墓地の戦い、終結
投稿遅くなりまして申し訳ございません。
急な来客にドタバタしてしまい遅くなりました。
ファビオが子蜘蛛を討伐し終えた頃、墓地最下層の戦いも終盤に差し掛かっていた。
「ぐあっ!」
アイオラが振るう月鎌に右腕を切られた上級悪魔がたじろぐ。
「うおぉぉぉ!」
「くっ……」
もう一体の上級悪魔も侵入してきた中級悪魔を刈り終えて参戦したハロルドのハルバードを避けたり防いだり、隙を見て攻撃を仕掛けるも決定だを与えるには小さい為に徐々に追い詰められていた。
そして、とうとう2体の上級悪魔は背中合わせにぶつかる。
「くそ!」
「お前!?」
「離れろ!」
一瞬驚く上級悪魔達だがすぐに離れて互いにある程度の距離を取る。
これはヤードが見せた死神の力で束縛されるのを回避する為である。少しでも近づいてしまえば2体一度に刈られる可能性があったからだ。
すぐに離れたからか幸いにして束縛はなかったが、3人の七人の死神に意識を戻す。
「もう諦めたらどうですか?」
「ふん!諦めろと言われて諦める奴がいるか!」
ヤードの問いかけに論外だと睨み付ける上級悪魔。
この返しと反応には別に言い返す必要がないのではと思ったが、その様な反応を示したということは苦し紛れから言っていると思われる。
それを死神が3人に対して悪魔が2体で数に差はなくても少しでも多いと苦しいのだと捉える。
「そうですか」
数秒ほど悪魔の反応を見るが変わりがないことでヤードは下ろしていた銃を向ける。
瞬間、アイオラが月鎌を振るう。ヤードの構えは意識を反らす囮であった。
その攻撃を上級悪魔の一体が左に避けてかわすと手のひらを向けて触れることなくアイオラを弾き跳ばす。
「つっ……!」
衝撃を感じたが体に問題はないとすぐに体制を立て直す。
その近くではハロルドのハルバードがもう一体の上級悪魔の牛の蹄を受け止めていた。
「力任せか……」
「悪いか?」
不敵な笑みを浮かべるとそのままハロルドを殴り跳ばす。
しかし、ハロルドはその直後にハルバードを床に刺して跳ばされる距離を至近距離にまで縮めた。
そして、ハルバードの柄を軸にして体ごと回転すると死神の力を足に集中させて蹴りつけた。
「ぐあっ!?」
横腹に直撃を受けた上級悪魔はたじろぐと、改めて殺意の目でハロルドを睨み付ける。
「やりやがったな!」
一方のハロルドは清々しい表情で見つめていたがすぐに視線を別の場所に向けるとアイオラが飛んできた。
「おっと!?」
「っ!?……ああ、ありがとうございます」
「それはいいが何度も跳ばされ過ぎるだろ?」
「跳ばされていますがこれでいいんです」
受け止めて呆れるハロルドだが、アイオラはこれでいいのだと笑う。
「何をごじゃごじゃと!随分と余裕だな!」
「余裕だが?」
睨んでいる上級悪魔にハロルドはまだ呆れた様子をそのまま向けた。
「まだ触れていないというのによく笑っていられる」
「ええ、触れるつもりはありません」
そう言ったアイオラの言葉に2体の上級悪魔は怪訝な様子を浮かべた。
その瞬間、2体の上級悪魔の体が硬直を始めた。
「こ、これは……」
「何故だ……!?」
2体ともヤードに近づいていないばかりかやりあってもいないのに体が言うことを効かないのだ。
「残念でしたね。ハロルド!」
「ああ!」
上級悪魔に一言言って、2体共ハロルドが振るうハルバードに切り裂かれたことで命が絶えた。
静寂が生まれた墓地にアイオラ、ハロルド、ヤードは寄り集まった。
「何とかいけたな」
「はい。ヤードさんのお陰です」
「いえ、ハロルドがすぐに決めてくれたからです。あのままではいつ抜けられたかとヒヤヒヤしました」
「嘘言うな。いくら厳しいからって耐えられるだろ?」
「いえ、かなり厳しいものです」
一連のやり取りに疑問を抱くハロルドはヤードを睨むが、ヤードは本当なのにと苦笑いを浮かべる。
「おーい!そっちも終わったんだな!」
「ファビオ!」
「そっちも終ったんだな」
「ああ。詳しいことは移動しながら話す」
「そうですか。では行きましょうか」
ファビオと合流を果たすとすぐに四人は次の場所へと動き出した。
上記の通り来客の対応の為に明日から28日までお休みします。




