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禁術使いの魔法剣士  作者: 柊 タクト
第3章 真実
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第4話 禁術開放

世界で開かれる事になった戦術大会。ファランクス国では全国軍候補生向上大会と呼ばれている。


俺がその大会に出場するフィルネス国の代表選手であり、選抜者となった日から約1ヶ月後の6月3日。

大会の日まで残り1ヶ月となった。


「兄貴。そろそろ訓練の時間だぜ」

俺と未来が朝食をとっている途中、明が声をかけてきた。

「おお、今日は気合い入ってるな~」

「兄さん、それは今日が代表選抜の日だからですよ」

「うっせー!先行ってるからな」

明はぷいっとそっぽを向き訓練場へと向かっていった。

「兄さん、昨日で一通り全員の実力を見ましたが、検討はついているのですか?」

「まあ、一応な」

実はかなり迷っている。いい選手がたくさんいるからだ。

下手をすれば俺は未来や明、他の優秀な選手に負けてしまうかもしれない程だ。

「じっくり考えてくださいね、兄さん」

その未来の言葉はまるで自分は出れなくてもいいと言っているかの様だった。


そして代表選手の発表の時がやってきた。

『えー、それでは代表選手を発表する!』

辺りは静まり返る。

『まず1人目は俺、神道 唯』

やはりざわつき始めたな。まあ、当然だろう。

『そして、神道 明と神道 未来』

なんか後ろの方でガッツポーズしてる奴が見えた気がするんですが気のせいですかね。

『そして最後は、工藤(クドウ) 飛鳥(アスカ)!』

至って普通の黒髪メガネの工藤 飛鳥はあの工藤 修一の実の孫で、じっちゃんの元で暮らさずに都会に住む親の元で暮らしていたらしい。

そして、元第1魔法学校の生徒会長だ。高校生の中ではトップという事になる。

もちろん、未来や、明を超えてな。

ちなみに飛鳥という女みたいな名前だが男だ。

「おい!工藤さんや、王子と王女様の実力なら納得いくが、お前の実力は大した事ないではないか!」

ごもっともだ。こいつらの言う通り、俺には五属性魔法が使えないから弱そうには見える。

「本当に強いなら正式な模擬戦でもして、実力を見せてくださいよー!」

面倒臭い事になってきたが、さすがに言われっぱなしなのは腹立つな。

「いいだろう、俺の実力を見せてやる。工藤、俺と模擬戦をしてくれないか?」

あ、先輩に呼び捨てしてしまった。

「身内同士だと示しが付かないしな」

「いいだろう」

俺は思った。これ、本当に勝てるのかと。


模擬戦の準備が整った。

俺がアクセサリーとして装備している、俺の半身とも言えるビー玉みたいなものをフルに使うのは初めてだ。

上手くいくのか?

『では模擬戦スタート!』


ついに始まってしまった…。

攻撃増幅魔法(アタック ブースト)

工藤に赤い光に纏われる。

「ならこっちは…、魔法(マジック) 障壁(シールド)

まずは手始めにこれをあいつに向けて飛ばす!

「甘い…」

嘘だろ?指に触れただけで消滅だと?

火炎(ファイア) 衝撃波(バースト)

「くっ!魔力完全開放、魔法(マジック) 障壁(シールド)

俺の目の前が赤い炎で包まれる。

中級魔法でこの威力だ。恐らく明の禁術開放時の全力に匹敵するだろう。

「嘘だろ…。周りがマグマ状態になってやがる」

「貴様はその程度か」

くそ、せめて禁術使えば…。

と、そう俺が念じた時、俺の魔力のアクセサリーがごく薄く輝き始めた。

(新谷ー、聞こえるかい?)

え!?俺の脳に言葉が?

(落ち着いけ新谷。恐らく今、君の魔剣と君の想いが共鳴してる)

見つけてくれたんですね。

(それより、今ピンチなんだろ。何をしてるのか知らないが)

それはそうですが…。

(使って構わない。この魔剣が共鳴する程強い想いだ、余程の事なのだろう)

分かりました、恩に着ます。

(ああ…)

アクセサリーの光は消えていった。

「あ〜すまん、待たせたな工藤。」

「何を企んでるのかは分からんが意味はない」

さてとタイムリミット俺の中では3分という事で。


「禁術開放!」

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