第1話 「運命」それは突然やってくる
禁術使いの魔法剣士。この回から新章に入ります!どうかよろしくお願いいたします。
ウィルネス国王である、神道 紫電の猛攻から無事逃れられた俺達4人組は、隣国のファランクス国の兵達に助けられヘリに乗っているのだった。
ヘリの中は以外に広く、中には俺達4人組と先程助けてもらった好青年と恐らく付き添いであろう金髪の女兵士と運転士の7人が乗ってものびのびと乗られるぐらいだ。
「この度は私共を助けて頂き、ありがとうございました」
宮城会長はペコリと頭を下げてそう言った。
「いやいや、いいんですよー。これが俺達の仕事ですから!」
あぁ…、なんていい人なんだ。世の中にはこんないい人がいるんだな~。
「失礼ですが…、あなた方は軍の方でしょうか?」
宮城会長。どう見てもこの人達は軍の人でしょう。
「ん~、ちょっと違うかな?俺はファランクス国王の榊 信司。そしてそこの隣にいるのが俺の娘の結衣菜だ!」
なっ…、そんなご冗談を…。
「やはりそうでしたか。お初にお目にかかります、宮城 俊介と言います」
え?宮城会長、知ってたんすか?
「私は神崎 玲奈と言います」
「一ノ宮 瑞希でーす!この度はありがとうございました!」
おい、軽いな、瑞希ちゃん。
「君は?良ければ名前、教えてくれるかな?」
あ、やべぇ。俺の名前言いたくねーーー。そういや、まだ瑞希奴は俺の名前知らないじゃん!絶対笑われる…。
「新谷です」
「下の名前は?」
くっそ~、国王。空気読め!
「ゆ、唯…。新谷 唯です!笑いたければどうぞ豪快に!」
「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!先輩、唯って言う名前だったんですね!」
やっぱこいつかー、瑞希。後でしばこう。それより…。
「あんたも何か言いたそうだな、結衣菜姫」
「お姫様に向かってその口のきき方はないんじゃないの?新谷君」
すると、結衣菜姫は俯き何やらもじもじとしている。
「わ、私と似た名前だったから、その…、嬉しいな…って」
俺はこの時、生まれて初めて思った事がある。それは…。
唯と言う名前で良かったと!
それから数時間後。
「よーし、着いたぞー!皆降りてこーい!」
まったく、うるさい国王様だ。
「んー…、いい空気だ!どうだ新谷」
「新鮮で気持ちいいですね」
そう言って、宮城会長の方へ振り向くと何やらニコニコと笑っていた。
「新谷、間違っても間違いは起こすなよ」
この人、俺が思ってた事に感ずいてやがる。
「はいはい、分かってますよ」
「ならいいんだ!」
「早速だが、王室へ来てくれないか?少し話しておきたい事がある!」
また改まって、どんな恐ろしい事をいう気だ?この国王様は。
「ええ、もちろん」
「そうか!ならうちの娘に案内してもらってくれ。この空港から徒歩で10分程度だ!」
あんたは行かないのか?
「国王様は同行しないのかしら?」
「俺は野暮用があるから!」
また胡散臭い事を。
「胡散臭いわね…」
おい、神崎。聞こえてるぞー。めっちゃこっち見てるぞー。
「神崎!聞こえてるぞー!俺が胡散臭いだってー?」
「気のせいではなくて?」
もしかしてあれか?神崎、国王嫌ってるのか?
よく分かった。神崎はうるさい奴が嫌いなんだな。気を付けよう…。
「じゃあ、後は任せたぞ!ゆいーーー!」
え、俺!?道知らんぞ。
「はい、お父様」
この子の愛称だったかー!騙されたわ。
それで、いちいちニコニコしないでくれます?宮城会長。
「先輩っ!道案内、よろしくです!ぷっ…!」
瑞希ーーー!どいつもこいつも俺で遊びやがって!
「では…、新谷さん。こちらへ」
え?俺を案内してくれるの?これはもう…。
「運命感じるね、新谷。先頭、頼んだよ」
宮城会長、いい加減にしてくださいよ。しばきますよ?
「う、運命だなんて…、そんな、私如きが…」
「あ、い、いや、その、ね?この人の言う事いつもデタラメだから!ははは」
俺らしくねー…。
「運命ではないのですか?」
上目使いでこの可愛さ…。やべぇ、俺頭がおかしくなりそうだ。
「う、運命だといいな!」
何言ってんだ俺ーーーーー!
「…はい!」
俺は思った。このまま2人だけの時間が続いて欲しいと。
「新谷君♡」
「せーんぱい♡」
「「そろそろ行きましょうか!」」
「はい…」
こうして俺は王城へと向かって歩き出した。
そして10分後、王室へとやってきた。
「失礼します」
宮城会長を先頭に俺達は王室へと入室する。
「いらっしゃい!時間通りだねー!」
野暮用があるとか言ってたくせに早いんですね。
「野暮用があるとか言ってたくせに早いんですね」
俺が思った事を言うんじゃねー、神崎。
「速攻で終わらして走ってきた」
あんた本当に国王ですか?
「で、私達に用とは?」
宮城会長が本題に持ち込む。
「うむ、率直に言おう!」
皆、固唾を呑む。
「ファランクス国軍の防衛隊に入隊してもらう!」
「わ、私達が軍に?」
宮城会長もこれは予想していなかったらしい。
「ああ、それも見習いからではなく、精鋭部隊として動いてもらう!」
「それはありがたいのですが、私達が軍に干渉していいのですか?」
「ああ!俺はお前達を信じる。信じさせてくれ!」
この国で戦う事は予測していたが、あくまで傭兵かなんかで働くものだと思っていた。もちろん、宮城会長もそうだろう。
「分かりました、私達はファランクス国軍防衛隊に入隊します!」
こうして俺達の新たな戦いが始まるのだった。
もしかするとこれは運命であり、宿命なのかもしれない…。
お読みいただきありがとうございます。新章の方はいかがでしょうか?まだまだ未熟ですが、感想や評価、アドバイスなども頂ければ幸いです。
これからもよろしくお願いいたします。