第4話 まだ終わらない
俺は現在、禁術と思われる術を使用している。今は俺の身体に異常は見られないがリスクが無いとは言いきれない。
早くこの戦いを終わらせなければならない。
「新谷、後少し粘ってくれるか」
俺は言葉が発せない為、頷いた。
「俺と神崎で周りはなんとかする。君はあいつだけに集中しろ」
本当にありがたい。こんな頼もしい仲間がいるんだ、俺もそれなりの成果を挙げないとな。
宮城会長は神崎と共に敵の迎撃に入る。
さあ、こちらも始めようか。神道 明。
「はっ、禁術が使えたくらいで調子にのるな!俺のベリアルの炎には適わねーよ」
そろそろお前も限界だろ?俺のスピードに付いてこれるか?
「もう時間がねーから、全力でいくぞ」
明は両手を天に掲げる。
「悪魔の獄炎爆裂!」
なんだ…、あの炎の塊は…。よける事なんて出来ない!
くそっ、守る事で精一杯かよ!
俺は宮城会長と神崎の元へ向う。
「新谷君!?どうして?」
俺は上に指を指す。
「これって…、嘘でしょ…」
嘘じゃない、これがリアルだ。
俺はすぐさま全魔力を使用し魔法障壁を展開する。
俺は宮城会長に目をやる。
「ほんと面白いな、君は。炎魔法障壁!」
「私も加わります。魔法障壁」
こうして三重で炎属性の魔法障壁が完成した。無属性魔法がこんなに使えるとはな…。
すざましい衝撃が俺達を襲い、しばらくすると衝撃はおさまった。
俺は恐る恐る目を開けるとそれは、さっきまで見ていた世界とは全く違う。校舎もグラウンドも民家もビルも道路も橋も全てが破壊され、無の状態になっていた。
この様子に2人共、形相を変えて見ている。
「俺達は勝ったのか…」
おれ?今、俺が喋ったのか?という事は…。
「大丈夫か!?新谷!鼻血が止まらない!」
そうか…、そりゃあそうだよな。俺は人が生きる時間内で5倍生きて、俺が使える限界の魔力の5倍使ったからな。
「俺、どのぐらい禁術使いましたか?」
「約、1分だ」
短けー…。1分でこのザマかよ。
「会長!タオル持ってきました。どうなりそうですか?」
「血はおさまりそうだ。特に問題はないだろう」
ともあれ、皆が無事で良かった。
そういや、敵軍はどうなったんだろう?
全員巻き込まれて死んだか?
「我の軍をここまで追い込むとは、なかなかやるのぉ」
このズンと響く低い声、国王!?
俺が振り向いたその先から歩いてくるのは、国王の神道 紫電だ。
「会長…、私達の魔力は残ってませんよ?」
「分かってる…」
俺がもう一度禁術を使えば、勝てるか…。いや、無理だろう。
「我の軍を倒したと思っておるだろうが、全兵、我の禁術で城に戻してある」
瞬間移動ってやつか…。俺達だけがここに残されたのか。
もはやここまでか…。
「散れ」
目の前が光に包まれる。これが噂の神道 紫電の雷属性魔法。
今度こそ終わりか…。
そんな時、俺の耳にこんな言葉が聞こえてきた。
「新谷、神崎。まだ、終わりじゃない」