59.最悪な一日
ああ…困るわ。
私が耳をふさいでも、意味がないらしい。
ぐーがー、ぐーがー。
うるさいっ!寝れないなんて、辛すぎる!
私は薄目を開けて、上を見た。
上のベットには、マリオンが寝ている。しかも、アンドリューのベットに…ああ、悲し。
泊まらせてって本当のことだったのね…と、私は目を覆う。
でも、ここってジョニーさんの貸家よね?家出…とは言えないんじゃ?
しかも、新しい布団カバーをつけたのに、まさかの最初に寝たのはマリオン…どうしてよ!
ちらりと横を向くと、ロザリーは平然とした顔で、スースー寝ている。
さすが、同じ職場に居ただけあるわ。
慣れているから…いや、ただ単に、タフだからか…?
ごそごそとロザリーは寝返りをする。すると、片耳に何かが入っているのに気づいた。…耳栓。
ひどい…
もう、私のメイドじゃないけど、耳栓をしろって忠告してくれたっていいじゃない!
朝に起きると、私は目を真っ赤にさせながら朝食を食べた。
いや。これは違うわ。食べることができなかった、が正解。
一口食べるごとに、頭を机に打ち付け、また一口食べると、頭を机にドン。おかげで、寝不足にプラスされて頭痛が激しくなり、顔には目玉焼きの黄身や、ベーコンの油がべっとり。
「サラ様…大丈夫ですか?」
…マリオン。あなたに言われたくないわよ。
あなたのせいで寝れなかったのよ!?
「サラ様!お顔が大変なことに!」
…ロザリー。あなたは私を助けられたわよね!?
あなたなら、私が寝不足にならないようにできたわよね!?
私はふらふらと洗面所に行くと、タオルで目玉焼きなどなどを拭いた。
「…寝るわ」
私の記憶は、そこまでだ。
気づいたら、昼だった。
いや。どちらかと言うと、起こされた、だ。
下の階から、けたたましい声がしたから、目を覚ました。
もっと爽やかな起き方はないのかしら…?
もう一眠りしたいな、と思ったけれど、今起きないと夜に寝れないと思い、無理矢理目を覚ました。
ぐーっと伸びをすると、私はキッチンに向かい、朝に食べられなかったパンを一つかじる。
今日は何もする気がないな…と思ったが、また下で喧騒が起こる。
あー。最悪な一日なりそう。
「サラ様!大変です!」
「どうしたのよ、ロザリー。私は起きたばっかりなのよ?」
だいたい、マリオンVSジョニーさんの案件については、私は関係ないのに…
「このままじゃ、私達、暮らせなくなります!」
…えー?
下に降りると、ジョニーさんが出て行ったところだった。
マリオンは憤慨して、椅子に座っている。
それにしても…綺麗ね。ピッカピカなのはもちろん、花が飾ってあってとてもすてき。私達の飾りよりもすごいわ。
「マリオン。これ、ジョニーさんがやったの?」
「サラ様…ええ。そうですよ」
しかし、彼女はそっぽを向き続ける。しかし、その横顔は、少し悲しみが滲み出ていた。
「さよならの贈り物、ですって」
え…?




