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死神の葬儀屋  作者: 水尺 燐
12章 覚悟と霊剣
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入るまで

『悪魔の接触確認!』

「そのまま様子を見ろ」

 マオクラフからの領域による連絡によりディオスの現状が分かったレナードは指示を出した。

「ついにか」

「ああ。このまま新住宅街に向かってくれればいいが……」

 最初にして最大の難所に至ったことでレナードとリーヴィオが顔を歪めた。

「上手く誘われることを祈るしかありません」

 接触したからには弟子組に任せるしかないとクロスビーが促す。

「ああ。それとロレッタ達が怪我なく……は無理だろうが無茶せず何事もなければいいが」

「無茶~もぉむぅりっだと思うがなぁ~」

 杞憂であってほしいと思ったのに余計なことをいうなとアドルフはガイウスを睨み付けた。


 レナード達がいるのは旧住宅街にある水路の一つ。アシュミスト整備後でも残っていた地下水路へと通じる比較的広い水路の近くにいた。

 アドルフ達が候補を絞りモルテの頼みを終えたレナードが領域で探知をした結果、この場所からならア悪魔が潜み続け、ユリシアがいる場所に近いと特定したのだ。

 悪魔がディオスに接触したからには早々に侵入したいところだが、悪魔が目的に気が付いて地下水路に戻って来る様なことがあればユリシア奪還は難しくなる。

 いや、悪魔が今いる場合から潜み続けていた場所は距離があるのだから時間はかかる。しかし、何らかな方法で瞬時にとはいかずとも短縮して来る様なものがあったらユリシアに危険となってしまう。

 歯痒いことだが地下水路が通っていない新住宅街にまで悪魔が向かわなければ侵入出来ないのだ。


 マオクラフの知らせが来てから時間はそう経っていないはずなのに長く感じてしまう。

「レナード、今のうちに聞いていいか?」

 待つことに耐えきれなくなりアドルフが尋ねた。

「何で今回に限って直接乗り込むことにした?例の胸騒ぎか?」

 記憶から薄れつつあったがレナードが珍しく領域を使わず乗り込むと言った背景に何かがあると行ったのだ。

 それが何かと尋ねると、レナードはまるで重い腰を上げたかの様に話し始めた。

「ああ。領域でディオスの妹がいるんじゃ場所を探知した時に確信した。二つな」

「二つ?」

 レナードの言葉にこの場所にいる全員が釘付けになる。

 そして、マオクラフから連絡がまだ来ないことをいいことにレナードは話すことにした。

「一つは悪魔が地下水路全体に浸透させている力だ。もっとも、それは前に言った通り存在を感知されないようにするものだが、俺達が何をしているのかも感知する為のものだった」

「つまり、存在を隠しながら私達の存在を探ることが出来るということですか」

「だがよぉ、そぉ~れなら俺達がぁこっこ~にぃいるのがぁわっかるだろぉよぉ」

 ガイウスの懸念は確かであるがレナードは否定した。

「いいや。さっきも言ったが地下水路がある場所にだけ広がっている。それに、力は表面だけで下には浸透していない。恐らく下級だからそこまでの力がないんだろう。それに、水にも浸透していないのだから俺達がここで何をしようとしているのかは分かっていないはずだ」

 だからこちらが何かをしようとしても悪魔は気づかないと言う。

「だが、それで領域を使わない理由にはならないだろう?」

 今の話ではさほど領域を使っても問題ないように聞こえるとリーヴィオが言う。

 しかし、レナードは首を横に振った。

「もう一つが厄介なんだ」

「厄介?」

「ああ。偶然か知った上でか分からないが、下手をすれば街が吹っ飛ぶ。」

 その言葉にアドルフ達は驚愕した。


  ◆


 その頃……

「邪魔だ!」

 悪魔は向けて拳を振るったが、ファズマは回避すると距離を取った。

「っと、あぶねぇな」

 ファズマは余裕を持ってニヤリと笑うが内心では本当に危なかったと冷や汗をかいている。

 ファズマは悪魔との戦いにおいて積極的に責めていない。回避を重点において適度に相手をしている。


 これはディオスが新住宅街に辿り着き、なおかつユリシアを救出するまでの時間稼ぎである。

 ディオスだけではいずれ悪魔に追い付かれてしまうからとフランコ以外が逃げる時間を稼ぐことになったのだ。そして、ディオスが逃げ切れるだけ逃げ切れればそれだけユリシア救出の時間にもなる。

 全てがディオスにかかっているとも言えるが、それをサポートするのが弟子組の役割りである。


 ファズマは距離を取ったまま悪魔が次にどんな行動に移るのかと目を放さない。

 そして、悪魔は力を振るい出した。固められた地面の一部を抉ると宙へと浮かした。

「どけ」

「ヤベッ!」

 固められた地面が落とされては防ぎようがないとファズマは脇道へと避難する。

 その直後、見た目に似合わぬ轟音と砂煙が上りファズマの視界を奪い、その間に悪魔はディオスを追いかけ始めた。

 数秒後に目を僅かに開けたファズマは悪魔の姿がないことを悟るとすぐにマオクラフの領域を通じてディオスに連絡を入れた。

「ディオス、悪魔がそっちに行った!」

『分かった!』

 ファズマは連絡を入れるとすぐに別ルートから新住宅街へと向かった。


  ◆

 

 レナードが恐ろしいことを言った直後、マオクラフから連絡が入った。

『悪魔が新住宅街にたどり着いた。そのまま侵入!』

「分かった。ここからが本番だ。頼むぞ!」

『ああ!』

 そう言ってレナードは先程までの話を区切った。

「悪魔が新住宅街にたどり着いたら。行くぞ!」

 レナードの言葉にアドルフ達は地下水路へと入った。

実家に帰る関係で11月24日から29日までお休みします。

次回は11月30日です。

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