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黒から私は色を作る  作者: 西川 涼
すれ違い 〜サラサイド〜
59/97

59.最悪な一日

 ああ…困るわ。

 私が耳をふさいでも、意味がないらしい。


 ぐーがー、ぐーがー。


 うるさいっ!寝れないなんて、辛すぎる!

 私は薄目を開けて、上を見た。

 上のベットには、マリオンが寝ている。しかも、アンドリューのベットに…ああ、悲し。

 泊まらせてって本当のことだったのね…と、私は目を覆う。

 でも、ここってジョニーさんの貸家よね?家出…とは言えないんじゃ?


 しかも、新しい布団カバーをつけたのに、まさかの最初に寝たのはマリオン…どうしてよ!

 ちらりと横を向くと、ロザリーは平然とした顔で、スースー寝ている。

 さすが、同じ職場に居ただけあるわ。

 慣れているから…いや、ただ単に、タフだからか…?


 ごそごそとロザリーは寝返りをする。すると、片耳に何かが入っているのに気づいた。…耳栓。

 ひどい…

 もう、私のメイドじゃないけど、耳栓をしろって忠告してくれたっていいじゃない!



 朝に起きると、私は目を真っ赤にさせながら朝食を食べた。

 いや。これは違うわ。食べることができなかった、が正解。

 一口食べるごとに、頭を机に打ち付け、また一口食べると、頭を机にドン。おかげで、寝不足にプラスされて頭痛が激しくなり、顔には目玉焼きの黄身や、ベーコンの油がべっとり。


「サラ様…大丈夫ですか?」

 …マリオン。あなたに言われたくないわよ。

 あなたのせいで寝れなかったのよ!?


「サラ様!お顔が大変なことに!」

 …ロザリー。あなたは私を助けられたわよね!?

 あなたなら、私が寝不足にならないようにできたわよね!?

 私はふらふらと洗面所に行くと、タオルで目玉焼きなどなどを拭いた。


「…寝るわ」

 私の記憶は、そこまでだ。



 気づいたら、昼だった。

 いや。どちらかと言うと、起こされた、だ。

 下の階から、けたたましい声がしたから、目を覚ました。

 もっと爽やかな起き方はないのかしら…?


 もう一眠りしたいな、と思ったけれど、今起きないと夜に寝れないと思い、無理矢理目を覚ました。

 ぐーっと伸びをすると、私はキッチンに向かい、朝に食べられなかったパンを一つかじる。

 今日は何もする気がないな…と思ったが、また下で喧騒が起こる。

 あー。最悪な一日なりそう。


「サラ様!大変です!」

「どうしたのよ、ロザリー。私は起きたばっかりなのよ?」

 だいたい、マリオンVSジョニーさんの案件については、私は関係ないのに…


「このままじゃ、私達、暮らせなくなります!」

 …えー?



 下に降りると、ジョニーさんが出て行ったところだった。

 マリオンは憤慨して、椅子に座っている。

 それにしても…綺麗ね。ピッカピカなのはもちろん、花が飾ってあってとてもすてき。私達の飾りよりもすごいわ。


「マリオン。これ、ジョニーさんがやったの?」

「サラ様…ええ。そうですよ」

 しかし、彼女はそっぽを向き続ける。しかし、その横顔は、少し悲しみが滲み出ていた。


「さよならの贈り物、ですって」

 え…?

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