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死神の葬儀屋  作者: 水尺 燐
20章 天体反乱(後編)
827/854

チャンスを作る

少なめです

 「落石(ロックブラスト)!」

 大量の岩をズリエルとアスモデル上空から落とす。

 それを見て避けるのが間に合わないと見た2人は守の盾(シールド)で防ぎきり、凌ぎ終えた直後にズリエルが叫ぶ。

 「我は定め……」

 「岩弾(ロックバレット)!」

 言わせない、力をまだ使わせないとセラフィナがズリエルに向けて力を込めた岩の弾丸を飛ばすが、まだ張っていた守の盾(シールド)によって防がれる。

 しかし、ダメ押しを押したことでズリエルは中断を余儀されていた。これは直前にズリエルが発動しようとしてちた時に岩の弾丸の威力を少なくしようとしていたからだ。

 この方法は一瞬の世界ではあるがセラフィナには目に見て分かっていた。

 「ふぬ!」

 ついでに、幾つか軌道が反れた岩の弾丸はアスモデルの拳で砕かれてしまった。

 とは言え、これは想定の範囲内であり、ズリエルが諦めていないことは分かっており、その為にセラフィナは新たな手を打つ。



(イェルミエル、聞こえますか?)

 セラフィナは部下の1人である天族の少女に念話(テレパシー)で語りかける。

 突然、頭の中に言葉が響いたにも関わらずイェルミエルは驚いた様子一つしない。これは恐らくセラフィナから念話(テレパシー)を受ける機会が多かったからと思える。

(はい)

(私が合図をしたらズリエルに攻めてください。指揮者は貴女に任せます。貴女は残りの部下達と共にヨトゥンヘイムの守を)

(何故ですか?皆で攻めれば……)

(倒せるかもしれませんが、それではいけません)

 倒して終わりではないとセラフィナは伝える。

(今回の相手は説明しましたね?ここで全員で全力で攻めれば、後から現れた分体や分身に遅れを取らない保証がありません。後から増援が来ても言い様に一部には戦いに参加しないでもらいたいのです)

(分かりました)

 この先の展開も考えてのことであると理解したとイェルミエルは返事を返して、すぐに言われた指示へと動き出した。


 しかし、イェルミエルは気が付いていない。セラフィナがこの戦いの展望をうやむやにしていたことを。

 それが最も伺えられるのが、「皆で攻めれば」とイェルミエルがセラフィナに念話(テレパシー)で伝えた時だ。

 セラフィナが具体的な数を言うのはおかしいかもしれないが、部下達の気を引き締めたり上げたりするのには数を口に出して伝えるのは必要なことだ。

 だが、セラフィナは嘘でも本当でも伝えなかった。その理由は単純にズリエルとアスモデルの2人と戦うには相性が悪いからだ。

 2人同時に相手をすれば負ける確率が高く、今の状態で戦ったとしても1人が関の山。完全に敗北する未来しか見えない。

 しかし、それは2人同時に相手をしているからであり、1人ずつであれば何とか勝てる見込みが高くなるくらいだ。

 だからこそ、イェルミエルには今いる人数を分けたら足止めを頼みたいのだと伝わることだけが伝わり、一度の台詞で聞き返すことも尋ねることもなかったのだ。



 これ以上の追及がないことを見たセラフィナはさっそく行動に取りかかる。

「これは先程よりも強力です。耐えられますか?」

 そう言う両手には本来であれば難しい術が素早く生まれようとしていた。

「この力は……」

 既に出来上がる一歩手前、信じられない速度で構築スピードにおどろいたズリエルが額から汗、アスモデルは一歩下がって何があっても言い様に構えた、その時。

流星群(シューティングスター)!」

 あっという間に組み上げられた大技がズリエルとアスモデルに襲いかかる。

 流星群(シューティングスター)落石(ロックブラスト)など話にならないほどの質量と速さと威力に輝きを持つ術。 文字どおり流星そのものだ

「くっ、調整!」

「うぉぉ!」

 回避に徹する2人はそれぞれで力で身を守る。

 しかし、2人の距離は徐々に離れていき、これを待っていたとセラフィナが叫ぶ。

大地槍(グレイブニルス)!」

 2人の合流を遮るように真ん中から、大地から土で出来た槍が幾つも出現してはズリエルへと攻撃をしかける。

「ズリエル!」

「イェルミエル!」

「はい!」

 セラフィナ、アスモデルが同時に、続いてイェルミエルが返事をして各々がやるべきことをやり始める。


 セラフィナは睨み返しているアスモデルを睨むと両手に力を集める。

 その様子にアスモデルは警戒心を露にする。

「まずは貴方からです。アスモデル!」

 巡ってきたチャンスにセラフィナはアスモデルに勝負宣言を言った。

少し急ですが、明日の投稿で今年の投稿は終わりとなります。

後程、活動報告に詳しいことを載せます。

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