表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/154

3─2 少女の真価

 “北”の神壁。その上にアリアはいた。


 眼下には、どこの国にも属さない土地――公域がどこまでも広がっている。地表までは大人が十人分ほどはあるだろうか。かなりの高さだが、しかし神騎士にとってはそれほど危険な高度ではない。


 背後には神王国が広がる。ところどころに森や平原が見え、明らかにそれらとは違う人工的な街が点在しているのが分かる。彼方には王都も捉えられ、学園も恐らく近くにあるのだろう。


 とその時、索敵を受け持つ班の生徒が、他の生徒たちに正確に情報を伝えた。


「標的確認。数は八体、邪犬種ハウンド二、邪人種フール六。潜伏はなし」


 見れば確かに悪魔と思しき生物が確認出来る。四足歩行の邪犬種が二体、人型の邪人種が六体。いずれも動きはバラバラで、特に意図して動いている訳ではなさそうだ。近くに上位の個体もいない。


「学園長からです。指示通りチームを組み、各自で撃破を狙って下さい。アリアさんは自由に遊撃をお願いします」

「了解」


 アリアは頷き、詠唱して神器を抜く。

 以前自らの失敗で壊放オーバーフローさせてしまった〈ヘスティア〉は、いつもと変わらない煌めきを放っている。声には出さず謝りながら、アリアは愛剣の腹をさすった。


 ――ごめんね。もう、あなたを傷付けたりしない。だから私に力を貸して。


 するとわずかに〈ヘスティア〉が強く輝いた――気がした。アリアは微笑みつつもう一度目標を見下ろす。

 悪魔たちは確実に神壁に近づきつつあるが、まだ余裕はある。多少の無茶はしても大丈夫そうだ。もちろん壊放が起こらない程度で。


 アリアの横では生徒たちが既にチームを組み、緊張しながらも戦闘が始まるのを待っていた。相手は下位級ロウとはいえ紛れもない悪魔だ。死ぬ可能性もないとは言い切れない。不安になるのも頷ける話だ。


 ――だからこそアリアは言った。


「あなたたちは戦わなくていいわ。私が片付ける」

「っ!? な、何を言ってるんですか!?」


 アリアの一言に騒然とする生徒たち。しかしアリアだけは冷静に敵を見据える。


 八体。あの“漆黒の勇者”が屠った悪魔からすればもはやゼロに等しい数だ。この程度を倒せずして、どうやって彼と同じ高みに上るというのか。


 それに、恐らく――レインなら造作もなく屠ってみせるだろう。


「私が苦しくなったらすぐに助けを呼ぶ。だからそれまではお願い。一人で戦わせて」


 そんなことにはさせないけど、と思いつつアリアは言った。


「…………」


 周りは皆無言だった。呆れているのかも知れない。だがアリアにとって、周りの反応はどうでも良かった。

 ただ一言。


「作戦、開始します」


 短く呟いて、アリアは躊躇いなく神壁から飛び降りた。


  ***


『――学園長、報告が』

「む? 何だ。何かあったか」


 学園長室にて、ミコトは予想より遥かに早い二度目の通信に対応した。

 まさかこんなに早く通信が来るとは思っていなかった。次に聞くのは勝利の報告だと思っていたのだが、いくら何でもこの短時間での殲滅は不可能だ。


 真っ先に考えたのは想定外の悪魔の出現だ。一見下位級に思えても、最近現れるようになった新種とやらのように強力な個体ならば危険性は十分に高い。


 そう、自らが出なければならない事態に陥っていることを危惧したミコトだったが。


『神器使いのアリアさんが……一人で悪魔に向かっていきました』

「……何?」


 またもや予想とかけ離れた返答にミコトは訝しげな声を上げた。


『危険です。本人は一人でと言っていますが、少なくとも二人はついていかなければ……しかし、アリアさんの神能を考えると――』


 通信先の彼女が何を言いたいのかをミコトは理解した。


 本来の予定ならば、複数のチームで分担して悪魔を引きつけ、それをアリアが支援するという作戦だったはずだ。


 しかしアリアが一人先に向かったため悪魔が彼女に殺到する。そうなってしまえば例え助けたくても、“神之焔ブレイズ”による影響を考えると迂闊に近寄れない。事実上アリアは孤立してしまうということか。


 悪魔八体をたった一人で相手取る。確かに危険だろう。


 ――アリアがアリアでなければ、だが。


「構わず一人で向かわせろ。君たちは離れて手出ししないように。下手に近寄れば巻き添えを食うぞ」

『な……!? し、しかし……!』


 信じられない、というように驚く生徒には悪いが、アリアが下位級数体程度に負ける訳がないのだ。ミコトは確信する。


 何故なら、ミコトの瞳にアリアが苦戦する光景は視えないのだから。


「心配はいらない。それより、しっかりとアリアが戦う光景を目に焼き付けろ。その姿が神騎士……神器使いのあるべき姿だ」


 アリアが何故そんな行動に出たのかはミコトにも理解出来た。そんなアリアの貴い意思を、ミコトは邪魔させたくはなかったのだ。


『……分かりました』


 いまだ納得出来ないような、信じられないような戸惑いの入り交じった声で通信は終わった。

 ミコトは一人呟く。


「全く……揃いも揃って人の話を聞かないとは、世話が焼ける。困ったものだな……」


 口では愚痴を言いつつ、童顔の少女の顔には、仄かな笑みが浮かんでいた。


  ***


 数秒の落下を終え、アリアは王国の外、公域へと降り立った。


 辺りには身を隠せるような大きな物は何一つない。土がむき出しになった地表と、ところどころに丈の短い草が生えているだけだ。

 とはいえ、もとから隠れる必要もないのだから関係ない。

 むしろ下手に燃える物がない方が、アリアにとっては好都合だった。


 いつしか悪魔たちもかなりの距離まで接近してきている。アリアの間合いまでもう少しだ。神壁の上から見た時よりも詳細に悪魔たち様子が分かる。


 邪犬種と呼ばれる悪魔は、下位級の中では高い身体能力を誇る種。四足歩行のまさに犬のような形だが、大きさは普通の大型の成犬の倍はあるだろう。四つん這いの状態で頭がアリアの肩ほどまでもある。

 特に敏捷性に優れ、知恵ある悪魔に統率されるとかなり厄介になる。包囲されればまず逃げることは出来ないだろう。


 そして邪人種。悪魔の中ではかなり一般的な人型の悪魔だ。大きさは人とさして変わらないが、もちろん身体能力は人以上である。武装していることも多く、侮ることは出来ない。


 学園で得た知識を確認しつつ、アリアは歩き出した。黙って待っていることなど出来なかった。


 神騎士としての覇気を放ちながら歩くアリアに悪魔たちも反応した。唯一の行動原理に従い、人間をただひたすら殺そうとアリアに狙いを定める。


 それでもなおアリアに恐怖はなく。


「ギ……シャアアアアア!!」


 ついに悪魔たちもアリアを殺さんと走り出した。アリアが歩いて近づき、その数倍の速さで悪魔たちはアリアに接近する。


 だが、死が近付いて来ようとも。


「神能――“神之焔”」


 静かにアリアは詠唱する。

 彼我の距離まであとわずか。悪魔たちは各々の得物を構える。邪犬種は鋭い牙を、邪人種は爪と武器を。


 しかし例え、殺意に満ちあふれた視線に射貫かれようとも。


「〈ヘスティア〉、行くよ」


 アリアは落ち着いて相棒に声をかける。


 ちょうどその時、距離を詰めきった悪魔たちがアリアに襲いかかった。

 牙が、爪が、武器がアリアに殺到する――。


「……飽くなき欲望を以て喰らい尽くしなさい」

「――ア?」


 ――寸前で、アリアに傷を与えうるはずの存在の一切が、竜に喰われた。


「〈竜頭雫焔フレアヒュドラ〉」


 〈ヘスティア〉が、アリアが生み出した実体なき紅き竜がそこにいた。


「ギシャ…………アッ!!」


 紅き竜は熱と欲望を以てして主を害する敵全てを喰らう。邪犬種は牙ごと頭を喰われ、邪人種は腕ごと体を喰われた。

 たったそれだけ。ほんの一瞬で、三体が屠られた。 


「ギ…………ッ」


 即座に異常を察知した他の悪魔たちは、突撃を止めてアリアから距離をとった。わずかながらだが理性は――いや、本能的な勘はあったようで、態勢を整えてから再度襲いかかるつもりだろう。あるいは逃げることも検討したのか。


 しかし刹那の迷いがあった時点で、既に彼らは詰んでいる・・・・・


「〈不死鳥籠フレアケージ〉」


 詠唱とともにアリアを中心とした特大の円型魔法陣が展開され、そこから焔が噴き出した。勢いよく延び上がる焔は、一瞬にして悪魔たちの退路を絶つ。


「ギ!?」

「判断するのが遅かったわね。逃げるならさっさと逃げていれば良かったのに」


 アリアは悠然と立ちながら言った。もちろんそこに油断も慢心もない。ただ淡々と悪魔を狩ろうとする強者の覇気が、存在感だけで悪魔たちを圧倒した。


 触れれば、いや、近付いただけでも並の物質なら燃え尽きてしまうだろう焔。そんな焔が四方八方を、ましてや天まで閉じて覆ったこの籠から抜ける術はない。知能を持たない下位級といえども理解出来るだろう。


 となれば、悪魔たちがとる行動はただ一つ。


「ギシャアアアアア!!」


 不快な金属音じみた叫びとともに、残った悪魔たちは一斉にアリアに襲いかかった。


 追い詰められた者が最後にとる捨て身の突撃。

 悪あがきとも言える行動はしかし、アリアに通用することはない。むしろ、アリアはこれを狙ってすらいたのだ。


 焔を纏った〈ヘスティア〉を構え、アリアは全方位から迫る悪魔を冷静に察知する。


 もとより剣には自信がある。この程度を倒さずして“漆黒の勇者”に並べる訳がない。否、“漆黒の勇者”と比較する資格すらない。

 だから。


「万物よ、燃え尽きろ。我が神器に命を捧げよ!」


 〈ヘスティア〉が瞬いた。焔が一際強く溢れ、剣を完全に覆う。何物をも燃やし尽くす焔により、鋭かった神器はさらに威力を増した。


「〈焔の剣フレアブレイド〉!」


 剣が持ち得る威力の限界を凌駕した剣。圧倒的な威圧感を放つそれを、迫り来る悪魔に向けて――。


「はああっ!」


 一閃。


 ボッ! と焔が上がり、


「ギ…………ァ…………」


 それだけで、悪魔は灰となって消える(・・・・・・・・)

 欠片すら残さず、〈ヘスティア〉は邪人種を屠ったのだ。


「まだまだぁ!」


 一瞬の滅殺に満足せずにアリアは右足を軸に反転。今まさに後ろから飛びかかってきた邪人種を両断する。

 断ち斬るというよりも焼き斬ると言った方が適切なほど滑らかに、邪人種は真っ二つになった。黒い血でさえもが瞬時に蒸発し、切断面は焦げて塞がれる。


 重い音を立てて地に落ちた肉塊を一瞥することもなく、アリアは向き直った。まるで焔のように赤い瞳が悪魔たちを射竦め、決死の覚悟で向かってきた足を止めさせる。


「ギ…………」


 だが当然逃げる術などない。アリアにも、ここで悪魔たちを見逃す気はさらさらない。ゆっくりと剣を向け、最後の三体を片付けるために走りだそうとした瞬間――。


 ズキン! と鈍い痛みがアリアの頭を襲った。


「…………っ!?」


 攻撃を受けた訳ではない。致命傷という訳でもない。しかし、頭痛と一言で片付けるにはあまりに強すぎる痛みにアリアの集中が途切れた。いや、体が強制的に途切れさせた。


 檻が――〈不死鳥籠〉が、消える。


「くっ――!? 何で……!」


 檻の消滅を素早く察知した悪魔たちは、すぐさまアリアに背を向けて逃げ出す。本能のみで生きている悪魔たちにとってそれ以外の選択肢はなかった。恐怖を力に変えて、悪魔たちは恐ろしい速さで遠ざかっていく。


「逃がして、たまるか……! ……〈焔の矢フレアアロー〉……!」


 激しい痛みに耐えながらアリアは最後の力で“神之焔”を発現させ、燃える焔の矢を三本創り出した。照準を合わせ、弦替わりの〈ヘスティア〉を振り、矢を悪魔たちに向けて放つ。


 ドンッ! と爆発音じみた音とともに打ち出されたそれは、膨大な熱量を辺りに撒き散らしながら凄まじい速さで飛翔する。狙いは寸分も違わず、矢は邪人種二体を正確に射貫いた。熱量が放出され、途端に二体は灰と化す。


 だが、最後の一本は――。


「ギシャッ!」


 背を向けて走っていた最後の邪人種が振り向き、左手で矢を弾いた。本来の威力ならそれだけで体ごと吹き飛ばせただろう。が、痛みによって威力が散った〈焔の矢〉は、犠牲にした左手を爆ぜさせることしか出来なかった。


「あ…………」


 その隙に、邪人種は遠くへと逃げ去ってしまった。いくらアリアとて逃走を阻止する術はなかった。


 それ以前に――。


「ぁ…………」


 ついに頭痛に耐えられなくなったアリアは、一人その場に倒れた。

 後ろからの学園の仲間たちの足音を微かに感じながら、アリアは意識を失った。


  ***


「…………む?」


 アリアが悪魔を狩り損ね、倒れた時、ミコトは学園長室で訝しげな声を上げた。


 いつものように執務机の上で指を組みながら、大きな瞳はここではないどこかを捉えている。そこに映った不確定な要素に、思わずミコトは声を上げたのだ。


「…………少し不味いかもしれないな」


 結果、ミコトは瞳に映った不確定要素を“危険”だと判断した。


 どこかで――恐らくアリアがいるところで起きた出来事が、少しずつ運命という歯車を狂わせている。今でこそまだ漠然とした“不安”だが、直感的に、やがて“危険”に至るだろうとミコトは確信したのだ。


 神騎士学園〈フローライト〉の学園長としてミコトが背負う責任は、そこらでいう責任とはまるで重みが違う。


 他人なら簡単に押し潰されてしまうだろう巨大な重圧の中で、しかしミコトは淡々と、全てを完璧にこなしてきた。根本には、いつもミコトの“力”がある。それによってミコトは幾多の死線を越えてきたし、これからも越えていける自信がある。


 しかしその“力”を以てして“危険”だとミコトは判断する。


 もちろん、それでもまだ余裕の表情は崩れないのだが。


「こうも立て続けに厄介事が起これば慣れもするものだな。あまり歓迎したくはない変化だが」


 誰もいない部屋でミコトは一人言う。だがその一人言は、確かに意図がある皮肉だ。


「これら厄介事を引き起こしてくれた張本人としてはどうだ? ――レイン」


 明確に、ミコトは名を口にした。すると――。


『……気付いてたんですか』


 ミコトの胸の校章からレインの声が聞こえた。


「自分の校章の通信を盗聴ハッキングされているのに気付かないなど学園長として有り得ないよ。普段から機密情報をやりとりしていれば、嫌でも周りの耳を確認する癖がついてしまう」

『……そうですか。大変ですね』


 ミコトの言葉通り、通信を魔法によって盗聴していたレインは、精一杯の皮肉のような言葉だけを返した。


「心配なのは分かるが相手によっては牢獄行きだぞ。君の魔法なら看破される可能性は低いとはいえ、時と場合をよく考えろ」

『すいませんでした。しかし――』

「……ん、少し待て。通信だ」


 ミコトはレインの言葉を遮り、通信相手を切り替える。


『報告します。現時点を以て悪魔の排除に成功。撃破スコア七です』

「七? アリアが取り逃がしたというのか?」

『はい。神能“神之焔”によって、戦闘の様子を確認することは出来ませんでしたが、邪人種が一体逃げていくのが確認されました。そして、アリアさんが――倒れました。命には別状はないそうですが』

「……そうか、分かった。ひとまずはよくやってくれた。ありがとう。詳しい報告は学園で聞くから、帰ってきたまえ」

『了解しました』


 通信が終わり、再び自動的にレインと接続する。


「……だそうだ。どう思う?」

『アリアが倒れたのは、恐らく俺との試合のダメージが回復しきっていなかったからだと思います。壊放までさせてしまうほどの消耗は簡単には回復しません』

「そうだろうな。アリアが下位級を相手にそこまでの傷を負うはずがない。まあそれに関しては仕方ないと言わざるを得ないが……」

『取り逃がした悪魔についてですか?』

「…………」


 レインの直接的な問いにミコトはしばし沈黙した。


『確かに破壊衝動を持つ悪魔が逃げることは少ないですが、ない訳ではありません。アリアに恐れをなしたんでしょう』

「……いや、問題なのは逃げた理由ではなく……それが及ぼす影響だ」

『影響……?』

「何か、悪いことが起こる。そんな気がしてならない」

『…………』


 無言になったレイン。彼が抱いているのは確信か、疑問か。ミコトには分からないが、


「この予感が当たっているか、それとも幸い外れているかは分からない。だがそれでも、今でなくとも、必ずいつかは起こりうるだろう。君はその時――どうする?」


 ミコトはレインに、一つの質問をした。


 レインは強い。だが同時に人としてとても弱くもある。いずれにしても、この学園に入って強くなるという目的を持っていれば、いつか彼は大きな選択をしなければならない。

 ミコトにしか分からない……或いはミコトですら分からないレインの気持ちを、ミコトは知っておきたかった。


 もちろんレインの答えなど、分かっているようなものだが。


『助けます』


 レインから返ってきたのは、やはり予想通りの答えだった。


『例えその後でどんなことになったとしても、助けます。そのために俺はいる』


 レインの口調に迷いはない。鋭く堅い剣の如く、全てを貫いてでも進もうとする意思に、ミコトは笑った。


「ふふ、すまない。愚問だったな。……と、それより我らが神騎士たちの帰還だ」


 学園長室の中央に、再び魔法陣が浮かび上がった。転移魔法で彼らが帰ってくるのだ。


「ここで切るが、もう二度とこんなことをするなよ。もしそうしたいなら正直に言えばいい。よほどのことがなければ許可してやろう」

『分かりました』

「うむ。〈魔法解除ディスペル〉」


 ミコトが校章を一撫ですると、それだけでレインが付与した術式が強制的に消えた。同時にレインとの接続も切れ、静寂が満ちる。

 眼前の魔法陣が強く光り、そこに十数人の生徒たちが現れた。


「おかえり。今回はご苦労だった、諸君」


 多少の安心感が見える生徒たちと、中央で救護班によって宙に横たえられているアリアを見ながら、ミコトはひとまず労いの声をかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ