初恋の人に「約束させた」って笑って話てたみたい…



墓石が見えなくなるように

かすみ草で埋め尽くして、そこに赤い薔薇19本 白い薔薇が毎年1本ずつ増える。


ここの住職には初めての命日の時 かなり怒られた。

お墓に薔薇をあげるとはって…


でも、話のわかる住職で

「まぁ あまりにも若くして亡くなったから 大目にみるか」って



「私が死んでも これ してくれる?」

「馬鹿言ってんじゃねぇ!おまえまで…」で言葉を濁した。

「嘘だよ、私は死にません」

悪戯っぽく笑う 初恋の人。


彼女の墓前で話し込む 俺と初恋の人。


その内

「おっ!今年も綺麗にしてもらったな」

「わぁ〜綺麗」

と続々と仲間が集まる。

毎年の光景だ。


線香はこの日はあげない。

墓前で数時間、みんなで話をする。

それを供養にしている。


暗くなるまでずっと…


その後、来てくれた仲間達と場所を移動して、遅くまで飲み明かす。


一人 また一人と帰り

最後に残るのは、いつも 初恋の人。

「今年もありがとな」

「何言ってんの!私は一番の親友だぞ!もしかしたら、あんたより仲良かったんだから」

って笑う。

これも毎年の会話。


その言葉で、俺は救われる。


思えば、初恋からずっとこの人は俺の側に居る。

空気や水のような存在…

当り前というより、無くてはならない存在だったのかも…


「俺達も帰るか」

「だね」

「送るよ」

「あぁ〜!狼になる気だ!」

「馬鹿言ってないで早く乗れ」

「は〜い」

これも毎年の会話。


たま〜〜に海辺に車を止めて、話した時もあった。

朝日が昇るまで…


大人の男女だが、何もなかった。

手すら握らなかった。


ただ、海に映る月を見ながら、話をするだけで、全てを忘れさせてくれた。


俺は、初恋の人を一度傷つけている。

それなのに、彼女が亡くなってから、大事な時はいつも俺の側に居てくれる。


俺にはとてつもなく大きな存在であることは確かだ。


いつも俺は、初恋の人に

ごめん と繰り返し繰り返し心の中で謝っていた。





ある時、俺に電話が来て出ると 初恋の人。

「私 結婚するんだ」

「えっ」ちょっと動揺したが、気づかれないように

「良かったじゃん!彼氏 いい人?」

「当たり前じゃん!」

変な事を聞いてしまったと後悔…


「そっか 幸せになるんだぞ!」

無言…

「もしも〜し」

無言…

「あれ?お〜い」


「うん 幸せになる」

やっと喋った。


「いっぱい い〜〜っぱい 幸せになるんだから」

「だから、あんたも幸せ探しなよ!」

「いつまでも一人だと彼女さん怒るぞ!私も…」

「その内な…」

「そんな事ばっかり言ってると素敵な人居なくなるから…私みたいに…」

「そうだな…」

「えっ…」

「なんでもねぇよ」


はぐらかして、他愛もない話をして電話を切った。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ