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禁術使いの魔法剣士  作者: 柊 タクト
第3章 真実
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第1話 真実とは

俺、新谷 唯はファランクス国から母国であるウィルネス国に連れ去られるという形で帰国した。

そしてその日の夜、神道家である俺は神道家の宮殿へと第1王子である明に連れて行かれた。


「唯、こうして話すのは久しぶりだな…。と言っても記憶が無いから分からんだろうがな」

王室へと招かれた俺は王座に座っている国王、神道 紫電と対面した。

会うのは約1ヶ月ぶりというところか。

「国王様…、とお呼びしますが、俺からお聞きしたい事があります」

国王は「うむ…」と顎に手を当てる。

「いいだろう、話してみろ」

「まず俺を神道家に戻したのは俺が禁術を開放したからですか?」

まずは様子見だ。どの程度答えるのか見ものだな。

「勿論それもあるが、他にもお前を敵に回したくないというのもある」

なるほど、やはりファランクス国を攻める気なのか。

「次に…」

俺は国王の威圧にも負けない程の眼差しで睨む様にしてこう言った。

「俺の記憶は誰が改ざんした。そして俺が神道家の者ならそれなりの力があるのに一般人以下。これはどういう事ですか?」

国王から放たれる威圧はピリピリとしたものに変わった。

「記憶は我が妻が消した。お前の残り半分の力はあるところに封印してある。明日、それを取りに行くといい」

「その場所は?」

「お前にとっての故郷だ」


俺がウィルネスに戻って国王と対面した次の日の朝。俺はチュンチュンと鳴く鳥の鳴き声と眩い朝日によって目覚めた。

さて、俺の故郷に戻るとするか。

俺の故郷は超が付くほど田舎で名前すら与えられていないところだ。

俺が生まれた時からずっとそこで暮らしてる事になってるが、実際どこまでが真実なのか分からない。

まあそれは向こうの人に聞けば分かるか。

俺が支度を済まし部屋の扉を開けると女の子がいた。

身長が低めの黒いセミロングの髪をした子だ。恐らく中学生ぐらいだろう。

「おはようございます、兄さん」

に、兄さん!?どういう事だ?

「あ、記憶がないんでしたね。初めまして、妹の未来(ミライ)と言います」

へー、明以外にもいたなんてな。

「あー、すまんな未来。それで今日はどうした?お出迎えか?」

「違います、同行です」

別に1人でもいいのにまあいいか。

「じゃあ、行くか」

「はい、兄さん」

うん、全然表情が変わらない淡々と喋る子だという事は分かった。


俺達兄妹は、俺の故郷へ電車で向かっている。

それにしても、あいつらどうしてるだろうか。

俺が居なくなって心配しているだろうか。まあ、悲しいが探しすらしていないと俺を思う。

ま、それは冗談でとにかく俺が遠くに飛ばした魔剣を探して欲しい。あれは俺と一心同体と言っていい。俺が死なない限りあの剣を赤く輝き続ける。

それさえ見つけてくれれば…。

「兄さん、考え事ですか?」

なかなか鋭いな。

「まあな」

「私、兄さんが帰ってきてくれて、嬉しい…。兄さんがいない間、寂しかった…」

未来は少し俯いて喋った。少し頬が赤くなってる気がした。

そういえば、俺はいつからいなくなった?

「悪いな、未来。ちなみに俺はいつから居なくなった?」

「今から5年前。兄さんが12歳の時、記憶を改ざんされて捨てられた」

なるほど、俺の記憶が真実なのは魔剣を作った頃からという訳か。

「兄さん、もうどこにも行かないで欲しい。私と遊んでくれたの兄さんだけだった。明は修行ばっかりで相手にもしてくてなかった」

俺は兄さんなのにあいつは呼び捨てか。よっぽど嫌なんだな?

「はは、俺は修行サボってばっかりだったんだな」

なざか納得してしまうな~。

「うん、だって兄さんは天才だったから修行しなくてもすべての魔法使えたから」

はい?

「俺が?」

未来はこくりと頷く。

一体俺の過去はどうなってんだ?

最弱の俺が最強だってか?


俺の頭はいっぱいになり、電車から流れるアナウンスの声がまったく頭に入ってこなかった。






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